大和俗訓 / 巻之八・応接
一友をとるには、人をえらび、人の心を知りて後、交を定むべし。知らずして交れば、後悔することあり。人心はかくれて知りがたし。同じ官職をつとめ、事に出合ひ、旅宿を共にするやうの事にて、其人に馴るれば、人の心見ゆ。
書き下し
一友をとるには、人をえらび、人の心を知りて後、交を定むべし。知らずして交れば、後悔することあり。人心はかくれて知りがたし。同じ官職をつとめ、事に出合ひ、旅宿を共にするやうの事にて、其人に馴るれば、人の心見ゆ。
現代語訳
友を選ぶには、人を選び、その人の心を知ってから交わりを定めなさい。知らずに交わると、後悔することがあります。人の心は隠れて知りがたい。同じ官職を勤め、事に出会い、旅の宿を共にするようなことで、その人に慣れれば、人の心は見えてきます。
解説
友人を選ぶときは、相手の人柄をよく知ってから深い付き合いを決めよという教えです。人の心は外からは見えにくいので、一緒に働いたり、困難な出来事に直面したり、旅を共にしたりする中で、本当の姿が見えてくると益軒は言います。とくに旅は、疲れや不便の中で人の本性が表れるものとして、昔から人を知る機会とされてきました。第一印象や話のうまさで親しくなるのではなく、時間と経験を共にする中で信頼を育てることの大切さを教えています。
この章句が説くこと
交友知人友信頼旅
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