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新論 / 長計

夫然後天下靡然咸相告曰、 天祖治天職於上、群神勵翼、平定國土、今各禮國土之神、所以答其神之功德、而報 天祖之仁澤也、則群神百祀、皆有所統一焉、相告曰、 天祖洋洋在上、 皇孫紹述、愛育黎庶、大將軍翼戴 帝室、以鎭護國家、邦君各統治疆内、使民皆安其生而免寇盗、今共邦君之令、奉 幕府之法、所以戴 天朝、而報 天祖也、則 幕府及邦君之治、有所統一焉、宗族相糾緝、以祀其先、則又相告曰、敬宗所以尊祖、其相與緝睦、以共邦君之令、奉 幕府之法、戴 天朝以報 天祖、所以繼乃祖乃父之志也、則其念祖修德之心、有所統一焉、

新字:夫然後天下靡然咸相告曰、 天祖治天職於上、群神励翼、平定国土、今各礼国土之神、所以答其神之功徳、而報 天祖之仁沢也、則群神百祀、皆有所統一焉、相告曰、 天祖洋洋在上、 皇孫紹述、愛育黎庶、大将軍翼戴 帝室、以鎮護国家、邦君各統治疆内、使民皆安其生而免寇盗、今共邦君之令、奉 幕府之法、所以戴 天朝、而報 天祖也、則 幕府及邦君之治、有所統一焉、宗族相糾緝、以祀其先、則又相告曰、敬宗所以尊祖、其相与緝睦、以共邦君之令、奉 幕府之法、戴 天朝以報 天祖、所以継乃祖乃父之志也、則其念祖修徳之心、有所統一焉、

書き下し

夫れ然る後に天下靡然として咸相告げて曰く、天祖天職を上に治め、群神励翼して、国土を平定す。今各国土の神を礼するは、其の神の功徳に答へて、天祖の仁沢に報ゆる所以なりと。則ち群神百祀、皆統一する所有り。相告げて曰く、天祖洋洋として上に在り、皇孫紹述して、黎庶を愛育し、大将軍帝室を翼戴して、以て国家を鎮護し、邦君各疆内を統治して、民をして皆其の生に安んじて寇盗を免れしむ。今邦君の令を共み、幕府の法を奉ずるは、天朝を戴きて、天祖に報ゆる所以なりと。則ち幕府及び邦君の治、統一する所有り。宗族相糾緝して、以て其の先を祀れば、則ち又相告げて曰く、宗を敬するは祖を尊ぶ所以なり。其の相与に緝睦して、以て邦君の令を共み、幕府の法を奉じ、天朝を戴きて以て天祖に報ゆるは、乃の祖乃の父の志を継ぐ所以なりと。則ち其の祖を念ひ徳を修むるの心、統一する所有り。

現代語訳

そうなってはじめて、天下はなびくように皆で互いに告げ合うだろう。「天祖は天上で天の務めを治め、神々は励み助けて国土を平定した。いまそれぞれが国土の神を礼拝するのは、その神の功徳に答え、天祖の恩沢に報いるためである」と。こうして多くの神々と祭りは、みな一つに統べられる。また互いに告げ合うだろう。「天祖は満ちあふれるように天上におられ、皇孫はその事業を受け継いで民衆を愛し育て、大将軍(将軍)は帝室を助け戴いて国家を鎮め守り、大名はそれぞれ領内を治めて、民がみな暮らしに安んじ盗賊から免れるようにしている。いま大名の命令をつつしんで受け、幕府の法を奉じるのは、天朝を戴いて天祖に報いるためである」と。こうして幕府と大名の統治は、一つに統べられる。一族が互いに集まり睦んでその祖先を祀れば、また互いに告げ合うだろう。「本家を敬うのは祖先を尊ぶためである。互いに睦み合って大名の命令をつつしんで受け、幕府の法を奉じ、天朝を戴いて天祖に報いるのは、自分の祖父や父の志を継ぐためである」と。こうして祖先を思い徳を修める心は、一つに統べられる。

解説

典礼が整ったあと、天下の人々が互いに何を語り合うようになるかを、正志斎は三つの「相告げて曰く」で描く。国土の神を祀ることは天祖への報恩に、大名の令と幕府の法に従うことは天朝を戴くことに、一族で祖先を祀ることは祖父の志を継ぐことに、それぞれ統一されるという。天朝・幕府・藩・家を一本の筋でつなぐこの構図は、幕府の存在を前提にした尊王論であり、後の倒幕論とは区別して読みたい。現代に置けば、個々の務めが全体の目的とどうつながるかを、各人が自分の言葉で語れる状態を目指すことにあたる。

この章句が説くこと

忠孝尊王統一祭祀祖先幕府

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