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諸葛亮集 / 後出師表・第四段

夫難平者,事也。昔先帝敗軍於楚,當此時,曹操拊手,謂天下以定。然後先帝東連吳越,西取巴蜀,舉兵北征,夏侯授首,此操之失計而漢事將成也。然後吳更違盟,關羽毀敗,秭歸蹉跌,曹丕稱帝。凡事如是,難可逆見。臣鞠躬盡瘁,死而後已,至於成敗利鈍,非臣之明所能逆覩也。

新字:夫難平者,事也。昔先帝敗軍於楚,当此時,曹操拊手,謂天下以定。然後先帝東連呉越,西取巴蜀,舉兵北征,夏侯授首,此操之失計而漢事将成也。然後呉更違盟,関羽毀敗,秭帰蹉跌,曹丕称帝。凡事如是,難可逆見。臣鞠躬尽瘁,死而後已,至於成敗利鈍,非臣之明所能逆睹也。

書き下し

夫れ平らげ難きは事なり。昔、先帝、楚に敗軍し、此の時に当りて、曹操は手を拊ち、天下已に定まれりと謂へり。然る後、先帝は東のかた呉・越に連なり、西のかた巴・蜀を取り、兵を挙げて北征し、夏侯は首を授く。此れ操の失計にして漢事将に成らんとするなり。然る後、呉は更めて盟に違ひ、関羽は毀敗し、秭帰に蹉跌し、曹丕は帝を称す。凡そ事は是の如く、逆め見るべきこと難し。臣は鞠躬尽瘁し、死して後に已まん。成敗利鈍に至りては、臣の明の能く逆め覩る所に非ざるなり。

現代語訳

そもそも、平定しがたいのは事の成り行きです。かつて先帝が楚の地で敗れたとき、曹操は手を打って、天下はもう定まったと言いました。その後、先帝は東に呉・越と連携し、西に巴・蜀を取り、兵を挙げて北征し、夏侯淵は首を授けることになりました。これは曹操の失策であり、漢の事業が成ろうとしていた時です。しかしその後、呉は盟約に背き、関羽は敗れ、秭帰でつまずき、曹丕は帝を称しました。およそ物事はこのようなもので、あらかじめ見通すことは難しいのです。私は身をかがめて力を尽くし、死ぬまでやめません。成功か失敗か、うまくいくかいかないかについては、私の見識で前もって見通せることではありません。

解説

結びの有名な一節「鞠躬尽瘁、死して後に已む」を含む段です。劉備が長坂で敗れた際、曹操は天下が定まったと喜びましたが、のちに劉備は呉と連携し、巴蜀を得て、夏侯淵を討つに至ります。一方で、呉の盟約破棄、関羽の敗死、秭帰(夷陵)の敗戦など、悪い展開も重なりました。物事の行方は読めないと認めた上で、自分は尽力を続けるという姿勢です。結果はコントロールできなくても、全力を尽くす姿勢は選べる。不確実な環境で働く人にとって、支えとなる言葉です。なお後出師表は真偽に議論があります。

この章句が説くこと

鞠躬尽瘁死而後已成敗利鈍逆見不確実盟約

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