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養生訓 / 巻第七・用薬

一上中部の丸藥は、早く消化するをよしとす。故に小丸を用ふ。早く消化する故なり。今新なる一法あり、用ふべし。末藥をのりに和して、つねの如くに丸ぜず、線香の如く長さ七八寸に、手にてもみて引きのべ、線香より少し大にして日に干し、生干の時、長さ一分餘にみじかく切りて丸ぜず、其まゝ日にほすべし。是一づつ丸じたるより消化しやすし。中部を治するに此法宜し。下部に達する丸藥には此法宜しからず。此法、一粒つつ丸ずるよりはか行きて早く成る。

新字:一上中部の丸薬は、早く消化するをよしとす。故に小丸を用ふ。早く消化する故なり。今新なる一法あり、用ふべし。末薬をのりに和して、つねの如くに丸ぜず、線香の如く長さ七八寸に、手にてもみて引きのべ、線香より少し大にして日に干し、生干の時、長さ一分余にみじかく切りて丸ぜず、其まゝ日にほすべし。是一づつ丸じたるより消化しやすし。中部を治するに此法宜し。下部に達する丸薬には此法宜しからず。此法、一粒つつ丸ずるよりはか行きて早く成る。

書き下し

一上中部の丸薬は、早く消化するをよしとす。故に小丸を用ふ。早く消化する故なり。今新なる一法あり、用ふべし。末薬をのりに和して、つねの如くに丸ぜず、線香の如く長さ七八寸に、手にてもみて引きのべ、線香より少し大にして日に干し、生干の時、長さ一分余にみじかく切りて丸ぜず、其まま日にほすべし。是一づつ丸じたるより消化しやすし。中部を治するに此法宜し。下部に達する丸薬には此法宜しからず。此法、一粒つつ丸ずるよりはか行きて早く成る。

現代語訳

上部・中部の丸薬は、早く消化するのをよしとします。ですから小さな丸薬を用います。早く消化するからです。今、新しい一つの方法があり、用いるべきです。粉薬を糊に混ぜて、いつものように丸めず、線香のように長さ七、八寸に手でもんで引き延ばし、線香より少し太くして日に干し、生乾きのときに長さ一分あまりに短く切って、丸めずにそのまま日に干すべきです。これは一粒ずつ丸めたものより消化しやすいのです。中部を治すにはこの方法がよいでしょう。下部に届く丸薬にはこの方法はよくありません。この方法は、一粒ずつ丸めるよりはかどって早くできあがります。

解説

巻第七の最後に、益軒が勧める新しい丸薬の作り方を紹介した条です。粉薬を糊で練って線香のように細長く延ばし、生乾きのうちに短く切って干せば、一粒ずつ丸めるより消化しやすく、しかも作業がはかどると述べています。効き目と手間の両方を考えた工夫であり、中部の病には向くが下部には向かないと適用の範囲まで示しています。よりよい方法を見つけたら取り入れ、その長所と限界をはっきりさせて伝えるという姿勢は、どの仕事の改善にも通じるものです。

この章句が説くこと

丸薬工夫効率改善薬

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