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晏子春秋 / 外篇上・景公置酒泰山四望而泣晏子諫

寡人聞之,彗墾出其所向之國,君當之。今彗墾出而向吾國,我是以悲也。」晏子曰:「君之行義回邪,無德于國。穿池沼,則欲其深以廣也;為台榭,則欲其高且大也。賦斂如捴奪,誅僇如仇讎。自是觀之,茀又將出。彗星之出,庸可懼乎?」於是公懼。乃歸,填池沼,廢台榭,薄賦斂,緩刑罰,三十七日而彗星亡。

新字:寡人聞之,彗墾出其所向之国,君当之。今彗墾出而向吾国,我是以悲也。」晏子曰:「君之行義回邪,無徳于国。穿池沼,則欲其深以広也;為台榭,則欲其高且大也。賦斂如捴奪,誅僇如仇讎。自是観之,茀又将出。彗星之出,庸可懼乎?」於是公懼。乃帰,填池沼,廃台榭,薄賦斂,緩刑罰,三十七日而彗星亡。

書き下し

寡人之を聞く、彗孛其の向かう所の国に出ずれば、君之に当たると。今彗孛出でて吾が国に向かう。我是を以て悲しむなり」と。晏子曰く、「君の行義は回邪にして、国に徳無し。池沼を穿つには、則ち其の深くして以て広きを欲し、台榭を為すには、則ち其の高くして且つ大なるを欲す。賦斂は捴奪するが如く、誅僇は仇讎のごとし。是自り之を観れば、茀も又将に出でんとす。彗星の出ずるは、庸ぞ懼る可けんや」と。是に於て公懼る。乃ち帰りて、池沼を填め、台榭を廃し、賦斂を薄くし、刑罰を緩くす。三十七日にして彗星亡ぶ。

現代語訳

「私はこう聞いている。彗星が向かう先の国に現れると、その国の君がこれに当たる、と。いま彗星が現れて、私の国に向かっている。だから私は悲しいのだ」。晏子は言いました。「君の行いと義は曲がり邪で、国に徳がありません。池や沼を掘れば深く広くしたがり、高殿を造れば高く大きくしたがります。税の取り立てはまるで奪い取るようで、罰して殺すさまは仇に対するようです。こうしてみれば、茀星もまた現れようとしています。彗星が出たからといって、どうして恐れるに足りましょう」。ここで公は恐れました。そこで帰ると、池や沼を埋め、高殿を取り壊し、税を軽くし、刑罰を緩めました。三十七日で、彗星は消えました。

解説

泰山の宴の続きで、景公が悲しみの本当の理由として、彗星が自分の国に向かっていることを挙げた場面です。晏子は、星のしるしを恐れるより、君自身の日ごろの行いを見るべきだと言い返します。池や台の造営、重い税、苛酷な刑罰を並べて、そちらのほうがよほど凶兆だという筋です。公は恐れ、すぐ造営を止め、税と刑罰を軽くしました。三十七日で彗星が消えたと書かれていますが、史実かどうかはここでは断定しません。外のできごとのせいにするより、内側の仕組みを点検する姿勢は、業績不振の理由を市場や運のせいにしがちな経営にも通じます。数字が悪いときほど、自社の運営から先に見直したいところです。

この章句が説くこと

彗星凶兆自省苛政減税晏子春秋

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