導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

潜夫論 / 斷訟

五代不同禮,三家不同教,非其苟相反也,蓋世推移而俗化異也。俗化異則亂原殊,故三家符世,皆革定法。高祖製三章之約,孝文除克膚之刑,是故自非殺傷盜贓,文罪之法,輕重無常,各隨時宜,要取足用勸善消惡而已。夫製法之意,若為藩籬溝塹,以有防矣。擇禽獸之尤可數犯者,而加深厚焉。今奸宄雖眾,然其原少;君事雖繁,然其守約。知其原少,奸易塞;見其守約,政易治。塞其原則奸宄絕,施其術則遠近治。今一歲斷獄雖以萬計,然辭訟之辯,鬥賊之發,鄉部之治,獄官之治者,其狀一也。本皆起民不誠信而數相欺紿也。

新字:五代不同礼,三家不同教,非其苟相反也,蓋世推移而俗化異也。俗化異則乱原殊,故三家符世,皆革定法。高祖製三章之約,孝文除克膚之刑,是故自非殺傷盗贓,文罪之法,軽重無常,各随時宜,要取足用勧善消悪而已。夫製法之意,若為藩籬溝塹,以有防矣。択禽獣之尤可数犯者,而加深厚焉。今奸宄雖衆,然其原少;君事雖繁,然其守約。知其原少,奸易塞;見其守約,政易治。塞其原則奸宄絶,施其術則遠近治。今一歳断獄雖以万計,然辞訟之弁,鬥賊之発,郷部之治,獄官之治者,其状一也。本皆起民不誠信而数相欺紿也。

書き下し

五代は礼を同じくせず、三家は教えを同じくせず。其の苟くも相反するに非ず、蓋し世推移して俗化異なればなり。俗化異なれば則ち乱の原殊なり、故に三家世に符して、皆な定法を革む。高祖は三章の約を製し、孝文は克膚の刑を除く。是の故に殺傷盗贓に非ざるより、文罪の法は、軽重常無く、各おの時宜に随い、要は用を足し善を勧め悪を消すを取るのみ。夫れ法を製するの意は、藩籬溝塹を為して、以て防ぐ有るが若し。禽獣の尤も数しば犯す可き者を択びて、深厚を加う。今奸宄は衆しと雖も、然れども其の原は少なし。君事は繁しと雖も、然れども其の守は約なり。其の原の少なきを知れば、奸は塞ぎ易く、其の守の約なるを見れば、政は治め易し。其の原を塞げば則ち奸宄絶え、其の術を施せば則ち遠近治まる。今一歳に獄を断ずること万を以て計うと雖も、然れども辞訟の弁、闘賊の発、郷部の治、獄官の治むる者、其の状は一なり。本は皆な民の誠信ならずして数しば相欺紿するに起こる。

現代語訳

五代は礼を同じくせず、三家は教えを同じくしませんでした。かりそめに互いに逆らったのではなく、世が移り変わって風俗と教化が異なったからです。風俗が異なれば乱れの源も異なります。そのため三家はそれぞれ世に合わせて、定まった法を改めました。高祖は三章の約を定め、孝文は肌を切る刑を除きました。ですから、殺傷や盗みの類でない文罪の法は、軽重が一定せず、それぞれ時に応じて、用を足し、善を勧め悪を消すことを取るだけです。法を作る意図は、垣根や溝や堀を作って防ぐようなものです。禽獣のうちとりわけたびたび侵すものを選んで、備えを厚くします。今、悪事は多いといっても、その源は少ないのです。君主の仕事は多いといっても、守るべき要点は簡約です。源が少ないと知れば悪事はふさぎやすく、要点が簡約だと見れば政は治めやすくなります。源をふさげば悪事は絶え、その方法を施せば遠近が治まります。今、一年に裁く獄は万を数えますが、訴えの弁論、闘争や賊の発覚、郷部の処理、獄官の処理のありさまは同じです。もとはすべて、民が誠実でなく、しばしば互いに欺くことから起こっています。

解説

断訟篇の冒頭で、法は時代に応じて改まるものだと述べ、そのうえで紛争の源は少ないという見立てを示します。王符は、訴訟や闘争や盗賊に見える多様な事件も、根は民が信義を欠いて欺き合うことにあるとまとめます。法は垣根や堀のように、頻繁に犯されやすい点に厚く備えるものだとも言います。現代の組織でも、トラブルは多種多様に見えて、情報の隠し立てや約束の軽視といった少数の原因に帰することがあります。個別の件ごとに対処するより、繰り返す原因を見つけて塞ぐ方が管理の手間は減ります。

この章句が説くこと

断訟法時宜欺き信義潜夫論

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る