新書 / 淮難
如是,咫淮南王罪人之身也,淮南子罪人之子也。奉尊罪人之子,適足以負謗於天下耳,無解細於前事也,且人不以肉爲心則已,若以肉爲心,人之心可知也。今淮南子少,壯聞父辱狀,是立咫焉泣洽衿,臥咫泣交項,腸至腰肘如繆維耳,豈能須臾忘哉!是而不如是,非人也。陛下制天下之命,而淮南王至如此極,其子舍陛下而更安所歸其怨爾。特曰勢未便,事未發,舍亂而不敢言。若誠其心,豈能忘陛下哉?白公勝所爲父報仇者,報大父與諸伯父、叔父也。令尹子西、司馬子綦皆親羣父也,無不盡傷。昔者白公之爲亂也,非欲取國代王也,爲發憤快志爾,故欲皆首以衝仇人之匈,固爲要俱靡而已耳,固非冀生也。
新字:如是,咫淮南王罪人之身也,淮南子罪人之子也。奉尊罪人之子,適足以負謗於天下耳,無解細於前事也,且人不以肉為心則已,若以肉為心,人之心可知也。今淮南子少,壮聞父辱状,是立咫焉泣洽衿,臥咫泣交項,腸至腰肘如繆維耳,豈能須臾忘哉!是而不如是,非人也。陛下制天下之命,而淮南王至如此極,其子舎陛下而更安所帰其怨爾。特曰勢未便,事未発,舎乱而不敢言。若誠其心,豈能忘陛下哉?白公勝所為父報仇者,報大父与諸伯父、叔父也。令尹子西、司馬子綦皆親羣父也,無不尽傷。昔者白公之為乱也,非欲取国代王也,為発憤快志爾,故欲皆首以衝仇人之匈,固為要倶靡而已耳,固非冀生也。
書き下し
是くの如くなれば、咫だ淮南王は罪人の身なり、淮南子は罪人の子なり。罪人の子を奉尊するは、適に以て謗を天下に負うに足るのみ、細きを前事に解くこと無きなり。且つ人肉を以て心と為さざれば則ち已む、若し肉を以て心と為さば、人の心知る可きなり。今淮南の子少く、壮にして父の辱の状を聞かば、是に咫に立ちて涙して衿を洽し、咫に臥して涙して項に交わり、腸は腰肘に至り繆維の如きのみ、豈に能く須臾も忘れんや。是にして是くの如くならざるは、人に非ざるなり。陛下天下の命を制するに、淮南王の此の極に至る、其の子は陛下を舎きて更に安くにか其の怨みを帰せんや。特だ勢い未だ便ならず、事未だ発せずと曰い、乱を舎きて敢えて言わざるのみ。若し其の心を誠にせば、豈に能く陛下を忘れんや。白公勝の父の為に仇を報ぜし所の者は、大父と諸伯父・叔父とに報ぜしなり。令尹子西・司馬子綦は皆親しき群父なり、尽く傷つけざる無し。昔者白公の乱を為すや、国を取りて王に代わらんと欲するに非ず、憤りを発し志を快くせんが為のみ、故に皆首ごとに以て仇人の匈を衝かんと欲し、固より要ず俱に靡れんとするのみ、固より生を冀うに非ざるなり。
現代語訳
そうである以上、淮南王は罪人の身であり、その子は罪人の子です(「咫」の字は読みが定まらず、「ただ」と読んでいます)。罪人の子を尊んで遇しても、天下の非難を負うだけで、前の出来事を細かく解きほぐして収めることにはなりません。人は肉のかたまりを心とするのでなければともかく、もし肉の心を持つ者なら、その気持ちは察しがつきます。今、淮南王の子は幼いけれど、成長して父が辱められた様子を聞けば、立っては涙で襟を濡らし、寝ては涙が首筋に交わり、はらわたは腰やひじまでよじれる思いでしょう。どうして片時も忘れられましょうか。そうならない者は人ではありません。陛下は天下の運命を握っておられ、淮南王はこのような最期に至りました。その子は陛下のほかに、どこへ怨みを向けるでしょうか。ただ、時勢がまだ都合よくなく、事が起きていないから、乱を起こさず口にもしないだけです。心を偽りなく見つめれば、陛下を忘れるはずがありません。白公勝が父のために仇を討とうとしたのは、祖父や伯父・叔父のためでもありました。令尹の子西、司馬の子綦はみな身内の父世代の人で、傷つかない者はいませんでした。かつて白公が乱を起こしたのは、国を奪って王に取って代わろうとしたのではなく、憤りをぶつけ志を晴らすためだけで、それぞれの首をもって仇人の胸を突こうとし、もともと皆もろとも倒れる覚悟で、生き延びることを望んでいませんでした。
解説
この章句が説くこと
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