法華経 / 陀羅尼品第二十六(2)
時釋迦牟尼佛讚藥王菩薩言:「善哉、善哉,藥王,汝愍念擁護此法師故,說是陀羅尼,於諸眾生、多所饒益。」 爾時勇施菩薩白佛言:「世尊,我亦為擁護讀誦受持法華經者,說陀羅尼,若此法師得是陀羅尼,若夜叉、若羅剎、若富單那、若吉遮、若鳩槃荼、若餓鬼、等,伺求其短,無能得便。」即於佛前而說咒曰: 痤隸 摩訶痤隸 鬱枳 目枳 阿隸 阿羅婆第 涅隸第 涅隸多婆第 伊致柅 韋致柅 旨致柅 涅隸墀柅 涅犁墀婆底 「世尊,是陀羅尼神咒,恒河沙等諸佛所說,亦皆隨喜,若有侵毀此法師者,則為侵毀是諸佛已。」 爾時毗沙門天王護世者白佛言:「世尊,我亦為愍念眾生、擁護此法師故,說是陀羅尼。」即說咒曰: 阿梨 那梨 □那梨 阿那盧 那履 拘那覆 「世尊,以是神咒、擁護法師,我亦自當擁護持是經者,令百由旬內、無諸衰患。」 爾時持國天王、在此會中,與千萬億那由他乾闥婆眾,恭敬圍繞,前詣佛所,合掌白佛言:「世尊,我亦以陀羅尼神咒、擁護持法華經者。」即說咒曰: 阿伽禰 伽禰 瞿利 乾陀利 旃陀利 摩蹬耆 常求利 浮樓莎柅 頞底 「世尊,是陀羅尼神咒,四十二億諸佛所說,若有侵毀此法師者,則為侵毀是諸佛已。」
新字:時釈迦牟尼仏讃薬王菩薩言:「善哉、善哉,薬王,汝愍念擁護此法師故,説是陀羅尼,於諸衆生、多所饒益。」 爾時勇施菩薩白仏言:「世尊,我亦為擁護読誦受持法華経者,説陀羅尼,若此法師得是陀羅尼,若夜叉、若羅刹、若富単那、若吉遮、若鳩槃荼、若餓鬼、等,伺求其短,無能得便。」即於仏前而説咒曰: 痤隸 摩訶痤隸 鬱枳 目枳 阿隸 阿羅婆第 涅隸第 涅隸多婆第 伊致柅 韋致柅 旨致柅 涅隸墀柅 涅犁墀婆底 「世尊,是陀羅尼神咒,恒河沙等諸仏所説,亦皆随喜,若有侵毀此法師者,則為侵毀是諸仏已。」 爾時毗沙門天王護世者白仏言:「世尊,我亦為愍念衆生、擁護此法師故,説是陀羅尼。」即説咒曰: 阿梨 那梨 □那梨 阿那盧 那履 拘那覆 「世尊,以是神咒、擁護法師,我亦自当擁護持是経者,令百由旬内、無諸衰患。」 爾時持国天王、在此会中,与千万億那由他乾闥婆衆,恭敬囲繞,前詣仏所,合掌白仏言:「世尊,我亦以陀羅尼神咒、擁護持法華経者。」即説咒曰: 阿伽祢 伽祢 瞿利 乾陀利 旃陀利 摩蹬耆 常求利 浮楼莎柅 頞底 「世尊,是陀羅尼神咒,四十二億諸仏所説,若有侵毀此法師者,則為侵毀是諸仏已。」
書き下し
時に釈迦牟尼仏、薬王菩薩を讃めて言わく。「善いかな、善いかな、薬王。汝、此の法師を愍念し擁護するが故に、是の陀羅尼を説く。諸の衆生に於いて、饒益する所多し。」 爾の時、勇施菩薩、仏に白して言さく。「世尊、我も亦、法華経を読誦し受持する者を擁護せんが為に、陀羅尼を説かん。若し此の法師、是の陀羅尼を得ば、若しは夜叉、若しは羅刹、若しは富単那、若しは吉遮、若しは鳩槃荼、若しは餓鬼、等、其の短を伺い求むとも、便を得ること能う無けん。」即ち仏前に於いて、呪を説いて曰く、 痤隸 摩訶痤隸 鬱枳 目枳 阿隸 阿羅婆第 涅隸第 涅隸多婆第 伊致柅 韋致柅 旨致柅 涅隸墀柅 涅犁墀婆底 「世尊、是の陀羅尼神呪は、恒河沙等の諸仏の所説なり、亦皆随喜したまう。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」 爾の時、毗沙門天王、護世者、仏に白して言さく。「世尊、我も亦、衆生を愍念し、此の法師を擁護せんが為の故に、是の陀羅尼を説く。」即ち呪を説いて曰く、 阿梨 那梨 □那梨 阿那盧 那履 拘那覆 「世尊、是の神呪を以て法師を擁護し、我も亦、自ら当に是の経を持つ者を擁護して、百由旬の内に、諸の衰患無からしむべし。」 爾の時、持国天王、此の会の中に在り、千万億那由他の乾闥婆衆と、恭敬し囲繞して、前みて仏の所に詣り、合掌して仏に白して言さく。「世尊、我も亦、陀羅尼神呪を以て、法華経を持つ者を擁護せん。」即ち呪を説いて曰く、 阿伽禰 伽禰 瞿利 乾陀利 旃陀利 摩蹬耆 常求利 浮樓莎柅 頞底 「世尊、是の陀羅尼神呪は、四十二億の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」
現代語訳
そのとき釈迦牟尼仏は薬王菩薩をたたえて言われました。よいかな、よいかな、薬王。あなたはこの法師をあわれみ守ろうとして、この陀羅尼を説いた。多くの人々に大きな利益をもたらすであろう。 そのとき勇施菩薩が仏に申し上げました。世尊、私もまた、法華経を読誦し受け持つ人を守るために陀羅尼を説きます。もしこの法師がこの陀羅尼を得れば、夜叉、羅刹、富単那、吉遮、鳩槃荼、餓鬼などが、その隙をうかがい求めても、つけ入ることはできません。そして仏の前で呪を説いて言いました。 (ここに陀羅尼の呪文が音写で記されます。訳は付しません。) 世尊、この陀羅尼の神呪は、ガンジス河の砂の数ほどの諸仏が説かれたもので、諸仏もみな喜ばれます。もしこの法師を傷つけ、そしるなら、それはこれらの諸仏を傷つけ、そしることになります。 そのとき世を護る毗沙門天王が仏に申し上げました。世尊、私もまた、人々をあわれみ、この法師を守るために、この陀羅尼を説きます。そして呪を説いて言いました。 (ここに陀羅尼の呪文が音写で記されます。訳は付しません。) 世尊、この神呪で法師を守ります。私もまた自ら、この経を持つ人を守り、百由旬の内に、あらゆる衰えや災いがないようにいたします。 そのとき持国天王がこの会衆の中にあって、千万億那由他の乾闥婆たちに恭しく囲まれて、仏のもとに進み、合掌して申し上げました。世尊、私もまた陀羅尼の神呪で、法華経を持つ人を守ります。そして呪を説いて言いました。 (ここに陀羅尼の呪文が音写で記されます。訳は付しません。) 世尊、この陀羅尼の神呪は、四十二億の諸仏が説かれたものです。もしこの法師を傷つけ、そしるなら、それはこれらの諸仏を傷つけ、そしることになります。
解説

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法華経・陀羅尼品第二十六(1)爾の時、薬王菩薩、即ち座より起ち、右の肩を偏袒し、合掌して仏に向かい、而も仏に白して言さく。「世尊、若し善男子、善女人、能く法華経を受持する者有らんに、若しは読誦して通利し、若しは経巻を書写せば、幾所の福を得んや。」仏、薬王に告げたまわく。「若し善男子、善女人有りて、八百万億那由他恒河沙等の諸仏を供養せば、汝が意に於いて云何、其の所得の福、寧ろ多しと為すや否や。」「甚だ多し、世尊。」仏の言わく。「若し善男子、善女人、能く是の経に於いて、乃至一四句偈を受持し、読誦し、義を解して、説の如く修行せば、功徳甚だ多し。」爾の時、薬王菩薩、仏に白して言さく。「世尊、我今当に説法者に陀羅尼呪を与え、以て之を守護すべし。」即ち呪を説いて曰く、 安爾 曼爾 摩禰 摩摩禰 旨隸 遮梨第 賒□ 賒履多瑋 羶帝 目帝 目多履 娑履 阿瑋娑覆 桑履 娑履 叉裔 阿叉裔 阿耆膩 羶帝 賒履 陀羅尼 阿盧伽婆娑簸蔗毗叉膩 禰毗剃 阿便哆邏禰履剃 阿亶哆波隸輸地 漚究隸 牟究隸 阿羅隸 波羅隸 首迦差 阿三磨三履 佛馱毗吉利□帝 達磨波利差帝 僧伽涅瞿沙禰 婆舍婆舍輸地 曼哆邏 曼哆邏叉夜多 郵樓哆 郵樓哆憍舍略 惡叉邏 惡叉冶多冶 阿婆盧 阿磨若那多夜 「世尊、是の陀羅尼神呪は、六十二億恒河沙等の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」
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法華経・陀羅尼品第二十六(3)爾の時、羅刹女等有り、一を藍婆と名づけ、二を毘藍婆と名づけ、三を曲歯と名づけ、四を華歯と名づけ、五を黒歯と名づけ、六を多髪と名づけ、七を無厭足と名づけ、八を持瓔珞と名づけ、九を睾帝と名づけ、十を奪一切衆生精気と名づく。是の十羅刹女、鬼子母、並びに其の子、及び眷属と、倶に仏の所に詣り、同声に仏に白して言さく。「世尊、我等も亦、法華経を読誦し受持する者を擁護して、其の衰患を除かんと欲す。若し法師の短を伺い求むる者有らば、便を得ざらしめん。」即ち仏前に於いて、呪を説いて曰く、 伊提履 伊提泯 伊提履 阿提履 伊提履 泥履 泥履 泥履 泥履 泥履 樓醯 樓醯 樓醯 樓醯 多醯 多醯 多醯 兜醯 □醯 「寧ろ我が頭上に上るとも、法師を悩ますこと莫れ。若しは夜叉、若しは羅刹、若しは餓鬼、若しは富単那、若しは吉遮、若しは毘陀羅、若しは犍駄、若しは烏摩勒伽、若しは阿跋摩羅、若しは夜叉吉遮、若しは人吉遮、若しは熱病、若しは一日、若しは二日、若しは三日、若しは四日、乃至七日、若しは常の熱病、若しは男形、若しは女形、若しは童男形、若しは童女形、乃至夢の中にても、亦復悩ますこと莫れ。」即ち仏前に於いて、偈を説いて言わく、 若し我が呪に順わず、説法者を悩乱せば、頭破れて七分と作ること、阿梨樹の枝の如くならん。父母を殺す罪の如く、亦油を圧す殃の如く、斗秤をもって人を欺誑し、調達が僧を破せし罪の如くならん。 此の法師を犯す者は、当に是の如き殃を獲べし。
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法華経・普賢菩薩勸發品第二十八(3)阿檀地,檀陀婆地,檀陀婆帝,檀陀鳩舍隸,檀陀修陀隸,修陀隸,修陀羅婆底,佛馱波羶禰,薩婆陀羅尼阿婆多尼,薩婆婆沙阿婆多尼,修阿婆多尼,僧伽婆履叉尼,僧伽涅伽陀尼,阿僧祇,僧伽波伽地,帝隸阿惰僧伽兜略,阿羅帝婆羅帝,薩婆僧伽三摩地伽蘭地,薩婆達磨修波利剎帝,薩婆薩埵樓馱憍舍略阿冕伽地,辛阿毗吉利地帝。 「世尊、若し菩薩有りて、是の陀羅尼を聞くことを得ば、当に知るべし、普賢の神通の力なり。若し法華経、閻浮提に行ぜられ、受持する者有らば、応に此の念を作すべし。『皆是れ普賢の威神の力なり』と。若し受持し読誦し、正憶念し、其の義趣を解し、説の如く修行せば、当に知るべし、是の人は普賢の行を行ずるなり。無量無辺の諸仏の所に於いて、深く善根を種え、諸の如来に、手をもって其の頭を摩でらる。若し但書写せば、是の人命終して、当に忉利天上に生まるべし。是の時、八万四千の天女、衆の伎楽を作して来たり迎う。其の人即ち七宝の冠を著け、婇女の中に於いて、娯楽快楽せん。何に況んや受持し、読誦し、正憶念し、其の義趣を解し、説の如く修行せんをや。若し人有りて受持し、読誦し、其の義趣を解せば、是の人命終して、千仏に手を授けられ、恐怖せず、悪趣に堕ちざらしめられ、即ち兜率天上の弥勒菩薩の所に往かん。弥勒菩薩は、三十二相の大菩薩衆の共に囲繞する所にして、百千万億の天女眷属有り、而も中に於いて生ぜん。是の如き等の功徳利益有り。是の故に智者は、応当に一心に自ら書き、若しは人をして書かしめ、受持し、読誦し、正憶念し、説の如く修行すべし。」 「世尊、我今神通力を以ての故に、是の経を守護し、如来の滅後に、閻浮提の内に、広く流布せしめて、断絶せざらしめん。」
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法華経・陀羅尼品第二十六(4)諸の羅刹女、此の偈を説き已りて、仏に白して言さく。「世尊、我等も亦、当に身自ら是の経を受持し、読誦し、修行する者を擁護して、安隠なることを得しめ、諸の衰患を離れ、衆の毒薬を消さしむべし。」仏、諸の羅刹女に告げたまわく。「善いかな、善いかな。汝等、但能く法華の名を受持する者を擁護するだに、福量るべからず。何に況んや具足して受持し、経巻を供養すること、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、幡蓋、伎楽、種種の灯を燃やし、酥灯、油灯、諸の香油灯、蘇摩那華油灯、瞻卜華油灯、婆師迦華油灯、優鉢羅華油灯、是の如き等の百千種の供養をする者をや。睾帝よ、汝等及び眷属、応当に是の如き法師を擁護すべし。」是の陀羅尼品を説きたまいし時、六万八千人、無生法忍を得たり。
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(9)「宿王華よ、汝、当に神通の力を以て、この経を守護すべし。所以は何ん。この経は則ち閻浮提の人の、病の良薬と為せばなり。もし人に病有らんに、この経を聞くことを得ば、病は即ち消滅し、不老不死ならん。宿王華よ、汝もし受持するこの経有る者を見ば、応に青蓮華を以て、末香を盛り満たして、その上に供散し、散じ已りて、この念を作すべし。『この人は久しからずして、必ず当に草を取りて道場に坐し、諸の魔軍を破り、当に法螺を吹き、大法鼓を撃ち、一切衆生を、老病死の海より度脱すべし。』と。この故に仏道を求むる者、この経典を受持する人有るを見ば、応当にかくの如く恭敬の心を生ずべし。」 薬王菩薩本事品を説きたもう時、八万四千の菩薩、一切衆生語言陀羅尼を解することを得たり。多宝如来、宝塔の中において、宿王華菩薩を讃めて言わく、「善きかな、善きかな、宿王華よ、汝は不可思議の功徳を成就し、乃ち能く釈迦牟尼仏に、かくの如き事を問い、無量の一切衆生を利益せり。」
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法華経・普賢菩薩勸發品第二十八(2)爾の時、普賢菩薩、仏に白して言さく。「世尊、後の五百歳、濁悪世の中に於いて、其れ是の経典を受持する者有らば、我当に守護し、其の衰患を除き、安隠なることを得しめ、伺い求めて其の便を得る者無からしめん。若しは魔、若しは魔子、若しは魔女、若しは魔民、若しは魔に著せらるる者、若しは夜叉、若しは羅刹、若しは鳩槃荼、若しは毘舎闍、若しは吉遮、若しは富単那、若しは韋陀羅等の、諸の人を悩ます者、皆便を得ざらしめん。是の人、若しは行き、若しは立ちて、此の経を読誦せば、我爾の時に六牙の白象王に乗り、大菩薩衆と倶に、其の所に詣りて、自ら身を現じ、供養し守護して、其の心を安慰せん。亦法華経を供養せんが為の故なり。是の人、若しは坐して、此の経を思惟せば、爾の時、我復白象王に乗りて、其の人の前に現ぜん。其の人、若し法華経に於いて、一句一偈を忘失すること有らば、我当に之に教え、与に共に読誦して、還って通利せしめん。爾の時、法華経を受持し読誦する者、我が身を見ることを得て、甚だ大いに歓喜し、転た復精進せん。我を見るを以ての故に、即ち三昧、及び陀羅尼を得ん。名づけて旋陀羅尼、百千万億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼と為す。是の如き等の陀羅尼を得ん。」 「世尊、若し後世の後の五百歳、濁悪世の中に、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷の、求索する者、受持する者、読誦する者、書写する者、是の法華経を修習せんと欲せば、三七日の中に於いて、応当に一心に精進すべし。三七日満ち已らば、我当に六牙の白象に乗り、無量の菩薩と、而も自ら囲繞せられ、一切衆生の見んことを喜ぶ所の身を以て、其の人の前に現じて、而も為に法を説き、示教利喜せん。亦復与に陀羅尼呪を与えん。是の陀羅尼を得るが故に、非人の能く破壊する者有ること無く、亦女人の惑乱する所と為らじ。我が身も亦自ら常に是の人を護らん。惟願わくは世尊、我が此の陀羅尼呪を説くを聴したまえ。」 即ち仏前に於いて、呪を説いて曰く、