法華経 / 普賢菩薩勸發品第二十八(2)
爾時普賢菩薩白佛言:「世尊,於後五百歲、濁惡世中,其有受持是經典者,我當守護,除其衰患,令得安隱,使無伺求、得其便者,若魔、若魔子、若魔女、若魔民、若為魔所著者、若夜叉、若羅剎、若鳩槃荼、若毗舍闍、若吉遮、若富單那、若韋陀羅、等,諸惱人者,皆不得便。是人若行、若立、讀誦此經,我爾時乘六牙白象王,與大菩薩眾、俱詣其所,而自現身,供養守護,安慰其心,亦為供養法華經故。是人若坐、思惟此經,爾時我復乘白象王、現其人前,其人若於法華經、有所忘失一句一偈,我當教之,與共讀誦,還令通利。爾時受持讀誦法華經者、得見我身,甚大歡喜,轉復精進,以見我故,即得三昧、及陀羅尼,名為旋陀羅尼、百千萬億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼,得如是等陀羅尼。」 「世尊,若後世後五百歲、濁惡世中,比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷,求索者,受持者,讀誦者,書寫者,欲修習是法華經,於三七日中、應一心精進,滿三七日已,我當乘六牙白象,與無量菩薩而自圍繞,以一切眾生所喜見身、現其人前、而為說法,示教利喜,亦復與其陀羅尼咒,得是陀羅尼故,無有非人、能破壞者,亦不為女人之所惑亂,我身亦自常護是人,惟願世尊聽我說此陀羅尼咒。」 即於佛前而說咒曰:
新字:爾時普賢菩薩白仏言:「世尊,於後五百歳、濁悪世中,其有受持是経典者,我当守護,除其衰患,令得安隠,使無伺求、得其便者,若魔、若魔子、若魔女、若魔民、若為魔所著者、若夜叉、若羅刹、若鳩槃荼、若毗舎闍、若吉遮、若富単那、若韋陀羅、等,諸悩人者,皆不得便。是人若行、若立、読誦此経,我爾時乗六牙白象王,与大菩薩衆、倶詣其所,而自現身,供養守護,安慰其心,亦為供養法華経故。是人若坐、思惟此経,爾時我復乗白象王、現其人前,其人若於法華経、有所忘失一句一偈,我当教之,与共読誦,還令通利。爾時受持読誦法華経者、得見我身,甚大歓喜,転復精進,以見我故,即得三昧、及陀羅尼,名為旋陀羅尼、百千万億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼,得如是等陀羅尼。」 「世尊,若後世後五百歳、濁悪世中,比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷,求索者,受持者,読誦者,書写者,欲修習是法華経,於三七日中、応一心精進,満三七日已,我当乗六牙白象,与無量菩薩而自囲繞,以一切衆生所喜見身、現其人前、而為説法,示教利喜,亦復与其陀羅尼咒,得是陀羅尼故,無有非人、能破壊者,亦不為女人之所惑乱,我身亦自常護是人,惟願世尊聴我説此陀羅尼咒。」 即於仏前而説咒曰:
書き下し
爾の時、普賢菩薩、仏に白して言さく。「世尊、後の五百歳、濁悪世の中に於いて、其れ是の経典を受持する者有らば、我当に守護し、其の衰患を除き、安隠なることを得しめ、伺い求めて其の便を得る者無からしめん。若しは魔、若しは魔子、若しは魔女、若しは魔民、若しは魔に著せらるる者、若しは夜叉、若しは羅刹、若しは鳩槃荼、若しは毘舎闍、若しは吉遮、若しは富単那、若しは韋陀羅等の、諸の人を悩ます者、皆便を得ざらしめん。是の人、若しは行き、若しは立ちて、此の経を読誦せば、我爾の時に六牙の白象王に乗り、大菩薩衆と倶に、其の所に詣りて、自ら身を現じ、供養し守護して、其の心を安慰せん。亦法華経を供養せんが為の故なり。是の人、若しは坐して、此の経を思惟せば、爾の時、我復白象王に乗りて、其の人の前に現ぜん。其の人、若し法華経に於いて、一句一偈を忘失すること有らば、我当に之に教え、与に共に読誦して、還って通利せしめん。爾の時、法華経を受持し読誦する者、我が身を見ることを得て、甚だ大いに歓喜し、転た復精進せん。我を見るを以ての故に、即ち三昧、及び陀羅尼を得ん。名づけて旋陀羅尼、百千万億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼と為す。是の如き等の陀羅尼を得ん。」 「世尊、若し後世の後の五百歳、濁悪世の中に、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷の、求索する者、受持する者、読誦する者、書写する者、是の法華経を修習せんと欲せば、三七日の中に於いて、応当に一心に精進すべし。三七日満ち已らば、我当に六牙の白象に乗り、無量の菩薩と、而も自ら囲繞せられ、一切衆生の見んことを喜ぶ所の身を以て、其の人の前に現じて、而も為に法を説き、示教利喜せん。亦復与に陀羅尼呪を与えん。是の陀羅尼を得るが故に、非人の能く破壊する者有ること無く、亦女人の惑乱する所と為らじ。我が身も亦自ら常に是の人を護らん。惟願わくは世尊、我が此の陀羅尼呪を説くを聴したまえ。」 即ち仏前に於いて、呪を説いて曰く、
現代語訳
そのとき普賢菩薩は仏に申し上げました。世尊、のちの五百歳の濁った悪世に、この経典を受け持つ人がいれば、私が守り、その衰えや災いを除き、安らかであるようにし、隙をうかがう者がつけ入れないようにします。魔、魔の子、魔の娘、魔の民、魔にとりつかれた者、夜叉、羅刹、鳩槃荼、毘舎闍、吉遮、富単那、韋陀羅など、人を悩ますものたちに、つけ入らせません。この人が歩いたり立ったりしながらこの経を読誦するなら、私はそのとき六本の牙をもつ白象王に乗り、大菩薩たちとともにその人のもとに行き、自ら姿を現して、供養し守り、その心を安らがせます。これもまた法華経を供養するためです。この人が座ってこの経を思い巡らすときにも、私はまた白象王に乗って、その人の前に現れます。もしその人が法華経の一句一偈を忘れたなら、私が教え、ともに読誦して、また滞りなく通じるようにします。そのとき法華経を受け持ち読誦する人は、私の姿を見て大いに喜び、さらに励みます。私を見たことによって、三昧と陀羅尼を得ます。旋陀羅尼、百千万億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼といい、このような陀羅尼を得ます。 世尊、のちの世の後の五百歳の濁悪の世に、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷で、求める者、受け持つ者、読誦する者、書き写す者が、この法華経を修めようとするなら、三七日(二十一日)のあいだ、一心に励むべきです。三七日が満ちたなら、私は六牙の白象に乗り、無量の菩薩に囲まれ、すべての人が見て喜ぶ姿で、その人の前に現れて法を説き、示し、教え、利益を与え、喜ばせます。また陀羅尼の呪を授けます。この陀羅尼を得るので、人ならざるものが破壊することはなく、また女人に心を惑わされることもありません。私自身も、つねにこの人を守ります。どうか世尊、私がこの陀羅尼の呪を説くことをお許しください。 そして仏の前で呪を説いて言いました。
解説

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法華経・普賢菩薩勸發品第二十八(4)爾の時、釈迦牟尼仏、讃めて言わく。「善いかな、善いかな、普賢。汝、能く是の経を護助して、多くの衆生をして、安楽利益せしむ。汝、已に不可思議の功徳、深大の慈悲を成就し、久遠より来、阿耨多羅三藐三菩提の意を発し、而も能く是の神通の願を作して、是の経を守護す。我当に神通力を以て、能く普賢菩薩の名を受持する者を守護すべし。」 「普賢よ、若し是の法華経を受持し、読誦し、正憶念し、修習し、書写する者有らば、当に知るべし、是の人は則ち釈迦牟尼仏を見、仏の口より此の経典を聞くが如し。当に知るべし、是の人は釈迦牟尼仏を供養するなり。当に知るべし、是の人は仏の善いかなと讃めたまう。当に知るべし、是の人は釈迦牟尼仏の手をもって其の頭を摩でらる。当に知るべし、是の人は釈迦牟尼仏の衣に覆わるる所と為る。是の如きの人は、復世楽に貪著せず、外道の経書、手筆を好まず、亦復其の人、及び諸の悪者に親近することを喜ばず。若しは屠児、若しは猪羊鶏狗を畜う、若しは猟師、若しは女色を炫売する者なり。是の人は心意質直にして、正憶念有り、福徳力有り。是の人は三毒に悩まされず、亦復嫉妬、我慢、邪慢、増上慢に悩まされず。是の人は少欲知足にして、能く普賢の行を修す。」 「普賢よ、若し如来の滅後、後の五百歳に、若し人有りて、法華経を受持し読誦する者を見ては、応に是の念を作すべし。『此の人は久しからずして、当に道場に詣り、諸の魔衆を破り、阿耨多羅三藐三菩提を得、法輪を転じ、法鼓を撃ち、法螺を吹き、法雨を雨らし、当に天人大衆の中の師子法座の上に坐すべし』と。」
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法華経・普賢菩薩勸發品第二十八(5)「普賢よ、若し後世に於いて、是の経典を受持し読誦する者は、是の人復衣服、臥具、飲食、資生の物に貪著せず、所願虚しからず、亦現世に於いて其の福報を得ん。若し人有りて之を軽毀して、言わん、汝は狂人なるのみ、空しく是の行を作して、終に獲る所無けん、と。是の如き罪報は、当に世世に眼無かるべし。若し之を供養し讃歎する者有らば、当に今世に於いて現の果報を得べし。若し復是の経を受持する者を見て、其の過悪を出ださば、若しは実にもあれ、若しは不実にもあれ、此の人は現世に白癩の病を得ん。若し之を軽笑する者有らば、当に世世に牙歯疎き欠け、醜き唇、平たき鼻、手脚繚戻し、眼目角睞し、身体臭穢にして、悪瘡、膿血、水腹、短気、諸の悪重病あるべし。是の故に普賢よ、若し是の経典を受持する者を見ては、当に起ちて遠く迎うべし。当に仏を敬うが如くすべし。」 是の普賢勧発品を説きたまいし時、恒河沙等の無量無辺の菩薩、百千万億の旋陀羅尼を得、三千大千世界微塵等の諸菩薩、普賢の道を具えたり。仏、是の経を説きたまいし時、普賢等の諸菩薩、舎利弗等の諸声聞、及び諸天、龍、人非人等、一切の大会、皆大いに歓喜し、仏語を受持して、礼を作して去りにき。
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法華経・陀羅尼品第二十六(1)爾の時、薬王菩薩、即ち座より起ち、右の肩を偏袒し、合掌して仏に向かい、而も仏に白して言さく。「世尊、若し善男子、善女人、能く法華経を受持する者有らんに、若しは読誦して通利し、若しは経巻を書写せば、幾所の福を得んや。」仏、薬王に告げたまわく。「若し善男子、善女人有りて、八百万億那由他恒河沙等の諸仏を供養せば、汝が意に於いて云何、其の所得の福、寧ろ多しと為すや否や。」「甚だ多し、世尊。」仏の言わく。「若し善男子、善女人、能く是の経に於いて、乃至一四句偈を受持し、読誦し、義を解して、説の如く修行せば、功徳甚だ多し。」爾の時、薬王菩薩、仏に白して言さく。「世尊、我今当に説法者に陀羅尼呪を与え、以て之を守護すべし。」即ち呪を説いて曰く、 安爾 曼爾 摩禰 摩摩禰 旨隸 遮梨第 賒□ 賒履多瑋 羶帝 目帝 目多履 娑履 阿瑋娑覆 桑履 娑履 叉裔 阿叉裔 阿耆膩 羶帝 賒履 陀羅尼 阿盧伽婆娑簸蔗毗叉膩 禰毗剃 阿便哆邏禰履剃 阿亶哆波隸輸地 漚究隸 牟究隸 阿羅隸 波羅隸 首迦差 阿三磨三履 佛馱毗吉利□帝 達磨波利差帝 僧伽涅瞿沙禰 婆舍婆舍輸地 曼哆邏 曼哆邏叉夜多 郵樓哆 郵樓哆憍舍略 惡叉邏 惡叉冶多冶 阿婆盧 阿磨若那多夜 「世尊、是の陀羅尼神呪は、六十二億恒河沙等の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」
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法華経・陀羅尼品第二十六(2)時に釈迦牟尼仏、薬王菩薩を讃めて言わく。「善いかな、善いかな、薬王。汝、此の法師を愍念し擁護するが故に、是の陀羅尼を説く。諸の衆生に於いて、饒益する所多し。」 爾の時、勇施菩薩、仏に白して言さく。「世尊、我も亦、法華経を読誦し受持する者を擁護せんが為に、陀羅尼を説かん。若し此の法師、是の陀羅尼を得ば、若しは夜叉、若しは羅刹、若しは富単那、若しは吉遮、若しは鳩槃荼、若しは餓鬼、等、其の短を伺い求むとも、便を得ること能う無けん。」即ち仏前に於いて、呪を説いて曰く、 痤隸 摩訶痤隸 鬱枳 目枳 阿隸 阿羅婆第 涅隸第 涅隸多婆第 伊致柅 韋致柅 旨致柅 涅隸墀柅 涅犁墀婆底 「世尊、是の陀羅尼神呪は、恒河沙等の諸仏の所説なり、亦皆随喜したまう。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」 爾の時、毗沙門天王、護世者、仏に白して言さく。「世尊、我も亦、衆生を愍念し、此の法師を擁護せんが為の故に、是の陀羅尼を説く。」即ち呪を説いて曰く、 阿梨 那梨 □那梨 阿那盧 那履 拘那覆 「世尊、是の神呪を以て法師を擁護し、我も亦、自ら当に是の経を持つ者を擁護して、百由旬の内に、諸の衰患無からしむべし。」 爾の時、持国天王、此の会の中に在り、千万億那由他の乾闥婆衆と、恭敬し囲繞して、前みて仏の所に詣り、合掌して仏に白して言さく。「世尊、我も亦、陀羅尼神呪を以て、法華経を持つ者を擁護せん。」即ち呪を説いて曰く、 阿伽禰 伽禰 瞿利 乾陀利 旃陀利 摩蹬耆 常求利 浮樓莎柅 頞底 「世尊、是の陀羅尼神呪は、四十二億の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」