新書 / 修政語下
故守天下者,非以道則弗得而長也。故夫道者,萬世之寶也。」周武王曰:「受命矣。」周成王年六歲,即位享國,親以其身見於粥子之家而問焉,曰:「昔者先王與帝修道而道修,寡人之望也,亦願以教,敢問興國之道奈何?」粥子對曰: 「唯,疑。請以上世之政詔於君王。政曰:興國之道,君思善則行之,君聞善則行之,君知善則行之,位敬而常之,行信而長之,則興國之道也。」周成王曰:「受命矣。」周成王曰:「敢問於道之要奈何?」粥子對曰:「唯,疑。請以上世之政詔於君王。政曰:爲人下者敬而肅,爲人上者恭而仁,爲人君者敬士愛民,以終其身,此道之要也。」周成王曰:「受命矣。」
新字:故守天下者,非以道則弗得而長也。故夫道者,万世之宝也。」周武王曰:「受命矣。」周成王年六歳,即位享国,親以其身見於粥子之家而問焉,曰:「昔者先王与帝修道而道修,寡人之望也,亦願以教,敢問興国之道奈何?」粥子対曰: 「唯,疑。請以上世之政詔於君王。政曰:興国之道,君思善則行之,君聞善則行之,君知善則行之,位敬而常之,行信而長之,則興国之道也。」周成王曰:「受命矣。」周成王曰:「敢問於道之要奈何?」粥子対曰:「唯,疑。請以上世之政詔於君王。政曰:為人下者敬而粛,為人上者恭而仁,為人君者敬士愛民,以終其身,此道之要也。」周成王曰:「受命矣。」
書き下し
故に天下を守る者は、道を以てするに非ざれば則ち得て長からず。故に夫れ道なる者は、万世の宝なり」と。周の武王曰く、「命を受けたり」と。周の成王年六歳にして、位に即き国を享く。親ら其の身を以て粥子の家に見えて問いて、曰く、「昔者先王帝と道を修めて道修まる、寡人の望みなり。亦願わくは以て教えよ。敢えて問う、国を興すの道は奈何」と。粥子対えて曰く、「唯、疑う。請う、上世の政を以て君王に詔げん。政に曰く、国を興すの道は、君善を思えば則ち之を行い、君善を聞けば則ち之を行い、君善を知れば則ち之を行い、位に敬して之を常にし、行いに信にして之を長くす、則ち国を興すの道なり」と。周の成王曰く、「命を受けたり」と。周の成王曰く、「敢えて問う、道の要は奈何」と。粥子対えて曰く、「唯、疑う。請う、上世の政を以て君王に詔げん。政に曰く、人の下たる者は敬して肅、人の上たる者は恭にして仁、人の君たる者は士を敬い民を愛し、以て其の身を終うるは、此れ道の要なり」と。周の成王曰く、「命を受けたり」と。
現代語訳
ですから天下を守る者は、道によらなければ得ても長く保てません。道というものは、万世の宝です」。武王は「教えを受けました」と言いました。周の成王は六歳で位に即き、国を治めることになりました。みずから粥子の家を訪ねて尋ねました。「昔、先王が帝とともに道を修めて道が整ったことは、私の望みでもあります。どうか教えてください。うかがいたい。国を興す道とはどのようなものですか」。粥子は答えました。「はい、確かではありませんが、昔の政事の言葉をもって王にお告げします。政事に言うには、国を興す道は、君主が善を思えば行い、善を聞けば行い、善を知れば行い、位に敬を保って常とし、行いに信を保って長く続けることです。これが国を興す道です」。成王は「教えを受けました」と言いました。成王はさらに尋ねました。「うかがいたい。道の要はどのようなものですか」。粥子は答えました。「はい、確かではありませんが、昔の政事の言葉をもって王にお告げします。政事に言うには、人の下に立つ者は敬って慎み、人の上に立つ者は恭しく仁があり、人の君となる者は士を敬い民を愛して、その身を終えるまで続ける。これが道の要です」。成王は「教えを受けました」と言いました。
解説
この章句が説くこと
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『新書』修政語下周の成王曰く、「敢えて問う、国を治むるの道は若何」と。粥子曰く、「唯、疑う。請う、上世の政を以て君王に詔げん。政に曰く、国を治むるの道は、上は主に忠にして、中は其の士を敬い、下は其の民を愛す。故に上は其の主に忠なる者は、道義に非ざれば以て忠に入る無し。而して中は其の士を敬うは、礼節を以てするに非ざれば以て敬を諭す無し。下は民を愛するは、忠信に非ざれば以て愛を諭す無し。故に忠信民に行われ、礼節士に諭され、道義上に入るは、則ち国を治むるの道なり。天下を治むる者と雖も、此に由るのみ」と。周の成王曰く、「命を受けたり」と。
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『新書』修政語下周の武王王子旦に問いて曰く、「敢えて問う、治に必成有り、戦に必勝有るか。攻に必得有り、守に必存有るか」と。王子旦対えて曰く、「有り。政に曰く、諸侯は政内に平らかにして外に威あり、君子は行い身に修まりて信輿人に及ぶ。民を治めて民治まり、名に栄ゆ。故に諸侯凡そ治めんとする心有る者は、必ず之を修むるに道を以てし、之に与うるに敬を以てして、然る後に能く以て成る。凡そ戦わんとする心有る者は、必ず之を修むるに政を以てし、之を興すに義を以てして、然る後に能く以て勝つ。凡そ攻めんとする心有る者は、必ず之を結ぶに約を以てし、之を諭すに信を以てして、然る後に能く以て得。凡そ守らんとする心有る者は、必ず之を固むるに和を以てし、之を諭すに愛を以てして、然る後に能く存する有り」と。周の武王曰く、「命を受けたり」と。師尚父曰く、「吾之を政に聞くに、曰く、天下は壙壙たるも、一人之を有つ。万民は藂藂たるも、一人之を理む。故に天下は、一家の有に非ず、有道者の有なり。故に夫れ天下は、唯だ有道者のみ之を理め、唯だ有道者のみ之を紀し、唯だ有道者のみ之を使い、唯だ有道者のみ宜しく処りて之を久しくす。故に夫れ天下は、得難くして失い易く、常にし難くして忘れ易し。
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『新書』修政語下周の武王粥子に問いて曰く、「寡人は守りて必ず存し、攻めて必ず得、戦いて必ず勝たんことを願う。則ち吾此を為すこと奈何」と。粥子曰く、「唯、疑う。攻守して戦うは器を同じくし、而して和と厳と其の備えなり。故に曰く、和は以て守る可く、厳も以て守る可し。而れども厳は和の固きに若かず。和は以て攻む可く、厳も以て攻む可し。而れども厳は和の得るに若かず。和は以て戦う可く、厳も以て戦う可し。而れども厳は和の勝つに若かず。則ち唯だ和に由りて可なり。故に諸侯政を発し令を施し、政人に平らかなる者は、之を文政と謂う。諸侯士に接し吏を使い、礼人に恭しき者は、之を文礼と謂う。諸侯獄を聴き刑を断じ、治に仁にして、行に陳ぶ。其れ此に由りて守りて存せず、攻めて得ず、戦いて勝たざる者は、古より今に至るまで、天地の辟けしより、未だ之を嘗て聞かざるなり。今や、君王守りて必ず存し、攻めて必ず得、戦いて必ず勝たんと欲せば、則ち唯だ此に由るを可と為す」と。周の武王曰く、「命を受けたり」と。
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『新書』修政語下周の成王曰く、「寡人之を聞く、聖王位に在れば、民をして富み且つ寿ならしむと云う。夫の富の若きは則ち為す可し、夫の寿の若きは則ち天に在らざるか」と。粥子曰く、「唯、疑う。請う、上世の政を以て君王に詔げん。政に曰く、聖王位に在れば、則ち天下軍兵の事に死せず。故に諸侯は私に相攻めず、民は私に相闘い鬩がず、私に相煞さず。故に聖王位に在れば、則ち民は一死を免れて一生を得。聖王位に在れば、則ち君は道に積み、吏は徳に積み、民は力を用うるに積む。故に婦人は其の衣る所を為し、丈夫は其の食らう所を為せば、則ち民に凍餒無し。故に聖王位に在れば、則ち民は二死を免れて二生を得。聖王位に在れば、則ち君は仁に積み、吏は愛に積み、民は順に積めば、則ち刑罰廃す。而して民に夭遏の誅無し。故に聖王位に在れば、則ち民は三死を免れて三生を得。聖王位に在れば、則ち民を使うに時有りて、之を用いるに節有れば、則ち民に厉疾無し。故に聖王位に在れば、則ち民は四死を免れて四生を得。故に聖王位に在れば、則ち境内に盈ちて賢良を興し、以て邪悪を禁ぜしむ。故に賢人必ず用いられて不肖の人作らざれば、則ち已に其の命を得たり。故に夫の富み且つ寿なる者は、聖王の功なり」と。周の成王曰く、「命を受けたり」と。
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『新書』修政語下周の文王粥子に問いて曰く、「敢えて問う、君子将に其の職に入らんとすれば、則ち其の民に於けるや何如」と。粥子対えて曰く、「唯、疑う。請う、上世の政を以て君王に詔げん。政に曰く、君子将に其の職に入らんとすれば、則ち其の民に於けるや、旭旭然として日の始めて出ずるが如きなり」と。周の文王曰く、「命を受けたり」と。曰く、「君子既に其の職に入れば、則ち其の民に於けるや何若」と。対えて曰く、「君子既に其の職に入れば、則ち其の民に於けるや、暯暯然として日の正中するが如し」と。周の文王曰く、「命を受けたり」と。曰く、「君子既に其の職を去れば、則ち其の民に於けるや何若」と。対えて曰く、「君子既に其の職を去れば、則ち其の民に於けるや、暗暗然として日の已に入るが如きなり。故に君子将に入らんとして旭旭たる者は、義の先ず聞こゆればなり。既に入りて暯暯たる者は、民其の福を保てばなり。既に去りて暗暗たる者は、民其の教えを失えばなり」と。周の文王曰く、「命を受けたり」と。
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『新書』禮容語下敢えて怠安せず、蚤く興き夜に寝ね、以て文王の業を継ぐ。文を布き紀を陳べ、制度を経し、犠牲を設け、四海の内をして懿然として徳を葆ち、各おの基道に遵わしむ。故に『有成』と曰う。武王の功を承順し、文王の徳を奉揚し、九州の民、四荒の国、文武の烈を歌謡し、九譯を累ねて朝を請い、貢職を致して以て祀に供す。故に『二后之を受く』と曰う。是の時に方りて、天地調和し、神民順億し、鬼は厲祟せず、民は謗怨せず。故に『宥謐』と曰う。成王は質仁聖哲にして、能く其の先を明らかにし、能く其の親を承け、敢えて惰懈せず、以て天下を安んじ、以て人民を敬う。今単子美しく其の志を説く。以て王室を佐く。吾故に『周其れ復た興らんか』と曰う」と。故に周の平王既に崩じて以後、周室稍稍衰弱すれども墜ちざるは、単子の政を佐くるに当たりてなり。天子尊を加え、周室興を加う。晋の三卿郄錡、郄犨、郄至、晋の厲公に従いて晋の諸侯と加陵に会す。周の単襄公会に在り。晋の厲公視ること遠く歩むこと高し。郄錡単子に見ゆれば、其の語犯す。郄犨見ゆれば、其の語訏る。郄至見ゆれば、其の語伐る。斉の国佐見ゆれば、其の語尽くす。
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