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史記 / 天官書

其出東方,行四舍四十八日,其數二十日,而反入於東方;其出西方,行四舍四十八日,其數二十日,而反入於西方。其一候之營室、角、畢、箕、柳。出房、心間,地動。辰星之色:春,靑黃;夏,赤白;秋,靑白,而歳熟;冬,黃而不明。即變其色,其時不昌。春不見,大風,秋則不實。夏不見,有六十日之旱,月蝕。秋不見,有兵,春則不生。冬不見,陰雨六十日,有流邑,夏則不長。角、亢、氐,兗州。房、心,豫州。尾、箕,幽州。斗,江、湖。牽牛、婺女,揚州。虚、危,靑州。營室至東壁,並州。奎、婁、胃,徐州。昴、畢,冀州。觜觿、參,益州。東井、輿鬼,雍州。柳、七星、張,三河。翼、軫,荊州。七星爲員官,辰星廟,蠻夷星也。兩軍相當,日暈;暈等,力鈞;厚長大,有勝;薄短小,無勝。重抱大破無。抱爲和,背不和,爲分離相去。直爲自立,立侯王;殺將。負且戴,有喜。圍在中,中勝;在外,外勝。靑外赤中,以和相去;赤外靑中,以惡相去。氣暈先至而後去,居軍勝。先至先去,前利後病;後至後去,前病後利;後至先去,前後皆病,居軍不勝。見而去,其發疾,雖勝無功。見半日以上,功大。白虹屈短,上下兌,有者下大流血。日暈制勝,近期三十日,遠期六十日。其食,食所不利;復生,生所利;而食益盡,爲主位。以其直及日所宿,加以日時,用命其國也。

新字:其出東方,行四舎四十八日,其数二十日,而反入於東方;其出西方,行四舎四十八日,其数二十日,而反入於西方。其一候之営室、角、畢、箕、柳。出房、心間,地動。辰星之色:春,青黄;夏,赤白;秋,青白,而歳熟;冬,黄而不明。即変其色,其時不昌。春不見,大風,秋則不実。夏不見,有六十日之旱,月蝕。秋不見,有兵,春則不生。冬不見,陰雨六十日,有流邑,夏則不長。角、亢、氐,兗州。房、心,予州。尾、箕,幽州。斗,江、湖。牽牛、婺女,揚州。虚、危,青州。営室至東壁,並州。奎、婁、胃,徐州。昴、畢,冀州。觜觿、参,益州。東井、輿鬼,雍州。柳、七星、張,三河。翼、軫,荊州。七星為員官,辰星廟,蠻夷星也。両軍相当,日暈;暈等,力鈞;厚長大,有勝;薄短小,無勝。重抱大破無。抱為和,背不和,為分離相去。直為自立,立侯王;殺将。負且戴,有喜。囲在中,中勝;在外,外勝。青外赤中,以和相去;赤外青中,以悪相去。気暈先至而後去,居軍勝。先至先去,前利後病;後至後去,前病後利;後至先去,前後皆病,居軍不勝。見而去,其発疾,雖勝無功。見半日以上,功大。白虹屈短,上下兌,有者下大流血。日暈制勝,近期三十日,遠期六十日。其食,食所不利;復生,生所利;而食益尽,為主位。以其直及日所宿,加以日時,用命其国也。

書き下し

其の東方に出づるや、行くこと四舎四十八日、其の数二十日にして、反りて東方に入る。其の西方に出づるや、行くこと四舎四十八日、其の数二十日にして、反りて西方に入る。其の一は之を営室・角・畢・箕・柳に候ふ。房・心の間に出づれば、地動く。辰星の色は、春は、青黄。夏は、赤白。秋は、青白にして、歳熟す。冬は、黄にして明らかならず。即し其の色を変ずれば、其の時昌えず。春見えざれば、大風あり、秋は則ち実らず。夏見えざれば、六十日の旱有り、月蝕あり。秋見えざれば、兵有り、春は則ち生ぜず。冬見えざれば、陰雨六十日、流邑有り、夏は則ち長ぜず。角・亢・氐は、兗州。房・心は、豫州。尾・箕は、幽州。斗は、江・湖。牽牛・婺女は、揚州。虚・危は、青州。営室より東壁に至るは、并州。奎・婁・胃は、徐州。昴・畢は、冀州。觜觿・参は、益州。東井・輿鬼は、雍州。柳・七星・張は、三河。翼・軫は、荊州。七星は員官為り、辰星の廟、蛮夷の星なり。両軍相当たりて、日暈あり。暈等しければ、力鈞し。厚く長く大なれば、勝つ有り。薄く短く小なれば、勝つ無し。重抱は大いに破りて無し。抱は和と為し、背は和せず、分離して相去ると為す。直は自立と為し、侯王を立つ。将を殺す。負ひ且つ戴けば、喜び有り。囲み中に在れば、中勝つ。外に在れば、外勝つ。青外にして赤中なれば、和を以て相去る。赤外にして青中なれば、悪を以て相去る。気暈先に至りて後に去れば、居軍勝つ。先に至りて先に去れば、前は利あり後は病む。後に至りて後に去れば、前は病み後は利あり。後に至りて先に去れば、前後皆病み、居軍勝たず。見えて去り、其の発すること疾ければ、勝つと雖も功無し。見ゆること半日以上なれば、功大なり。白虹屈して短く、上下兌ければ、有る者の下に大いに血を流す。日暈は勝ちを制す、近ければ期は三十日、遠ければ期は六十日。其の食は、食する所利あらず。復た生ずれば、生ずる所利あり。而して食益々尽くれば、主位と為す。其の直る所及び日の宿る所を以て、加ふるに日時を以てし、用て其の国を命ずるなり。

現代語訳

(辰星が)東方に現れると、四宿、四十八日進み、そのうち(見えるのは)二十日で、引き返して東方に隠れる。西方に現れると、四宿、四十八日進み、そのうち二十日で、引き返して西方に隠れる。その一つの方法として、営室・角・畢・箕・柳の宿で観測する。房宿と心宿の間に現れれば地震がある。辰星の色は、春は青黄色、夏は赤白色、秋は青白色でその年は実り、冬は黄色で明るくない。もしその色が変われば、その季節は栄えない。春に見えなければ大風が吹き、秋に実らない。夏に見えなければ六十日の日照りがあり、月食がある。秋に見えなければ戦があり、春に芽生えない。冬に見えなければ長雨が六十日続き、町が流され、夏に作物が伸びない。(二十八宿と地上の州の対応は、)角・亢・氐は兗州、房・心は豫州、尾・箕は幽州、斗は長江と湖の地方、牽牛・婺女は揚州、虚・危は青州、営室から東壁までは并州、奎・婁・胃は徐州、昴・畢は冀州、觜觿・参は益州、東井・輿鬼は雍州、柳・七星・張は三河、翼・軫は荊州である。七星宿は員官で、辰星の廟であり、蛮夷の星である。両軍が向き合っているときに日暈(太陽のかさ)が出ることがある。暈(の両側)が等しければ力は互角である。厚く長く大きい側には勝ちがあり、薄く短く小さい側には勝ちがない。重なって抱くような暈は、大いに破れて何も残らない。抱く形は和解を示し、背く形は和解せず、分かれて去ることを示す。まっすぐな形は自立を示し、侯王を立て、将を殺す。背負い、かつ戴く形であれば喜びがある。囲みが中にあれば中(守る側)が勝ち、外にあれば外(攻める側)が勝つ。外が青く中が赤ければ和解して去り、外が赤く中が青ければ憎み合って去る。雲気や暈が先に現れて後に消えれば、陣地にいる軍が勝つ。先に現れて先に消えれば、はじめは有利で後に不利。後に現れて後に消えれば、はじめは不利で後に有利。後に現れて先に消えれば、前後ともに不利で、陣地にいる軍は勝てない。現れてすぐ消え、その変化が速ければ、勝っても功はない。半日以上見えていれば、功は大きい。白い虹が曲がって短く、上下の端が尖っていれば、その下で大いに血が流れる。日暈は勝ちを決めるもので、近ければ三十日、遠ければ六十日のうちに(結果が出る)。日食が起これば、欠けていく方角に不利であり、再び満ちれば、満ちる方角に利がある。欠けがますます尽きれば(皆既)、君主の位(に関わる)。それが当たる方角と太陽の宿る宿によって、さらに日時を加えて、その国を定めるのである。

解説

水星の記述の結びでは、季節ごとの色と、見えない季節に起こる災害が記されます。続いて、二十八宿を地上の州に割り当てた「分野」の一覧が示され、角・亢・氐は兗州、昴・畢は冀州というように、天の区画と地上の地域を対応させています。これにより、ある星宿に異変があれば、どの地方に何が起こるかを占えるとされました。後半は太陽の周りにできる光の輪、日暈や虹を使った戦の占いです。暈の厚さや長さで勝ち負けを判断し、先に現れるか後に消えるかで戦の前半と後半の有利不利を見分けるなど、細かな規則が並びます。日食についても、欠けていく方角に不利、再び満ちる方角に利があるとしています。天と地を一つの地図の上で結びつける発想は、全体を俯瞰して、どこで起きた変化がどこに響くかを考える習慣として、今の組織運営にも役立ちます。

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