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臣軌 / 序

夫麗容雖麗,猶待鏡以端形;明德雖明,終假言而榮行。今故以茲所撰,普錫具僚,誠非筆削之工,貴申裨導之益。

新字:夫麗容雖麗,猶待鏡以端形;明徳雖明,終仮言而栄行。今故以茲所撰,普錫具僚,誠非筆削之工,貴申裨導之益。

書き下し

夫れ麗容は麗しと雖も、猶お鏡を待ちて以て形を端し、明徳は明らかなりと雖も、終に言を仮りて行いを栄やかす。今故に茲の撰する所を以て、普く具僚に錫う。誠に筆削の工に非ず、裨導の益を申ぶるを貴ぶ。

現代語訳

美しい容貌であっても、やはり鏡を使って姿かたちを整えるものであり、明らかな徳があっても、結局は言葉の助けを借りて行いを輝かせるものである。そこで今、ここに撰述したものを、広く官僚一同に賜う。まことに文章の出来栄え(筆削の工み)を誇るものではなく、補い導く益を示すことを大切にするのである。

解説

序の中ほどで、なぜ優れた臣下にもこの書を配るのかを、鏡のたとえで説明する一段である。美しい顔も鏡で整え、明らかな徳も言葉を借りて行いに光を添える。つまりこの書は臣下の欠点を責めるためではなく、すでにある徳を映し出して整える鏡だというのである。そして文章の巧みさを誇るのではなく、助けとなり導きとなる実益を重んじると断っている。注は「筆削」について、孔子が『春秋』を書いたとき弟子の子夏らが一言も加えられなかった話を引いている。今でいえば、研修や行動指針は能力の足りない人のためだけでなく、できる人が自分を映して点検する鏡として役に立つ、ということである。

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