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尉繚子 / 兵令下

將能立威,卒能節制,號令明信,攻守皆得,是兵之三勝也。臣聞古之善用兵者,能殺士卒之半,其次殺其十三,其次殺其十一。能殺其半者,威加海内;殺十三者,力加諸侯;殺十一者,令行士卒。故曰:

新字:将能立威,卒能節制,号令明信,攻守皆得,是兵之三勝也。臣聞古之善用兵者,能殺士卒之半,其次殺其十三,其次殺其十一。能殺其半者,威加海内;殺十三者,力加諸侯;殺十一者,令行士卒。故曰:

書き下し

将能く威を立て、卒能く節制し、号令明信にして、攻守皆得るは、是れ兵の三勝なり。臣聞く、古の善く兵を用ふる者は、能く士卒の半ばを殺し、其の次は其の十の三を殺し、其の次は其の十の一を殺す。能く其の半ばを殺す者は、威海内に加はる。十の三を殺す者は、力諸侯に加はる。十の一を殺す者は、令士卒に行はる。故に曰く、

現代語訳

将が威を立て、兵が節度を守って統制に従い、号令が明らかで信頼でき、攻めにも守りにも宜しきを得ること、これが兵の第三の勝ちである。私が聞くところでは、昔の兵を用いることの巧みな者は、兵士の半数を死なせることができ、その次の者は十人に三人を死なせることができ、その次の者は十人に一人を死なせることができた。兵士の半数を死なせることができる者は、威が天下に及ぶ。十人に三人を死なせることができる者は、力が諸侯に及ぶ。十人に一人を死なせることができる者は、命令が兵士に行き渡る。だからこう言う、(次のように)

解説

兵令下篇の結び近くで、将が威を立て、兵が節制し、号令が明らかで信があり、攻守ともに宜しきを得ることを兵の第三の勝ちとする。続いて、古の用兵の名手は士卒の半ばを殺すことができ、次は十の三、次は十の一を殺すことができたと言い、それぞれ威が海内に、力が諸侯に、令が士卒に及ぶとする。この「殺す」は、軍令によって処断することとも、戦場で死を恐れず戦わせることとも読まれ、解釈が分かれる。いずれにせよ、兵が将の命に従って命を投げ出すほどの統率が、国の威の大きさを決めるという、尉繚子の厳しい軍紀観の極点を示す一節である。現代にこれをそのまま当てはめることはできないが、指揮する者の威と信が組織の力の上限を決めるという指摘は、今も重い。

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