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清静経 / 三つの観と真静

能遣之者,內觀其心,心無其心;外觀其形,形無其形;遠觀其物,物無其物。三者既悟,唯見於空。觀空亦空,空無所空;所空既無,無無亦無;無無既無,湛然常寂;寂無所寂,慾豈能生?慾既不生,即是真靜。

新字:能遣之者,内観其心,心無其心;外観其形,形無其形;遠観其物,物無其物。三者既悟,唯見於空。観空亦空,空無所空;所空既無,無無亦無;無無既無,湛然常寂;寂無所寂,慾豈能生?慾既不生,即是真静。

書き下し

能く之を遣る者は、内に其の心を観れば、心に其の心無し。 外に其の形を観れば、形に其の形無し。 遠く其の物を観れば、物に其の物無し。 三者既に悟れば、唯だ空を見る。 空を観ることも亦た空、空に空とする所無し。 空とする所既に無ければ、無無も亦た無し。 無無既に無ければ、湛然として常に寂なり。 寂に寂とする所無し、慾豈に能く生ぜんや。 慾既に生ぜざれば、即ち是れ真静なり。

現代語訳

欲を取り除くことができる人は、内に自分の心を観ると、心にはその心というものがありません。 外に自分の形を観ると、形にはその形というものがありません。 遠くに物を観ると、物にはその物というものがありません。 この三つを悟ると、ただ空だけが見えます。 その空を観ることもまた空であり、空とすべきものもありません。 空とすべきものが無くなれば、無という考えさえも無くなります。 無という考えさえ無くなれば、水をたたえたように静かで、つねに寂然としています。 寂とすべきものも無いので、欲がどうして生じるでしょうか。 欲がもう生じないとき、それが真の静けさです。

解説

内の心、外の形、遠くの物を順に観て、そのどれにも固定した実体はないと悟っていく章句です。観る行為そのものも空だとして、最後には「無」という考えにさえ囚われない境地へ進みます。仏教の空の思想とよく似ていて、成立の事情には確かなことは言えません。実務への橋渡しは、手段が目的化することへの戒めです。成果や肩書きを追う自分の姿さえ、一歩引いて眺めてみる。そうした距離を取ると、欲に動かされた焦りが静まります。
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この章句が説くこと

三観内観外観遠観空無無

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