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素書 / 『素書』小功を賞し小怨を赦す

小功不賞、則大功不立、小怨不赦、則大怨必生。賞不服人、罰不甘心者叛、賞及無功、罰及無罪者酷。聽讒而美、聞諫而仇者亡。能有其有者安、貪人之有者殘。右第五章、言遵而行之者義也。

新字:小功不賞、則大功不立、小怨不赦、則大怨必生。賞不服人、罰不甘心者叛、賞及無功、罰及無罪者酷。聴讒而美、聞諫而仇者亡。能有其有者安、貪人之有者残。右第五章、言遵而行之者義也。

書き下し

小功賞せざれば、則ち大功立たず、小怨赦さざれば、則ち大怨必ず生ず。賞は人を服せしめず、罰は心に甘んぜざる者は叛き、賞は無功に及び、罰は無罪に及ぶ者は酷なり。讒を聴きて美とし、諫を聞きて仇とする者は亡ぶ。能く其の有を有つ者は安く、人の有を貪る者は残う。右第五章、遵いて之を行う者は義なるを言う。

現代語訳

小さな功を賞さなければ、大きな功は立ちません。小さな怨みを赦さなければ、大きな怨みが必ず生まれます。賞しても人を心服させず、罰しても心から納得させられない者のもとでは人が背き、賞が功のない者に及び、罰が罪のない者に及ぶ者は酷いと言わねばなりません。そしりを聞いて喜び、諫めを聞いて仇とする者は滅びます。自分の持つものを大事に保つ者は安らかで、他人の持つものを貪る者は損なわれます。以上が第五章で、道に従って行うことが義だという意味です。

解説

第五章の締めにあたる一節です。小さな功を賞する、小さな怨みを赦す、という日常の積み重ねが、大きな功や大きな怨みを左右する、と因果を示します。続いて、納得感のない賞罰が人を離反させること、功なき者への賞や罪なき者への罰が酷であること、讒言を喜び諫言を憎む危うさが説かれます。現場では、小さな成果を見逃さずに言葉で認めること、小さな不満をその場で解きほぐすことが、大きな離反の予防になるという実務的な示唆として読めます。末尾は、自分の持ち分を守る者は安らかだとまとめます。
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この章句が説くこと

小功小怨賞罰納得讒言諫言

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