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武備小学抄録 / 應變爲常第一・可識常與變肝要事・平時にも変事を忘れない心がけ

天地造化の妙を不可例、是を以常を知て變を知らざればものどに怠るもの也、昨日は今日のむかし、今日はまた明日の昔と移り行、是造化の妙にあらずや、されば世も治りぬれば末には亂れ、亂れては終には治るは、月日の移りけるがどし、大平無事の日に生れては、我一代には何事もあるまじと思ふに、怠りの心自然と生じ、武士たる者も其心懸おろそかになりて日をくらすなり、武士たるものは常に油斷なく、

新字:天地造化の妙を不可例、是を以常を知て変を知らざればものどに怠るもの也、昨日は今日のむかし、今日はまた明日の昔と移り行、是造化の妙にあらずや、されば世も治りぬれば末には乱れ、乱れては終には治るは、月日の移りけるがどし、大平無事の日に生れては、我一代には何事もあるまじと思ふに、怠りの心自然と生じ、武士たる者も其心懸おろそかになりて日をくらすなり、武士たるものは常に油断なく、

書き下し

天地造化の妙を不可例、是を以常を知て變を知らざればものどに怠るもの也、昨日は今日のむかし、今日はまた明日の昔と移り行、是造化の妙にあらずや、されば世も治りぬれば末には亂れ、亂れては終には治るは、月日の移りけるがどし、大平無事の日に生れては、我一代には何事もあるまじと思ふに、怠りの心自然と生じ、武士たる者も其心懸おろそかになりて日をくらすなり、武士たるものは常に油斷なく、

現代語訳

天地造化の妙は例えようがありません。ですから、常を知って変を知らなければ、何事にも怠りが出るものです。昨日は今日の昔、今日はまた明日の昔と移りゆくのは、造化の妙ではないでしょうか。世は治まれば末には乱れ、乱れれば終には治まるのは、月日が移りゆくようなものです。太平無事の世に生まれると、自分の一代には何事もあるまいと思い、怠りの心が自然と生じ、武士たる者もその心がけがおろそかになって日を暮らします。武士たる者は常に油断なく、(次の章句へ続きます)

解説

この章句は、世は治乱を繰り返すのに、平和な時代に生きると自分の代には何も起こらないと思い込み、備えが緩むと戒めています。原文は次の章句へ続きます。常を知るだけでなく変を知っておくという視点は、現代の組織にもそのまま通じます。業績が安定しているときほど、人材の流出、取引先の変化、不祥事などの変事を想定する意識が薄れがちです。管理職は、うまくいっている今のうちに、起こりうる事態の洗い出しと手順づくりを進めておくことが大切です。
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この章句が説くこと

『武備小学抄録』伊奈貞昭応変為常常と変太平油断

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