孔子家語 / 顏回
顏回謂子貢曰:「吾聞諸夫子:『身不用禮,而望禮於人;身不用德,而望德於人;亂也。』夫子之言,不可不思也。」
新字:顏回謂子貢曰:「吾聞諸夫子:『身不用礼,而望礼於人;身不用徳,而望徳於人;乱也。』夫子之言,不可不思也。」
書き下し
顏回子貢に謂いて曰わく、「吾諸を夫子に聞く、『身礼を用いずして、礼を人に望み、身徳を用いずして、徳を人に望む、乱なり』と。夫子の言、思わざる可からざるなり。」
現代語訳
顔回が子貢に言った。「私は先生からこう聞いている。『自分自身は礼を実践しないのに、人には礼を求め、自分自身は徳を実践しないのに、人には徳を求める。これは道理の乱れである』と。先生のこのお言葉は、よくよく考えなければならないものだ。」
解説
自分自身は実践しないくせに、他人にだけそれを求めることの矛盾を戒めた孔子の言葉を、顔回が改めて子貢に伝えた一段です。礼や徳は本来、自分自身がまず体現すべきものであり、それを棚に上げて他人にだけ求めるならば、秩序も道理も成り立たなくなってしまいます。顔回がこの言葉をわざわざ子貢に語り伝えているところからは、自戒すべき教えとして深く胸に刻んでいたことがうかがえます。他人の言動には厳しく、自分の言動には甘くなりがちな人間の性向への戒めであり、リーダーや指導的立場にある者ほど、まず自らが模範を示すべきだという教えとして、現代の組織や家庭における教育の場面にもそのまま通じます。
この章句が説くこと
顔回子貢礼と徳自省率先垂範
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