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家道訓 / 巻之六・用財下

一凡家をたもつ道は儉約を行ふにあり。儉約とはおごりと費なきなり。驕とは何ぞや。我分外を行ふを云ふ。費とは何ぞや。無用の財を用ふるを云ふ。又家をたもつには、豫するを先とすべし。かねてするとは、後の事を早くおもんぱかりて用心するをいふ。かねての計なくしては、行きあたりて如何ともすべからず。遠き慮なければ、必ず近き憂あり。聖人の言たがふべからず。

新字:一凡家をたもつ道は倹約を行ふにあり。倹約とはおごりと費なきなり。驕とは何ぞや。我分外を行ふを云ふ。費とは何ぞや。無用の財を用ふるを云ふ。又家をたもつには、予するを先とすべし。かねてするとは、後の事を早くおもんぱかりて用心するをいふ。かねての計なくしては、行きあたりて如何ともすべからず。遠き慮なければ、必ず近き憂あり。聖人の言たがふべからず。

書き下し

一凡家をたもつ道は倹約を行ふにあり。倹約とはおごりと費なきなり。驕とは何ぞや。我分外を行ふを云ふ。費とは何ぞや。無用の財を用ふるを云ふ。又家をたもつには、予するを先とすべし。かねてするとは、後の事を早くおもんぱかりて用心するをいふ。かねての計なくしては、行きあたりて如何ともすべからず。遠き慮なければ、必ず近き憂あり。聖人の言たがふべからず。

現代語訳

およそ家を保つ道は、倹約を行うことにあります。倹約とは、驕りと無駄な出費がないことです。驕りとは何でしょうか。自分の分を越えたことを行うことをいいます。無駄な出費とは何でしょうか。無用の財を使うことをいいます。また家を保つには、「予(かね)てする」ことを第一としなさい。予てするとは、後のことを早く考えて用心することをいいます。前もっての計画がなくては、行き当たってどうしようもありません。「遠き慮りなければ、必ず近き憂いあり」という聖人の言葉は違いありません。

解説

家道訓の用財の巻を締めくくる条で、家を保つ道を「倹約」と「予め備えること」の二つにまとめています。倹約を驕りと無駄の排除と定義し、驕りは分を越えること、無駄は無用の出費と言い換えて、これまでの議論を整理しています。結びの「人遠き慮なければ必ず近き憂あり」は論語衛霊公篇の孔子の言葉です。先を見て今のうちに手を打つという姿勢は、家計の備えから会社の経営計画、人生設計まで、あらゆる場面に通じる基本の心構えといえるでしょう。

この章句が説くこと

倹約備え遠慮家論語

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