潜夫論 / 斷訟
孝武仁明,周陽侯田彭祖坐當軹侯宅而不與免國。黎陽侯邵延坐不出持馬,身斬國除。二帝豈樂以錢財之故,而傷大臣哉?乃欲絕詐欺之端,必國家法,防禍亂之原,以利民也。故一人伏正罪而萬家蒙乎福者,聖主行之不疑。
新字:孝武仁明,周陽侯田彭祖坐当軹侯宅而不与免国。黎陽侯邵延坐不出持馬,身斬国除。二帝豈楽以銭財之故,而傷大臣哉?乃欲絶詐欺之端,必国家法,防禍乱之原,以利民也。故一人伏正罪而万家蒙乎福者,聖主行之不疑。
書き下し
孝武は仁明にして、周陽侯田彭祖は軹侯の宅に当たるに坐して与えず国を免ぜらる。黎陽侯邵延は馬を持ち出ださざるに坐し、身は斬られ国は除かる。二帝豈に銭財の故を以て、大臣を傷つくるを楽しまんや。乃ち詐欺の端を絶ち、必ず国家の法もて、禍乱の原を防ぎ、以て民を利せんと欲するなり。故に一人正罪に伏して万家福を蒙る者は、聖主之を行いて疑わず。
現代語訳
孝武帝は仁にして明らかでしたが、周陽侯の田彭祖は軹侯の家に当たる分を渡さなかった罪で封国を免ぜられました。黎陽侯の邵延は馬を出さなかった罪で、身は斬られ国は除かれました。二人の帝が、金銭のことを理由に大臣を傷つけて楽しんだはずがありません。詐欺の端緒を絶ち、国家の法をもって禍乱の源を防ぎ、民に利をもたらそうとされたのです。ですから、一人が正しい罪に服して万家が福を受けるなら、聖主はためらわずにそれを行うのです。
解説
前段の孝文帝に続けて、孝武帝の例を挙げています。田彭祖や邵延は、金銭や馬の義務を果たさなかったことで国を失い、命を落としました。王符は、これを帝が金銭を惜しんだのではなく、詐欺の源を断って民を利するための処置だと説明します。一人の罪を明らかにして多くの家を守るという考え方です。現代の組織でも、幹部の不正や約束違反を内々に済ませると、現場は規則が守られないと受け取ります。厳しい対応は個人を責めるためでなく、全体の信頼を守る手段です。ただし刑罰の重さは、王符の時代の基準であることを踏まえて読む必要があります。
この章句が説くこと
断訟詐欺法の厳正孝武帝大臣潜夫論
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