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孟子 / 滕文公章句上

間曰:「命之矣!」

書き下し

間ありて曰く、「之に命へられたり。」

現代語訳

(夷子はがっかりした様子で)しばらく間をおいてから言った。「よく教えていただいた。」

解説

墨家の夷之(いし)が、孟子の批判を弟子の徐子から伝え聞いた場面の結びの言葉です。夷之は墨家の説く薄葬を唱えながら、自分の親は手厚く葬っていました。孟子はその矛盾を突き、昔の人が親の遺体を谷に捨てたのち、獣や虫に食われるさまを見て額に汗し、思わず土で覆ったのが埋葬の始まりだと語り、親を特別に思う心は人の自然な情だと説きました。これを聞いた夷之は、しばし呆然とした後に「よく教えていただいた」と答えます。論敵であっても道理に納得すれば素直に受け入れる姿がここにあります。議論の勝ち負けにこだわらず、自分の考えの誤りを認められるかどうかが、学ぶ人の器を決めることを教えてくれる短い一節です。

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