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臨済録 / 上堂

府主王常侍與諸官請師升座,師上堂,云:

新字:府主王常侍与諸官請師升座,師上堂,云:

書き下し

府主王常侍、諸官と師に升座を請う。師、上堂して云く、

現代語訳

鎮州の府主である王常侍(おうじょうじ、臨済の庇護者となった地方長官)が、役人たちとともに、師に説法の座に上るよう願い出た。師は法堂に上って言った。

解説

『臨済録』の冒頭、上堂の段の書き出しである。上堂とは、住持が法堂の高座に上って修行僧や聴衆に向けて法を説くことをいう。臨済義玄は唐末の禅僧で臨済宗の祖とされ、河北の鎮州臨済院に住した。その活動を支えたのが府主の王常侍であり、語録はまず、俗世の権力者が役人を引き連れて禅僧に説法を請う場面から始まる。権力の側が教えを求め、禅僧がそれに応じるという構図は、中国禅が地方官の保護のもとで広がった事情を映している。組織でいえば、上に立つ者が自ら現場の知恵者に頭を下げて話を聞きに行く姿であり、学ぶ側の姿勢が場の質を決めることを示す一行である。

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