武治提要 / 武事・第3段
外國の武器戰術多して、執用ゆべきものすくなし。其間太公、孫、吳、三略、李靖が說等に於て理の超出せるものあり、尤も兵法に益あり。且武侯の八陣其理古今に獨步す。本朝往古の戰法亦規範となすべきものすくなし。況や平野に楯をならべ、或は騎射弓法を必とするが如きに於てをや。只二百年來の戰法大に其利あるもの頗多し。就中甲陽の信玄其素質凶器に長せり、故に其常行の道とする處は執べきものなしといへども、戰法に於ては甚得るものあり、宜く玩索すべし。
新字:外国の武器戦術多して、執用ゆべきものすくなし。其間太公、孫、呉、三略、李靖が説等に於て理の超出せるものあり、尤も兵法に益あり。且武侯の八陣其理古今に独歩す。本朝往古の戦法亦規範となすべきものすくなし。況や平野に楯をならべ、或は騎射弓法を必とするが如きに於てをや。只二百年来の戦法大に其利あるもの頗多し。就中甲陽の信玄其素質凶器に長せり、故に其常行の道とする処は執べきものなしといへども、戦法に於ては甚得るものあり、宜く玩索すべし。
書き下し
外國の武器戰術多して、執用ゆべきものすくなし。其間太公、孫、吳、三略、李靖が說等に於て理の超出せるものあり、尤も兵法に益あり。且武侯の八陣其理古今に獨步す。本朝往古の戰法亦規範となすべきものすくなし。況や平野に楯をならべ、或は騎射弓法を必とするが如きに於てをや。只二百年來の戰法大に其利あるもの頗多し。就中甲陽の信玄其素質凶器に長せり、故に其常行の道とする處は執べきものなしといへども、戰法に於ては甚得るものあり、宜く玩索すべし。
現代語訳
外国の武器・戦術は多いが、取り上げて用いるべきものは少ない。その中で太公・孫・呉・三略、李靖の説などには理の抜きん出たものがあり、もっとも兵法に益がある。また武侯の八陣は、その理が古今に比類がない。本朝の往古の戦法にも規範とすべきものは少ない。まして平野に楯をならべ、あるいは騎射・弓法を必とするようなものはなおさらである。ただ二百年来の戦法には大いに利のあるものが頗る多い。なかでも甲陽の信玄は、その素質は凶器に長じていた。ゆえにその常に行う道は取るべきものがないが、戦法においては大いに得るところがあり、よく玩索すべきである。
解説
この章句が説くこと
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