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山鹿語類 / 士道附錄・先生御僕之警戒

新仕之僕隷者。以監士詳其居所飮食之事。示公禁家戒。敎朝夕勤仕之樣。正衣服禮容之節。令篤實而久事者敎彼。其初不正。則終不全。且新來之僕。以飮食饗衆。求人之喜。尤可禁之。凡僕隷互相饗應送答。皆堅禁之。凡伍中暴惡利口。令人陷不義之輩。速逐之。凡家僕專好味嗜魚鳥。必竊私火。而不知火災之難。是大失也。速放之。女僕之制。亦不異男僕。女僕齡超三十歲。而不願留。則縱之。因其功勞。資而嫁之。凡所令所戒不數省。則空言也。吾不行其實。則人不從。時々省察。而在成其化也。

新字:新仕之僕隷者。以監士詳其居所飲食之事。示公禁家戒。教朝夕勤仕之様。正衣服礼容之節。令篤実而久事者教彼。其初不正。則終不全。且新来之僕。以飲食饗衆。求人之喜。尤可禁之。凡僕隷互相饗応送答。皆堅禁之。凡伍中暴悪利口。令人陥不義之輩。速逐之。凡家僕専好味嗜魚鳥。必窃私火。而不知火災之難。是大失也。速放之。女僕之制。亦不異男僕。女僕齢超三十歳。而不願留。則縦之。因其功労。資而嫁之。凡所令所戒不数省。則空言也。吾不行其実。則人不従。時々省察。而在成其化也。

書き下し

新仕の僕隷は、監士を以て其の居所飲食の事を詳らかにし、公禁家戒を示し、朝夕勤仕の様を教へ、衣服礼容の節を正し、篤実にして久しく事ふる者をして彼に教へしむ。其の初め正しからざれば、則ち終はり全からず。且つ新来の僕、飲食を以て衆を饗し、人の喜びを求むるは、尤も之を禁ずべし。凡そ僕隷互ひに相饗応送答するは、皆堅く之を禁ず。凡そ伍中の暴悪利口にして、人をして不義に陥らしむるの輩は、速やかに之を逐ふ。凡そ家僕専ら味を好み魚鳥を嗜めば、必ず私火を窃みて、火災の難を知らず。是れ大失なり。速やかに之を放つ。女僕の制も、亦男僕に異ならず。女僕齢三十歳を超えて留まるを願はざれば、則ち之を縦す。其の功労に因りて、資して之を嫁がしむ。凡そ令する所戒むる所、数々省みざれば、則ち空言なり。吾其の実を行はざれば、則ち人従はず。時々省察して、其の化を成すに在り。

現代語訳

新しく仕える召使いには、監督役がその住まいや食事のことを詳しく整え、公の禁令と家の戒めを示し、朝夕の勤め方を教え、衣服や礼にかなった振る舞いの節度を正し、誠実で長く仕えている者に教えさせる。初めが正しくなければ、終わりも全うできない。また新しく来た召使いが飲み食いで皆をもてなし、人に喜ばれようとするのは、とりわけ禁じるべきである。およそ召使い同士がもてなし合ったり贈り物をやりとりしたりすることは、すべて堅く禁じる。およそ組の中で乱暴で口達者な者、人を不義に陥らせる者は、すぐに追い出す。およそ家僕が美味ばかり好んで魚や鳥を好むと、必ずひそかに火を使い、火事の恐ろしさを知らない。これは大きなあやまちである。すぐに暇を出す。女の召使いの決まりも男の召使いと変わらない。女の召使いが三十歳を過ぎて、とどまることを願わなければ、暇を与える。その功労に応じて、資金を与えて嫁がせる。およそ命じたこと戒めたことも、たびたび省みなければ空言になる。私自身がその実を行わなければ、人は従わない。時々省察して、感化を成し遂げることにかかっている。

解説

僕従への戒めを締めくくる三条である。新参者には住まいと食事を整え、禁令と勤め方を古参に教えさせよと言い、初めが正しくなければ終わりも全うしないと説く。もてなし合いや乱暴者、隠れて火を使う者は厳しく除く一方、三十を過ぎた女僕には功労に応じて資を与えて嫁がせる。最後に、命令も戒めも主人が自ら実行し省みなければ空言だと述べ、自警の冒頭と同じ自省に帰る。新人の受け入れ、規律、そして上に立つ者の率先垂範という組織の基本がここに揃っている。

この章句が説くこと

家僕新人教育率先垂範教化家政自省

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