初学訓 / 巻之四
一工は、器物をつくる諸職人なり。各其職をつとめ、器物をねんごろによく作り、麁惡ならざれば、求め買ふ人多く、利を得ること多し。是良工なり。一商は、利を輕く取りて、多く貪らず、いつはりなく、人を欺かざれば、人是をうたがはず、賴しげありて、其ことばを信じ、其商物を多く買ふ。故に、あき物ひろく賣れて、利を得ること多く、富を得ること易し。是良賈なり。
新字:一工は、器物をつくる諸職人なり。各其職をつとめ、器物をねんごろによく作り、麁悪ならざれば、求め買ふ人多く、利を得ること多し。是良工なり。一商は、利を軽く取りて、多く貪らず、いつはりなく、人を欺かざれば、人是をうたがはず、頼しげありて、其ことばを信じ、其商物を多く買ふ。故に、あき物ひろく売れて、利を得ること多く、富を得ること易し。是良賈なり。
書き下し
一工は、器物をつくる諸職人なり。各其職をつとめ、器物をねんごろによく作り、麁悪ならざれば、求め買ふ人多く、利を得ること多し。是良工なり。一商は、利を軽く取りて、多く貪らず、いつはりなく、人を欺かざれば、人是をうたがはず、頼しげありて、其ことばを信じ、其商物を多く買ふ。故に、あき物ひろく売れて、利を得ること多く、富を得ること易し。是良賈なり。
現代語訳
工は器物を作るもろもろの職人です。それぞれその職を務め、器物を丁寧によく作り、粗悪でなければ、求めて買う人が多く、利を得ることが多い。これが良い職人です。商は、利を軽く取って多く貪らず、偽りなく人を欺かなければ、人はこれを疑わず、頼もしく思って、その言葉を信じ、その商品を多く買います。だから売り物が広く売れて、利を得ることが多く、富を得ることもたやすい。これが良い商人です。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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孟子・離婁章句上孟子曰く、「下位に居りて、上に獲られざれば、民得て治む可からざるなり。上に獲らるるに道有り。友に信ぜられずんば、上に獲られず。友に信ぜらるるに道有り。親に事えて悅ばれずんば、友に信ぜられず。親に悅ばるるに道有り。身に反して誠ならずんば、親に悅ばれず。身を誠にするに道有り。善に明らかならずんば、其の身に誠ならず。是の故に誠は、天の道なり。誠を思うは、人の道なり。至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり。誠ならずして、未だ能く動かす者有らざるなり。」
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尚書・周官德を作せば心逸んじて日々休く、偽を作せば心勞して日々拙し。
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