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晏子春秋 / 諫上・景公欲誅駭鳥野人晏子諫

景公射鳥,野人駭之。公怒,令吏誅之。晏子曰:「野人不知也。臣聞賞無功謂之亂,罪不知謂之虐。兩者,先王之禁也。以飛鳥犯先王之禁,不可。今君不明先王之制,而無仁義之心,是以從欲而輕誅。夫鳥獸,固人之養也,野人駭之,不亦宜乎。」公曰:「善,自今已來,弛鳥獸之禁,無以苛民也。」

新字:景公射鳥,野人駭之。公怒,令吏誅之。晏子曰:「野人不知也。臣聞賞無功謂之乱,罪不知謂之虐。両者,先王之禁也。以飛鳥犯先王之禁,不可。今君不明先王之制,而無仁義之心,是以従欲而軽誅。夫鳥獣,固人之養也,野人駭之,不亦宜乎。」公曰:「善,自今已来,弛鳥獣之禁,無以苛民也。」

書き下し

景公、鳥を射るに、野人之を駭かす。公怒り、吏をして之を誅せしむ。晏子曰く、「野人は知らざるなり。臣聞く、功無きを賞する、之を乱と謂い、罪を知らざるを罰する、之を虐と謂う、と。両者は先王の禁ずる所なり。飛鳥を以て先王の禁を犯すは、不可なり。今、君は先王の制を明らかにせず、而して仁義の心無し。是を以て欲に従いて誅を軽んず。夫れ鳥獣は、固より人の養いなり。野人之を駭かす、亦宜しからずや」と。公曰く、「善し。今より已来、鳥獣の禁を弛め、以て民を苛すること無かれ」と。

現代語訳

景公が鳥を射ようとしたとき、野の民が鳥を驚かせてしまいました。公は怒り、役人に命じてその者を罰させようとしました。晏子は言いました。「その野の民は知らなかったのです。私はこう聞いています。功のない者を賞することを乱といい、罪を知らない者を罰することを虐という、と。この二つは先王が禁じたことです。飛ぶ鳥のために先王の禁を犯してはなりません。いま君は先王の制度を明らかにせず、仁義の心もありません。そのため欲のままに従い、安易に罰しようとされる。そもそも鳥獣は、もともと人を養うためのものです。野の民が鳥を驚かせたとしても、当然のことではありませんか」。公は言いました。「よし。今からは、鳥獣の禁令を緩め、それで民を苦しめることのないようにせよ」。

解説

景公が鳥を射るとき、野の民が鳥を驚かせてしまい、公は怒って罰しようとします。晏子は、罪を知らない者を罰することは虐であり、功のない者を賞することは乱で、どちらも先王が禁じた、と制度の原則から切り込みました。さらに、鳥獣はもともと人を養うためのものであり、驚かせたからといって人を罰するのは本末転倒だとも述べます。ここでも晏子は、感情で怒る公に対し、先王の制という物差しを示しています。感情的な処分は、後で説明が立たないものです。現代の組織でも、ルールを知らされていない人を叱ることは、ただの理不尽になります。罰する前に、相手が知り得たか、基準は明示されていたかを確かめる手順が必要です。

この章句が説くこと

刑罰先王の制基準の明示本末転倒諫言晏子春秋

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