啓発録 / 又跋
右啓發錄。距今十許年前。余所手記也。其言雖淺近。顧當時憤悱之奮且勵。反非今日所及也。近頃偶撿舊篋獲之。因淨寫一本。示愛友子秉及弟持卿。以爲啓發地。嗚呼十年前旣如彼。而今日如此。則自今十年之後。其將何如乎。繙閱間不覺愀然。丁巳皐月景岳紀識時年二十又四
新字:右啓発録。距今十許年前。余所手記也。其言雖浅近。顧当時憤悱之奮且励。反非今日所及也。近頃偶撿旧篋獲之。因浄写一本。示愛友子秉及弟持卿。以為啓発地。嗚呼十年前既如彼。而今日如此。則自今十年之後。其将何如乎。繙閲間不覚愀然。丁巳皐月景岳紀識時年二十又四
書き下し
右啓発録は、今を距つること十許年前、余の手記する所なり。其の言浅近なりと雖も、顧みるに当時憤悱の奮ひ且つ励むは、反つて今日の及ぶ所に非ざるなり。近頃偶〻旧篋を検して之を獲たり。因りて一本を浄写し、愛友子秉及び弟持卿に示し、以て啓発の地と為す。嗚呼、十年前既に彼の如し。而るに今日此くの如し。則ち今より十年の後、其れ将に何如ならんとするか。繙閲の間、覚えず愀然たり。丁巳皐月、景岳紀識す。時に年二十又四。
現代語訳
この啓発録は、今から十年ほど前に私が書き留めたものです。その言葉は浅く手近なものですが、振り返ってみると、当時の、わからないことに憤り悶えながら奮い励んだ気持ちは、かえって今の私の及ぶところではありません。最近たまたま古い箱を調べてこれを見つけ、一冊に清書して、親しい友の子秉と弟の持卿に示し、啓発のよりどころとしました。ああ、十年前にすでにあのようであったのに、今日はこの有様です。そうだとすれば、これから十年後は、いったいどうなっているのでしょうか。読み返すうちに、思わず心が沈み、顔色を変えてしまいました。丁巳の五月、景岳が記す。時に二十四歳。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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史記 秦本紀繆公客礼を以て之を礼し、戎を伐つの形を問ふ。三十六年、繆公復た益孟明等を厚くし、兵を将ゐて晋を伐たしむ。河を渡りて船を焚き、大いに晋人を敗り、王官及び鄗を取り、以て殽の役に報ゆ。晋人皆城守して敢へて出でず。是に於て繆公乃ち茅津より河を渡り、殽中の尸を封じ、為に喪を発し、之を哭すること三日。乃ち軍に誓ひて曰く、「嗟士卒、聴きて譁しき無かれ、余誓ひて汝に告ぐ。古の人は謀るに黄髪番番たるに則れば、則ち過つ所無し」と。以て蹇叔・百里傒の謀を用ゐざりしを申思す。故に此の誓を作り、後世をして以て余が過ちを記さしむ。君子之を聞き、皆為に涕を垂れて、曰く、「嗟乎、秦の繆公の人に与すること周きや、卒に孟明の慶を得たり」と。三十七年、秦由余の謀を用ゐて戎王を伐ち、国を益すこと十二、地を開くこと千里、遂に西戎に霸たり。天子召公過をして繆公を賀するに金鼓を以てせしむ。
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孟子・離婁章句上孟子曰く、「人を愛して親しまずんば、其の仁に反れ。人を治めて治まらずんば、其の智に反れ。人を禮して答えずんば、其の敬に反れ。行いて得ざる者有れば、皆諸を己に反求す。其の身正しければ天下之に歸す。詩に云う、『永く言、命を配し、自ら多福を求む。』」
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『学則』答安澹泊書蘐園随筆の如き者は、不佞昔年、暑を消して漫りに書し、聊か以て自ら娯しむ。本と以て諸を大方の君子に公にするに非ず。誤りて剞劂に墜ち、遂に本心に背く。且つ其の時、旧習未だ祛らず、見識未だ定まらず、客気未だ消えず。今より之を観れば、懊悔殊に甚だし。忽ち奨借を承け、啻に顙に泚するのみならず。蓋し不佞少小の時、已に宋儒の説の六経に於て合はざる者有るを覚ゆ。然れども已に儒を業とす、此に非ざれば則ち以て時に施す無し。故に口に任せ意に任せ、左支右吾す。中宵自ら省み、心甚だ安からず。随筆に云ふ所は、乃ち其の左支右吾の言なり。何ぞ論ずるに足らんや、何ぞ論ずるに足らんや。
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『家道訓』巻之四・用財上一士として、財利をむさぼり、吝嗇にして廉恥の志なく、親戚故旧の貧窮をめぐまず、われにしたしき人、我が采地の農人などの飢饉を見ても、心つよくしてすくはず。親戚朋友の礼義をつとめず。或は、あたふべき者にあたへず、取るまじき物をとり、人の財を用ひてつぐのはず。もしこの事我が身に一もあらば、是をいましむべし。人のよきあしきを見るも、皆我が身のかがみなり。善を見ては是を学び、悪を見ては我が身にも是ありやとかへりみるべし。如此すれば、人の善悪を見て、皆我か身の益となる。人の悪しきを謗らずして、我が身を省るべし。およそ鰥寡孤独貧窮にしてたよりなきもの、我が分にしたがひ、力の及ぶほどはすくふべし。これをすくふに財ををしむべからず。
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『呻吟語』内篇・修身・腳を放ちて行けば日日長進を見る頭を回らせて看れば、年年過差有り。腳を放ちて行けば、日日長進を見る。
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尚書・秦誓公曰く、「嗟(ああ)!我が士よ。聴きて嘩しくすること無かれ。予誓ひて汝に群言の首を告ぐ。古人言へる有り、曰く、『民は自ら是くの若くするを訖せば、盤しむこと多し。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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