新書 / 過秦下
鄙諺曰:「前事之不忘,後事之師也。」是以君子爲國,觀之上古,驗之當世,參之人事,察盛衰之理,審權勢之宜,去就有序,變化應時,故曠日長久而社稷安矣。
新字:鄙諺曰:「前事之不忘,後事之師也。」是以君子為国,観之上古,験之当世,参之人事,察盛衰之理,審権勢之宜,去就有序,変化応時,故曠日長久而社稷安矣。
書き下し
鄙諺に曰く、「前事の忘れざるは、後事の師なり」と。是を以て君子国を為むるや、之を上古に観、之を当世に験し、之を人事に参え、盛衰の理を察し、権勢の宜しきを審らかにし、去就序有り、変化時に応ず。故に曠日長久にして社稷安し。
現代語訳
世の俗な諺に、「過ぎた事を忘れないことは、後の事の師となる」とあります。だから君子が国を治めるときは、上古に照らして見、当世に照らして験し、人事と照らし合わせ、盛衰の理を察し、権勢の適切さを見極め、去就に順序を立て、変化に時に応じて対応します。そのため長い日を経ても社稷は安らかなのです。
解説
『過秦論』の締めくくりで、民間の諺を引いて、歴史を学ぶ目的をはっきり述べます。前の出来事を忘れないことが、あとの出来事への師になる。賈誼はこの一句を土台に、上古、当世、人事という三つの物差しで照らし、盛衰の理と権勢の適否を見極めよ、と進めます。単に昔を知るのでなく、いまの状況と人の動きに当ててみることが要点です。経営でも、失敗事例や他社の失敗を読むだけでは足りず、自社の現状と人事に重ねて、去就の順序を決めることで初めて、学びが組織を守る力になります。
この章句が説くこと
前事の師歴史盛衰権勢去就新書
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