武治提要 / 齊家・第3段
宮室、衣服、食物、及日用の器物、皆これ齊家の用なり。武門の事物皆易簡清素を要とす。禮なりと云て、文章を事とするものは、武門の要旨を失するの端なり。瓊矛の神武其威衰て、王朝德の廢せるものは、蓋し外國の禮をうつし玉へるに權輿せる歟。武門に於て深く不可不愼。況や後宮に寵姬多く、或は歌臺に宴遊の淫行を盛にするをや。武門に如此の佚樂あるものは、其禍、衆蝗の春田に滿るに超たり。英操の發せんとするもの、これが爲にくじく。最懼るべきの甚しきなり。
新字:宮室、衣服、食物、及日用の器物、皆これ斉家の用なり。武門の事物皆易簡清素を要とす。礼なりと云て、文章を事とするものは、武門の要旨を失するの端なり。瓊矛の神武其威衰て、王朝徳の廃せるものは、蓋し外国の礼をうつし玉へるに権輿せる歟。武門に於て深く不可不慎。況や後宮に寵姫多く、或は歌台に宴遊の淫行を盛にするをや。武門に如此の佚楽あるものは、其禍、衆蝗の春田に満るに超たり。英操の発せんとするもの、これが為にくじく。最懼るべきの甚しきなり。
書き下し
宮室、衣服、食物、及日用の器物、皆これ齊家の用なり。武門の事物皆易簡清素を要とす。禮なりと云て、文章を事とするものは、武門の要旨を失するの端なり。瓊矛の神武其威衰て、王朝德の廢せるものは、蓋し外國の禮をうつし玉へるに權輿せる歟。武門に於て深く不可不愼。況や後宮に寵姬多く、或は歌臺に宴遊の淫行を盛にするをや。武門に如此の佚樂あるものは、其禍、衆蝗の春田に滿るに超たり。英操の發せんとするもの、これが爲にくじく。最懼るべきの甚しきなり。
現代語訳
住まいや衣服、食べ物、そして日常の器物は、みな斉家に用いるものです。武門の事物は、すべて簡素で質素であることを要とします。礼だと言って飾りを事とするのは、武門の要旨を失う糸口です。瓊矛の神武の威が衰え、王朝の徳が廃れたのは、おそらく外国の礼を取り入れられたことに始まるのでしょうか。武門においては、深く慎まなければなりません。まして、後宮に寵姫が多く、あるいは歌の台に宴遊の淫らな行いを盛んにすることはなおさらです。武門にこのような安楽があれば、その禍いは、蝗の群れが春の田に満ちるのを超えています。英雄の操が発しようとしても、これのために挫かれます。最も恐れるべき甚だしいことです。
解説
この章句が説くこと
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