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李衛公問対 / 卷中

太公《六韜》言守禦之具爾,非攻戰所施也。」

新字:太公《六韜》言守禦之具爾,非攻戦所施也。」

書き下し

太公の『六韜』に守禦の具を言ふのみ、攻戦の施す所に非ざるなり。」

現代語訳

(李靖が続けた。)太公(太公望呂尚)の『六韜』(太公望に仮託された兵書)が、守り防ぐための道具として述べているだけで、攻めて戦うときに用いるものではない。」

解説

鉄蒺藜(鉄のまきびし)と行馬(移動式の柵)について、李靖は『六韜』に見えることを認めつつ、それはあくまで守りの道具であり、攻戦に用いるものではないと限定する。『六韜』軍用篇には、営を守るための器具が数多く列挙されている。道具にはそれぞれ本来の用途があり、守りの具を攻めに持ち込んでも役に立たない。古典に載っているからといって万能視せず、その道具がどの局面のためのものかを見極めよという、李靖の一貫した読み方がここにも表れている。今日でも、防御のために作られた規則や仕組みを、攻めの場面にまで当てはめて動きを鈍らせていないかを点検する価値がある。

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