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大和俗訓 / 巻之六・躬行上

一過は必氣質の偏よりおこる。剛なる人は、心つよき所より過おこり、柔なる人は、心よわき所より過おこる。氣質の偏なる所に克ちて、過なからん事を求むべし。學者つねに我が氣質の偏を察し、其過をかへりみて改むべし。かくの如くせざれば、學問の益なし。是學者の專らつとめ行ふべき所なり。過を改むるは、氣質の偏に克つ道なり。氣質の偏なる所には克ちがたし。常につとめて、十分の力を用ふべし。

新字:一過は必気質の偏よりおこる。剛なる人は、心つよき所より過おこり、柔なる人は、心よわき所より過おこる。気質の偏なる所に克ちて、過なからん事を求むべし。学者つねに我が気質の偏を察し、其過をかへりみて改むべし。かくの如くせざれば、学問の益なし。是学者の専らつとめ行ふべき所なり。過を改むるは、気質の偏に克つ道なり。気質の偏なる所には克ちがたし。常につとめて、十分の力を用ふべし。

書き下し

一過は必気質の偏よりおこる。剛なる人は、心つよき所より過おこり、柔なる人は、心よわき所より過おこる。気質の偏なる所に克ちて、過なからん事を求むべし。学者つねに我が気質の偏を察し、其過をかへりみて改むべし。かくの如くせざれば、学問の益なし。是学者の専らつとめ行ふべき所なり。過を改むるは、気質の偏に克つ道なり。気質の偏なる所には克ちがたし。常につとめて、十分の力を用ふべし。

現代語訳

過ちは必ず気質の偏りから起こります。剛い人は、心の強いところから過ちが起こり、柔らかい人は、心の弱いところから過ちが起こります。気質の偏ったところに打ち勝って、過ちがないようにと求めなさい。学ぶ者はいつも自分の気質の偏りを察し、その過ちをかえりみて改めなさい。このようにしなければ、学問の益はありません。これは学ぶ者がもっぱら努め行うべきところです。過ちを改めるのは、気質の偏りに打ち勝つ道です。気質の偏ったところには打ち勝ちがたい。いつも努めて、十分の力を用いなさい。

解説

心術下の巻でも説かれた気質の偏りの話を、過ちの改め方と結びつけています。強気な人は強さゆえの、気弱な人は弱さゆえの過ちを犯しやすいので、自分の傾向を知ってそこに打ち勝つことが学問の目的だと益軒は言います。しかも、生まれつきの気質は変えにくいので、十分な力を注げと念を押します。自分がどんな場面で失敗しやすいかを振り返ってみると、同じ性格の癖が繰り返し現れていることに気づくはずです。その癖を知ることが改善の第一歩になります。

この章句が説くこと

気質過ち学問克己性格

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