法華経 / 妙莊嚴王本事品第二十七(4)
「爾時彼佛為王說法,示教利喜。王大歡悅。爾時妙莊嚴王、及其夫人、解頸真珠瓔珞、價值百千,以散佛上,於虛空中、化成四柱寶台,台中有大寶床,敷百千萬天衣,其上有佛、結跏趺坐,放大光明。爾時妙莊嚴王作是念:『佛身稀有、端嚴殊特,成就第一微妙之色。』時雲雷音宿王華智佛告四眾言:『汝等見是妙莊嚴王、於我前合掌立否。此王、於我法中、作比丘、精勤修習,助佛道法,當得作佛,號娑羅樹王,國名大光,劫名大高王。其娑羅樹王佛,有無量菩薩眾、及無量聲聞,其國平正,功德如是。』其王即時以國付弟,與夫人、二子、並諸眷屬,於佛法中、出家修道。王出家已,於八萬四千歲,常勤精進、修行妙法華經,過是已後,得一切淨功德莊嚴三昧。即升虛空,高七多羅樹,而白佛言:『世尊,此我二子、已作佛事,以神通變化、轉我邪心,令得安住於佛法中,得見世尊。此二子者,是我善知識,為欲發起宿世善根,饒益我故,來生我家。』」
新字:「爾時彼仏為王説法,示教利喜。王大歓悦。爾時妙荘厳王、及其夫人、解頸真珠瓔珞、価値百千,以散仏上,於虚空中、化成四柱宝台,台中有大宝床,敷百千万天衣,其上有仏、結跏趺坐,放大光明。爾時妙荘厳王作是念:『仏身稀有、端厳殊特,成就第一微妙之色。』時雲雷音宿王華智仏告四衆言:『汝等見是妙荘厳王、於我前合掌立否。此王、於我法中、作比丘、精勤修習,助仏道法,当得作仏,号娑羅樹王,国名大光,劫名大高王。其娑羅樹王仏,有無量菩薩衆、及無量声聞,其国平正,功徳如是。』其王即時以国付弟,与夫人、二子、並諸眷属,於仏法中、出家修道。王出家已,於八万四千歳,常勤精進、修行妙法華経,過是已後,得一切浄功徳荘厳三昧。即升虚空,高七多羅樹,而白仏言:『世尊,此我二子、已作仏事,以神通変化、転我邪心,令得安住於仏法中,得見世尊。此二子者,是我善知識,為欲発起宿世善根,饒益我故,来生我家。』」
書き下し
「爾の時、彼の仏、王の為に法を説き、示教利喜したまう。王大いに歓悦す。爾の時、妙荘厳王、及び其の夫人、頸の真珠の瓔珞の、価値百千なるを解きて、以て仏の上に散ず。虚空の中に於いて、化して四柱の宝台と成り、台の中に大宝床有り、百千万の天衣を敷き、其の上に仏有して、結跏趺坐し、大光明を放ちたまう。爾の時、妙荘厳王、是の念を作さく。『仏身は希有なり、端厳殊特にして、第一微妙の色を成就したまえり。』時に雲雷音宿王華智仏、四衆に告げて言わく。『汝等、是の妙荘厳王の、我が前に於いて合掌して立てるを見るや否や。此の王、我が法の中に於いて、比丘と作り、精勤して助仏道の法を修習し、当に作仏することを得て、号を娑羅樹王と曰い、国を大光と名づけ、劫を大高王と名づくべし。其の娑羅樹王仏には、無量の菩薩衆、及び無量の声聞有り、其の国は平正にして、功徳是の如し。』其の王、即時に国を以て弟に付し、夫人、二子、並びに諸の眷属と、仏法の中に於いて出家して道を修す。王、出家し已りて、八万四千歳に於いて、常に勤め精進して、妙法華経を修行し、是れを過ぎて已後に、一切浄功徳荘厳三昧を得たり。即ち虚空に升ること、高さ七多羅樹、而も仏に白して言さく。『世尊よ、此の我が二子は、已に仏事を作し、神通変化を以て、我が邪心を転じ、仏法の中に安住することを得せしめ、世尊を見ることを得たり。此の二子は、是れ我が善知識なり。宿世の善根を発起して、我を饒益せんと欲するが為に、来たりて我が家に生まれたり。』」
現代語訳
そのとき、かの仏は王のために法を説き、示し、教え、利益を与え、喜ばせられました。王は大いに喜びました。妙荘厳王と夫人は、首にかけた百千の価値のある真珠の首飾りをはずして、仏の上に散らしました。すると虚空の中で、それが四本の柱をもつ宝の台に変わり、台の中に大きな宝の寝台があり、百千万の天衣が敷かれ、その上に仏が結跏趺坐して大きな光明を放っておられました。そのとき妙荘厳王は思いました。仏の身は稀有で、端正で際立って、第一の微妙な色を成就しておられる、と。雲雷音宿王華智仏は四衆に告げられました。あなたたちは、この妙荘厳王が私の前で合掌して立っているのを見るか。この王は私の法の中で比丘となり、精励して仏道を助ける法を修め、必ず仏となって、娑羅樹王という名になるであろう。国は大光、時代は大高王と名づけられる。その娑羅樹王仏には、無量の菩薩と無量の声聞がおり、その国は平らかで正しく、功徳はこのようである。王はすぐに国を弟に託し、夫人、二人の子、すべての眷属とともに、仏法の中で出家して道を修めました。王は出家してから八万四千年のあいだ、つねに励んで妙法華経を修行し、その後、一切浄功徳荘厳三昧を得ました。そして虚空に高さ七多羅樹ほど昇り、仏に申し上げました。世尊よ、この二人の私の子は、すでに仏事を成し遂げ、神通変化で私の邪な心を転じ、仏法の中に安住させ、世尊にお会いさせてくれました。この二人は私の善知識です。前世の善根を呼び起こし、私に利益を与えようとして、私の家に生まれてきたのです。
解説

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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(1)爾の時、仏、諸の大衆に告げたまわく。「乃往古世、無量無辺不可思議阿僧祇劫を過ぎて、仏有りき。名を雲雷音宿王華智、多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀と曰い、国を光明荘厳と名づけ、劫を喜見と名づく。」 「彼の仏の法の中に王有り、名を妙荘厳と曰う。其の王の夫人、名を浄徳と曰い、二子有り、一を浄蔵と名づけ、二を浄眼と名づく。是の二子、大神力、福徳智慧有りて、久しく菩薩の行ずる所の道を修す。所謂檀波羅蜜、尸羅波羅蜜、羼提波羅蜜、毘梨耶波羅蜜、禅波羅蜜、般若波羅蜜、方便波羅蜜、慈悲喜捨、乃至三十七品の助道法、皆悉く明了通達せり。又菩薩の浄三昧、日星宿三昧、浄光三昧、浄色三昧、浄照明三昧、長荘厳三昧、大威徳蔵三昧を得、此の三昧に於いても、亦悉く通達せり。」 「爾の時、彼の仏、妙荘厳王を引導せんと欲し、及び衆生を愍念するが故に、是の法華経を説きたまう。時に浄蔵、浄眼の二子、其の母の所に到り、十指の爪掌を合わせて白して言さく。『願わくは母よ、雲雷音宿王華智仏の所に往詣したまえ。我等も亦当に侍従し、親近し供養し礼拝すべし。所以は何ん。此の仏、一切の天人衆の中に於いて、法華経を説きたまう。宜しく応に聴受すべし。』母、子に告げて言わく。『汝が父は外道を信受し、深く婆羅門の法に著せり。汝等応に往きて父に白し、与に共に倶に去るべし。』浄蔵、浄眼、十指の爪掌を合わせて母に白さく。『我等は是れ法王の子なるに、而も此の邪見の家に生まれたり。』母、子に告げて言わく。『汝等当に汝が父を憂念して、為に神変を現ずべし。若し見ることを得ば、心必ず清浄ならん。或いは我等が、仏の所に往至することを聴さん。』」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(5)「爾の時、雲雷音宿王華智仏、妙荘厳王に告げて言わく。『是の如し、是の如し。汝が言う所の如し。若し善男子、善女人、善根を種えるが故に、世世に善知識を得ん。其の善知識は、能く仏事を作し、示教利喜して、阿耨多羅三藐三菩提に入らしむ。大王よ、当に知るべし、善知識とは是れ大因縁なり。所謂化導して仏を見ることを得しめ、阿耨多羅三藐三菩提心を発さしむ。大王よ、汝、此の二子を見るや否や。此の二子は、已に曾て六十五百千万億那由他恒河沙の諸仏を供養し、親近し恭敬し、諸仏の所に於いて、法華経を受持し、邪見の衆生を愍念して、正見に住せしめたり。』妙荘厳王、即ち虚空の中より下りて、仏に白して言さく。『世尊よ、如来は甚だ希有なり。功徳智慧を以ての故に、頂上の肉髻、光明顕照し、其の眼は長広にして紺青色、眉間の毫相は白きこと珂月の如く、歯は白く斉密にして、常に光明有り、唇の色は赤く好きこと頻婆果の如し。』爾の時、妙荘厳王、仏を讃歎すること是の如き等の無量百千万億の功徳なり已りて、如来の前に於いて、一心に合掌し、復仏に白して言さく。『世尊よ、未曾有なり。如来の法は、不可思議の微妙の功徳を具足し成就し、教誡して行ずる所は、安隠快善なり。我今日より、復自ら心に随って行ぜず、邪見、憍慢、瞋恚の諸の悪心を生ぜじ。』是の語を説き已りて、仏を礼して出ず。」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(2)「是に於いて二子、其の父を念うが故に、湧きて虚空に在ること、高さ七多羅樹、種種の神変を現じ、虚空の中に於いて、行住坐臥し、身の上より水を出だし、身の下より火を出だし、身の下より水を出だし、身の上より火を出だし、或いは大身を現じて虚空の中に満ち、而も復小を現じ、小は復大を現じ、空中に於いて滅し、忽然として地に在り、地に入ること水の如く、水を履むこと地の如し。是の如き等の種種の神変を現じて、其の父王をして、心浄く信解せしむ。時に父、子の神力の是の如くなるを見て、心大いに歓喜し、未曾有なることを得て、合掌して子に向かって言わく。『汝等の師は是れ誰とか為す、誰が弟子ぞ。』二子白して言さく。『大王よ、彼の雲雷音宿王華智仏、今七宝の菩提樹の下、法座の上に在して坐し、一切世間の天人衆の中に於いて、広く法華経を説きたまう。是れ我等が師なり、我は是れ弟子なり。』父、子に語って言わく。『我今亦、汝等が師を見んと欲す、共に倶に往くべし。』是に於いて二子、空中より下り、其の母の所に到り、合掌して母に白さく。『父王今已に信解し、阿耨多羅三藐三菩提心を発すに堪任せり。我等、父の為に已に仏事を作せり。願わくは母よ、見聴したまえ、彼の仏の所に於いて出家して道を修せん。』」 爾の時、二子、重ねて其の意を宣べんと欲して、偈を以て母に白さく、 願わくは母よ、我等を放して、出家して沙門と作らしめたまえ。諸仏には甚だ値い難し、我等は仏に随って学ばん。優曇鉢華の如く、仏に値うことは復難し、諸難を脱るること亦難し、願わくは我が出家を聴したまえ。 「母、即ち告げて言わく。『汝が出家を聴す。所以は何ん。仏には値い難きが故なり。』是に於いて二子、父母に白して言さく。『善いかな、父母よ。願わくは時に往いて雲雷音宿王華智仏の所に詣り、親近し供養したまえ。所以は何ん。仏には値うことを得難きこと、優曇鉢羅華の如く、又一眼の亀の、浮木の孔に値うが如し。而も我等は宿福深厚にして、生まれて仏法に値えり。是の故に父母よ、当に我等を聴して、出家することを得せしめたまえ。所以は何ん。諸仏には値い難く、時にも亦遇い難ければなり。』」
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(6)仏、大衆に告げたまわく。「意に於いて云何。妙荘厳王、豈に異人ならんや。今の華徳菩薩是れなり。其の浄徳夫人は、今の仏前の光照荘厳相菩薩是れなり。妙荘厳王、及び諸の眷属を哀愍するが故に、彼の中に於いて生ず。其の二子とは、今の薬王菩薩、薬上菩薩是れなり。是の薬王薬上菩薩は、此の如き諸の大功徳を成就し、已に無量百千万億の諸仏の所に於いて、衆の徳本を植え、不可思議の諸の善功徳を成就せり。若し人有りて、是の二菩薩の名字を識らば、一切世間の諸の天人民も、亦応に礼拝すべし。」仏、是の妙荘厳王本事品を説きたまいし時、八万四千の人、塵を遠ざけ垢を離れ、諸法の中に於いて、法眼浄を得たり。
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法華経・妙莊嚴王本事品第二十七(3)「彼の時、妙荘厳王の後宮の八万四千人、皆悉く是の法華経を受持するに堪任せり。浄眼菩薩は、法華三昧に於いて久しく已に通達し、浄蔵菩薩は、已に無量百千万億劫に於いて、諸の悪趣を離るる三昧に通達せり。一切衆生をして諸の悪趣を離れしめんと欲するが故なり。其の王の夫人は、諸仏集三昧を得て、能く諸仏の秘密の蔵を知れり。二子は是の如く方便力を以て、善く其の父を化し、心をして信解し、仏法を好楽せしむ。是に於いて妙荘厳王、群臣眷属と倶に、浄徳夫人、後宮の婇女眷属と倶に、其の王の二子、四万二千人と倶に、一時に共に仏の所に詣り、到り已りて、頭面に足を礼し、仏を繞ること三匝して、却いて一面に住す。」
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法華経・妙音菩薩品第二十四(1)その時、釈迦牟尼仏、大人相の肉髻の光明、及び眉間の白毫相の光を放ちて、遍く東方百八万億那由他恒河沙等の諸仏世界を照らしたまえり。この数を過ぎ已りて、世界有り、名を浄光荘厳という。その国に仏有り、浄華宿王智如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号したてまつる。無量無辺の菩薩大衆に恭敬囲繞せられて、為に法を説きたもう。釈迦牟尼仏の白毫の光明は、遍くその国を照らせり。 その時、一切浄光荘厳国の中に、一りの菩薩有り、名づけて妙音と曰う。久しく已に衆の徳本を植え、無量百千万億の諸仏を供養し親近して、悉く甚深の智慧を成就せり。妙幢相三昧・法華三昧・浄徳三昧・宿王戯三昧・無縁三昧・智印三昧・解一切衆生語言三昧・集一切功徳三昧・清浄三昧・神通遊戯三昧・慧炬三昧・荘厳王三昧・浄光明三昧・浄蔵三昧・不共三昧・日旋三昧を得、かくの如き等の百千万億恒河沙等の諸の大三昧を得たり。釈迦牟尼仏の光、その身を照らし、即ち浄華宿王智仏に白して言さく、「世尊よ、我、当に娑婆世界に往詣して、釈迦牟尼仏を礼拝し、親近し、供養し、及び文殊師利法王子菩薩・薬王菩薩・勇施菩薩・宿王華菩薩・上行意菩薩・荘厳王菩薩・薬上菩薩を見たてまつるべし。」