法華経 / 妙莊嚴王本事品第二十七(5)
「爾時雲雷音宿王華智佛告妙莊嚴王言:『如是、如是,如汝所言,若善男子、善女人,種善根故,世世得善知識,其善知識、能作佛事,示教利喜,令入阿耨多羅三藐三菩提,大王,當知善知識者、是大因緣,所謂化導令得見佛,發阿耨多羅三藐三菩提心。大王,汝見此二子否。此二子、已曾供養六十五百千萬億那由他恒河沙諸佛,親近恭敬,於諸佛所、受持法華經,愍念邪見眾生,令住正見。』妙莊嚴王即從虛空中下,而白佛言:『世尊,如來甚稀有,以功德智慧故,頂上肉髻、光明顯照,其眼長廣、而紺青色,眉間毫相、白如珂月,齒白齊密,常有光明,唇色赤好、如頻婆果。』爾時妙莊嚴王、讚歎佛如是等無量百千萬億功德已,於如來前,一心合掌,復白佛言:『世尊,未曾有也,如來之法,具足成就不可思議微妙功德,教誡所行,安隱快善,我從今日,不復自隨心行,不生邪見、憍慢瞋恚諸惡之心。』說是語已,禮佛而出。」
新字:「爾時雲雷音宿王華智仏告妙荘厳王言:『如是、如是,如汝所言,若善男子、善女人,種善根故,世世得善知識,其善知識、能作仏事,示教利喜,令入阿耨多羅三藐三菩提,大王,当知善知識者、是大因縁,所謂化導令得見仏,発阿耨多羅三藐三菩提心。大王,汝見此二子否。此二子、已曽供養六十五百千万億那由他恒河沙諸仏,親近恭敬,於諸仏所、受持法華経,愍念邪見衆生,令住正見。』妙荘厳王即従虚空中下,而白仏言:『世尊,如来甚稀有,以功徳智慧故,頂上肉髻、光明顕照,其眼長広、而紺青色,眉間毫相、白如珂月,歯白斉密,常有光明,唇色赤好、如頻婆果。』爾時妙荘厳王、讃嘆仏如是等無量百千万億功徳已,於如来前,一心合掌,復白仏言:『世尊,未曽有也,如来之法,具足成就不可思議微妙功徳,教誡所行,安隠快善,我従今日,不復自随心行,不生邪見、憍慢瞋恚諸悪之心。』説是語已,礼仏而出。」
書き下し
「爾の時、雲雷音宿王華智仏、妙荘厳王に告げて言わく。『是の如し、是の如し。汝が言う所の如し。若し善男子、善女人、善根を種えるが故に、世世に善知識を得ん。其の善知識は、能く仏事を作し、示教利喜して、阿耨多羅三藐三菩提に入らしむ。大王よ、当に知るべし、善知識とは是れ大因縁なり。所謂化導して仏を見ることを得しめ、阿耨多羅三藐三菩提心を発さしむ。大王よ、汝、此の二子を見るや否や。此の二子は、已に曾て六十五百千万億那由他恒河沙の諸仏を供養し、親近し恭敬し、諸仏の所に於いて、法華経を受持し、邪見の衆生を愍念して、正見に住せしめたり。』妙荘厳王、即ち虚空の中より下りて、仏に白して言さく。『世尊よ、如来は甚だ希有なり。功徳智慧を以ての故に、頂上の肉髻、光明顕照し、其の眼は長広にして紺青色、眉間の毫相は白きこと珂月の如く、歯は白く斉密にして、常に光明有り、唇の色は赤く好きこと頻婆果の如し。』爾の時、妙荘厳王、仏を讃歎すること是の如き等の無量百千万億の功徳なり已りて、如来の前に於いて、一心に合掌し、復仏に白して言さく。『世尊よ、未曾有なり。如来の法は、不可思議の微妙の功徳を具足し成就し、教誡して行ずる所は、安隠快善なり。我今日より、復自ら心に随って行ぜず、邪見、憍慢、瞋恚の諸の悪心を生ぜじ。』是の語を説き已りて、仏を礼して出ず。」
現代語訳
そのとき雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王に告げられました。そのとおりです、そのとおりです。あなたの言うとおりです。もし善男子・善女人が善根を植えれば、世々に善知識を得る。その善知識は仏事をなし、示し、教え、利益を与え、喜ばせて、阿耨多羅三藐三菩提に入らせる。大王よ、善知識とは大きな因縁であると知りなさい。それは導いて仏に会わせ、阿耨多羅三藐三菩提の心を起こさせるものである。大王よ、あなたはこの二人の子を見るか。この二人は、すでに六十五百千万億那由他のガンジス河の砂の数ほどの諸仏を供養し、親しみ敬い、諸仏のもとで法華経を受け持ち、誤った見方をもつ人々をあわれんで、正しい見方に導いた者たちである。妙荘厳王はすぐに虚空から降り、仏に申し上げました。世尊よ、如来はまことに稀有です。功徳と智慧によって、頭頂の肉髻は光り輝き、眼は長く広く紺青色で、眉間の白い毫相は珂(白い貝)や月のように白く、歯は白くそろい、つねに光を放ち、唇は頻婆果のように赤く美しいのです。そのとき妙荘厳王は、このような無量百千万億の功徳を仏にたたえ終えて、如来の前で一心に合掌し、また申し上げました。世尊よ、いまだかつてないことです。如来の教えは、思いはかれない微妙な功徳を備え、教え戒めて行わせるところは、安らかで快く善いものです。私は今日から、もう自分の心のままには行わず、誤った見方や驕り、怒りなどの悪い心を起こしません。こう言い終えて、仏を礼拝して退出しました。
解説

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関連する章句
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(4)「爾の時、彼の仏、王の為に法を説き、示教利喜したまう。王大いに歓悦す。爾の時、妙荘厳王、及び其の夫人、頸の真珠の瓔珞の、価値百千なるを解きて、以て仏の上に散ず。虚空の中に於いて、化して四柱の宝台と成り、台の中に大宝床有り、百千万の天衣を敷き、其の上に仏有して、結跏趺坐し、大光明を放ちたまう。爾の時、妙荘厳王、是の念を作さく。『仏身は希有なり、端厳殊特にして、第一微妙の色を成就したまえり。』時に雲雷音宿王華智仏、四衆に告げて言わく。『汝等、是の妙荘厳王の、我が前に於いて合掌して立てるを見るや否や。此の王、我が法の中に於いて、比丘と作り、精勤して助仏道の法を修習し、当に作仏することを得て、号を娑羅樹王と曰い、国を大光と名づけ、劫を大高王と名づくべし。其の娑羅樹王仏には、無量の菩薩衆、及び無量の声聞有り、其の国は平正にして、功徳是の如し。』其の王、即時に国を以て弟に付し、夫人、二子、並びに諸の眷属と、仏法の中に於いて出家して道を修す。王、出家し已りて、八万四千歳に於いて、常に勤め精進して、妙法華経を修行し、是れを過ぎて已後に、一切浄功徳荘厳三昧を得たり。即ち虚空に升ること、高さ七多羅樹、而も仏に白して言さく。『世尊よ、此の我が二子は、已に仏事を作し、神通変化を以て、我が邪心を転じ、仏法の中に安住することを得せしめ、世尊を見ることを得たり。此の二子は、是れ我が善知識なり。宿世の善根を発起して、我を饒益せんと欲するが為に、来たりて我が家に生まれたり。』」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(1)爾の時、仏、諸の大衆に告げたまわく。「乃往古世、無量無辺不可思議阿僧祇劫を過ぎて、仏有りき。名を雲雷音宿王華智、多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀と曰い、国を光明荘厳と名づけ、劫を喜見と名づく。」 「彼の仏の法の中に王有り、名を妙荘厳と曰う。其の王の夫人、名を浄徳と曰い、二子有り、一を浄蔵と名づけ、二を浄眼と名づく。是の二子、大神力、福徳智慧有りて、久しく菩薩の行ずる所の道を修す。所謂檀波羅蜜、尸羅波羅蜜、羼提波羅蜜、毘梨耶波羅蜜、禅波羅蜜、般若波羅蜜、方便波羅蜜、慈悲喜捨、乃至三十七品の助道法、皆悉く明了通達せり。又菩薩の浄三昧、日星宿三昧、浄光三昧、浄色三昧、浄照明三昧、長荘厳三昧、大威徳蔵三昧を得、此の三昧に於いても、亦悉く通達せり。」 「爾の時、彼の仏、妙荘厳王を引導せんと欲し、及び衆生を愍念するが故に、是の法華経を説きたまう。時に浄蔵、浄眼の二子、其の母の所に到り、十指の爪掌を合わせて白して言さく。『願わくは母よ、雲雷音宿王華智仏の所に往詣したまえ。我等も亦当に侍従し、親近し供養し礼拝すべし。所以は何ん。此の仏、一切の天人衆の中に於いて、法華経を説きたまう。宜しく応に聴受すべし。』母、子に告げて言わく。『汝が父は外道を信受し、深く婆羅門の法に著せり。汝等応に往きて父に白し、与に共に倶に去るべし。』浄蔵、浄眼、十指の爪掌を合わせて母に白さく。『我等は是れ法王の子なるに、而も此の邪見の家に生まれたり。』母、子に告げて言わく。『汝等当に汝が父を憂念して、為に神変を現ずべし。若し見ることを得ば、心必ず清浄ならん。或いは我等が、仏の所に往至することを聴さん。』」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(2)「是に於いて二子、其の父を念うが故に、湧きて虚空に在ること、高さ七多羅樹、種種の神変を現じ、虚空の中に於いて、行住坐臥し、身の上より水を出だし、身の下より火を出だし、身の下より水を出だし、身の上より火を出だし、或いは大身を現じて虚空の中に満ち、而も復小を現じ、小は復大を現じ、空中に於いて滅し、忽然として地に在り、地に入ること水の如く、水を履むこと地の如し。是の如き等の種種の神変を現じて、其の父王をして、心浄く信解せしむ。時に父、子の神力の是の如くなるを見て、心大いに歓喜し、未曾有なることを得て、合掌して子に向かって言わく。『汝等の師は是れ誰とか為す、誰が弟子ぞ。』二子白して言さく。『大王よ、彼の雲雷音宿王華智仏、今七宝の菩提樹の下、法座の上に在して坐し、一切世間の天人衆の中に於いて、広く法華経を説きたまう。是れ我等が師なり、我は是れ弟子なり。』父、子に語って言わく。『我今亦、汝等が師を見んと欲す、共に倶に往くべし。』是に於いて二子、空中より下り、其の母の所に到り、合掌して母に白さく。『父王今已に信解し、阿耨多羅三藐三菩提心を発すに堪任せり。我等、父の為に已に仏事を作せり。願わくは母よ、見聴したまえ、彼の仏の所に於いて出家して道を修せん。』」 爾の時、二子、重ねて其の意を宣べんと欲して、偈を以て母に白さく、 願わくは母よ、我等を放して、出家して沙門と作らしめたまえ。諸仏には甚だ値い難し、我等は仏に随って学ばん。優曇鉢華の如く、仏に値うことは復難し、諸難を脱るること亦難し、願わくは我が出家を聴したまえ。 「母、即ち告げて言わく。『汝が出家を聴す。所以は何ん。仏には値い難きが故なり。』是に於いて二子、父母に白して言さく。『善いかな、父母よ。願わくは時に往いて雲雷音宿王華智仏の所に詣り、親近し供養したまえ。所以は何ん。仏には値うことを得難きこと、優曇鉢羅華の如く、又一眼の亀の、浮木の孔に値うが如し。而も我等は宿福深厚にして、生まれて仏法に値えり。是の故に父母よ、当に我等を聴して、出家することを得せしめたまえ。所以は何ん。諸仏には値い難く、時にも亦遇い難ければなり。』」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(6)仏、大衆に告げたまわく。「意に於いて云何。妙荘厳王、豈に異人ならんや。今の華徳菩薩是れなり。其の浄徳夫人は、今の仏前の光照荘厳相菩薩是れなり。妙荘厳王、及び諸の眷属を哀愍するが故に、彼の中に於いて生ず。其の二子とは、今の薬王菩薩、薬上菩薩是れなり。是の薬王薬上菩薩は、此の如き諸の大功徳を成就し、已に無量百千万億の諸仏の所に於いて、衆の徳本を植え、不可思議の諸の善功徳を成就せり。若し人有りて、是の二菩薩の名字を識らば、一切世間の諸の天人民も、亦応に礼拝すべし。」仏、是の妙荘厳王本事品を説きたまいし時、八万四千の人、塵を遠ざけ垢を離れ、諸法の中に於いて、法眼浄を得たり。
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(3)「彼の時、妙荘厳王の後宮の八万四千人、皆悉く是の法華経を受持するに堪任せり。浄眼菩薩は、法華三昧に於いて久しく已に通達し、浄蔵菩薩は、已に無量百千万億劫に於いて、諸の悪趣を離るる三昧に通達せり。一切衆生をして諸の悪趣を離れしめんと欲するが故なり。其の王の夫人は、諸仏集三昧を得て、能く諸仏の秘密の蔵を知れり。二子は是の如く方便力を以て、善く其の父を化し、心をして信解し、仏法を好楽せしむ。是に於いて妙荘厳王、群臣眷属と倶に、浄徳夫人、後宮の婇女眷属と倶に、其の王の二子、四万二千人と倶に、一時に共に仏の所に詣り、到り已りて、頭面に足を礼し、仏を繞ること三匝して、却いて一面に住す。」
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法華経・妙音菩薩品第二十四(1)その時、釈迦牟尼仏、大人相の肉髻の光明、及び眉間の白毫相の光を放ちて、遍く東方百八万億那由他恒河沙等の諸仏世界を照らしたまえり。この数を過ぎ已りて、世界有り、名を浄光荘厳という。その国に仏有り、浄華宿王智如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号したてまつる。無量無辺の菩薩大衆に恭敬囲繞せられて、為に法を説きたもう。釈迦牟尼仏の白毫の光明は、遍くその国を照らせり。 その時、一切浄光荘厳国の中に、一りの菩薩有り、名づけて妙音と曰う。久しく已に衆の徳本を植え、無量百千万億の諸仏を供養し親近して、悉く甚深の智慧を成就せり。妙幢相三昧・法華三昧・浄徳三昧・宿王戯三昧・無縁三昧・智印三昧・解一切衆生語言三昧・集一切功徳三昧・清浄三昧・神通遊戯三昧・慧炬三昧・荘厳王三昧・浄光明三昧・浄蔵三昧・不共三昧・日旋三昧を得、かくの如き等の百千万億恒河沙等の諸の大三昧を得たり。釈迦牟尼仏の光、その身を照らし、即ち浄華宿王智仏に白して言さく、「世尊よ、我、当に娑婆世界に往詣して、釈迦牟尼仏を礼拝し、親近し、供養し、及び文殊師利法王子菩薩・薬王菩薩・勇施菩薩・宿王華菩薩・上行意菩薩・荘厳王菩薩・薬上菩薩を見たてまつるべし。」