法華経 / 妙音菩薩品第二十四(5)
「華德,汝但見妙音菩薩、其身在此,而是菩薩、現種種身,處處為諸眾生說是經典,或現梵王身,或現帝釋身,或現自在天身,或現大自在天身,或現天大將軍身,或現毗沙門天王身,或現轉輪聖王身,或現諸小王身,或現長者身,或現居士身,或現宰官身,或現婆羅門身,或現比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷身,或現長者居士婦女身,或現宰官婦女身,或現婆羅門婦女身,或現童男童女身,或現天龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦樓羅、緊那羅、摩睺羅伽、人非人、等身,而說是經。諸有地獄、餓鬼、畜生、及眾難處,皆能救濟,乃至於王后宮,變為女身、而說是經。」 「華德,是妙音菩薩,能救護娑婆世界諸眾生者,是妙音菩薩如是種種變化現身,在此娑婆國土,為諸眾生說是經典,於神通、變化、智慧、無所損減。是菩薩,以若干智慧、明照娑婆世界,令一切眾生、各得所知,於十方恒河沙世界中,亦復如是,若應以聲聞形得度者,現聲聞形而為說法,應以辟支佛形得度者,現辟支佛形而為說法,應以菩薩形得度者,現菩薩形而為說法,應以佛形得度者,即現佛形而為說法,如是種種、隨所應度而為現形,乃至應以滅度而得度者,示現滅度,華德,妙音菩薩摩訶薩、成就大神通智慧之力,其事如是。」
新字:「華徳,汝但見妙音菩薩、其身在此,而是菩薩、現種種身,処処為諸衆生説是経典,或現梵王身,或現帝釈身,或現自在天身,或現大自在天身,或現天大将軍身,或現毗沙門天王身,或現転輪聖王身,或現諸小王身,或現長者身,或現居士身,或現宰官身,或現婆羅門身,或現比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷身,或現長者居士婦女身,或現宰官婦女身,或現婆羅門婦女身,或現童男童女身,或現天竜、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人非人、等身,而説是経。諸有地獄、餓鬼、畜生、及衆難処,皆能救済,乃至於王后宮,変為女身、而説是経。」 「華徳,是妙音菩薩,能救護娑婆世界諸衆生者,是妙音菩薩如是種種変化現身,在此娑婆国土,為諸衆生説是経典,於神通、変化、智慧、無所損減。是菩薩,以若干智慧、明照娑婆世界,令一切衆生、各得所知,於十方恒河沙世界中,亦復如是,若応以声聞形得度者,現声聞形而為説法,応以辟支仏形得度者,現辟支仏形而為説法,応以菩薩形得度者,現菩薩形而為説法,応以仏形得度者,即現仏形而為説法,如是種種、随所応度而為現形,乃至応以滅度而得度者,示現滅度,華徳,妙音菩薩摩訶薩、成就大神通智慧之力,其事如是。」
書き下し
「華徳よ、汝は但だ妙音菩薩の、その身はここに在るを見るのみ。而もこの菩薩は、種種の身を現じ、処処に諸の衆生のためにこの経典を説く。或いは梵王の身を現じ、或いは帝釈の身を現じ、或いは自在天の身を現じ、或いは大自在天の身を現じ、或いは天大将軍の身を現じ、或いは毘沙門天王の身を現じ、或いは転輪聖王の身を現じ、或いは諸の小王の身を現じ、或いは長者の身を現じ、或いは居士の身を現じ、或いは宰官の身を現じ、或いは婆羅門の身を現じ、或いは比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を現じ、或いは長者・居士の婦女の身を現じ、或いは宰官の婦女の身を現じ、或いは婆羅門の婦女の身を現じ、或いは童男童女の身を現じ、或いは天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人非人等の身を現じて、この経を説く。諸有の地獄・餓鬼・畜生、及び衆の難処をば、皆能く救済す。乃至、王の後宮においては、変じて女身と為りて、この経を説く。」 「華徳よ、この妙音菩薩は、能く娑婆世界の諸の衆生を救護する者なり。この妙音菩薩は、かくの如く種種に変化して身を現じ、この娑婆国土に在りて、諸の衆生のためにこの経典を説き、神通・変化・智慧において、損減する所無し。この菩薩は、若干の智慧を以て、娑婆世界を明らかに照らし、一切衆生をして、各知る所を得しむ。十方恒河沙の世界の中においても、亦復かくの如し。もし声聞の形を以て度すべき者には、声聞の形を現じて為に法を説き、辟支仏の形を以て度すべき者には、辟支仏の形を現じて為に法を説き、菩薩の形を以て度すべき者には、菩薩の形を現じて為に法を説き、仏の形を以て度すべき者には、即ち仏の形を現じて為に法を説く。かくの如く種種に、度すべき所に随いて為に形を現じ、乃至、滅度を以て度すべき者には、滅度を示現す。華徳よ、妙音菩薩摩訶薩は、大神通智慧の力を成就せり。その事かくの如し。」
現代語訳
「華徳よ、あなたはただ、妙音菩薩の身がここにあるのを見ているだけです。しかしこの菩薩は、さまざまな姿を現して、あちこちで衆生のためにこの経典を説いています。あるときは梵天王の姿、帝釈天の姿、自在天の姿、大自在天の姿、天の大将軍の姿、毘沙門天王の姿、転輪聖王の姿、小さな王の姿、長者の姿、居士の姿、役人の姿、バラモンの姿を現し、あるときは比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷の姿を現し、長者や居士の妻や娘の姿、役人の妻や娘の姿、バラモンの妻や娘の姿、男の子や女の子の姿を現し、天、竜、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人でも人でもないものの姿を現して、この経を説きます。地獄、餓鬼、畜生の世界や、さまざまな困難な所にいる者を、みな救います。さらに、王の後宮では女の姿に変じて、この経を説きます。」 「華徳よ、この妙音菩薩は、娑婆世界の衆生を救い守る方です。この妙音菩薩は、このようにさまざまに姿を変えて、この娑婆の国土で衆生のためにこの経典を説き、神通、変化、智慧のいずれも少しも損なわれません。この菩薩は、さまざまな智慧で娑婆世界を明るく照らし、すべての衆生にそれぞれ知るべきことを得させます。十方のガンジス河の砂の数ほどの世界でも同様です。声聞の姿で導くべき者には声聞の姿を現して法を説き、辟支仏の姿で導くべき者には辟支仏の姿を現して法を説き、菩薩の姿で導くべき者には菩薩の姿を現して法を説き、仏の姿で導くべき者にはただちに仏の姿を現して法を説きます。このようにさまざまに、導くべき相手に応じて姿を現し、さらに涅槃によって導くべき者には涅槃を示します。華徳よ、妙音菩薩は大いなる神通と智慧の力を成し遂げています。その働きはこのとおりです。」
解説

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法華経・觀世音菩薩普門品第二十五(3)仏、無尽意菩薩に告げたまわく。善男子よ。若し国土の衆生、仏身を以て得度すべき者には、観世音菩薩、即ち仏身を現じて為に法を説く。辟支仏身を以て得度すべき者には、即ち辟支仏身を現じて為に法を説く。声聞身を以て得度すべき者には、即ち声聞身を現じて為に法を説く。梵王身を以て得度すべき者には、即ち梵王身を現じて為に法を説く。帝釈身を以て得度すべき者には、即ち帝釈身を現じて為に法を説く。自在天身を以て得度すべき者には、即ち自在天身を現じて為に法を説く。大自在天身を以て得度すべき者には、即ち大自在天身を現じて為に法を説く。天大将軍身を以て得度すべき者には、即ち天大将軍身を現じて為に法を説く。毘沙門身を以て得度すべき者には、即ち毘沙門身を現じて為に法を説く。小王身を以て得度すべき者には、即ち小王身を現じて為に法を説く。長者身を以て得度すべき者には、即ち長者身を現じて為に法を説く。居士身を以て得度すべき者には、即ち居士身を現じて為に法を説く。宰官身を以て得度すべき者には、即ち宰官身を現じて為に法を説く。婆羅門身を以て得度すべき者には、即ち婆羅門身を現じて為に法を説く。比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷身を以て得度すべき者には、即ち比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷身を現じて為に法を説く。長者、居士、宰官、婆羅門の婦女身を以て得度すべき者には、即ち婦女身を現じて為に法を説く。童男、童女身を以て得度すべき者には、即ち童男、童女身を現じて為に法を説く。天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人、非人等の身を以て得度すべき者には、即ち皆之を現じて為に法を説く。執金剛神を以て得度すべき者には、即ち執金剛神を現じて為に法を説く。
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法華経・妙音菩薩品第二十四(6)その時、華徳菩薩、仏に白して言さく、「世尊よ、この妙音菩薩は、深く善根を種えたまえり。世尊よ、この菩薩は、何の三昧に住して、能くかくの如く在る所に変現して、衆生を度脱したもうや。」仏、華徳菩薩に告げたまわく、「善男子よ、其の三昧は、現一切色身と名づく。妙音菩薩はこの三昧の中に住して、能くかくの如く無量の衆生を饒益す。」この妙音菩薩品を説きたもう時、妙音菩薩と俱に来たれる八万四千の人、皆現一切色身三昧を得、この娑婆世界の無量の菩薩も、亦この三昧、及び陀羅尼を得たり。 その時、妙音菩薩摩訶薩、釈迦牟尼仏、及び多宝仏の塔を供養し已りて、本土に還帰す。経る所の諸国、六種に震動し、宝蓮華を雨らし、百千万億種種の伎楽を作す。既に本国に到りて、八万四千の菩薩と、囲繞して浄華宿王智仏の所に至り、仏に白して言さく、「世尊よ、我、娑婆世界に到りて衆生を饒益し、釈迦牟尼仏、及び多宝仏の塔を見たてまつりて、礼拝し供養し、又、文殊師利法王子菩薩、及び薬王菩薩・得勤精進力菩薩・勇施菩薩等を見たてまつり、亦この八万四千の菩薩をして、現一切色身三昧を得しめたり。」この妙音来往品を説きたもう時、四万二千の天子は無生法忍を得、華徳菩薩は法華三昧を得たり。
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法華経・妙音菩薩品第二十四(2)その時、浄華宿王智仏、妙音菩薩に告げたまわく、「汝、かの国を軽んずること莫れ、下劣の想いを生ずること莫れ。善男子よ、かの娑婆世界は、高下平らかならず、土石の諸山、穢悪充満し、仏身は卑小にして、諸の菩薩衆も、その形亦小なり。而るに汝が身は四万二千由旬、我が身は六百八十万由旬、汝が身は第一に端正にして、百千万の福あり、光明殊妙なり。この故に汝往かば、かの国を、もしは仏・菩薩、及び国土を軽んじて、下劣の想いを生ずること莫れ。」妙音菩薩、その仏に白して言さく、「世尊よ、我、今、娑婆世界に詣るは、皆これ如来の力、如来の神通遊戯、如来の功徳智慧の荘厳なり。」ここにおいて妙音菩薩、座を起たずして、身を動揺せず、而も三昧に入り、三昧の力を以て、耆闍崛山において、法座を去ること遠からず、八万四千の衆宝の蓮華を化作す。閻浮檀金を茎と為し、白銀を葉と為し、金剛を須と為し、甄叔迦宝を以てその台と為す。 その時、文殊師利法王子、この蓮華を見て、仏に白して言さく、「世尊よ、これ何の因縁にて、先ずこの瑞を現ずるや。若干千万の蓮華有り、閻浮檀金を茎と為し、白銀を葉と為し、金剛を須と為し、甄叔迦宝を以てその台と為す。」その時、釈迦牟尼仏、文殊師利に告げたまわく、「これ妙音菩薩摩訶薩、浄華宿王智仏の国より、八万四千の菩薩と、囲繞して来たりて、この娑婆世界に至り、供養し、親近し、礼拝し、我に於いてす。亦法華経を聴くことを供養せんと欲するなり。」
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法華経・妙音菩薩品第二十四(1)その時、釈迦牟尼仏、大人相の肉髻の光明、及び眉間の白毫相の光を放ちて、遍く東方百八万億那由他恒河沙等の諸仏世界を照らしたまえり。この数を過ぎ已りて、世界有り、名を浄光荘厳という。その国に仏有り、浄華宿王智如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号したてまつる。無量無辺の菩薩大衆に恭敬囲繞せられて、為に法を説きたもう。釈迦牟尼仏の白毫の光明は、遍くその国を照らせり。 その時、一切浄光荘厳国の中に、一りの菩薩有り、名づけて妙音と曰う。久しく已に衆の徳本を植え、無量百千万億の諸仏を供養し親近して、悉く甚深の智慧を成就せり。妙幢相三昧・法華三昧・浄徳三昧・宿王戯三昧・無縁三昧・智印三昧・解一切衆生語言三昧・集一切功徳三昧・清浄三昧・神通遊戯三昧・慧炬三昧・荘厳王三昧・浄光明三昧・浄蔵三昧・不共三昧・日旋三昧を得、かくの如き等の百千万億恒河沙等の諸の大三昧を得たり。釈迦牟尼仏の光、その身を照らし、即ち浄華宿王智仏に白して言さく、「世尊よ、我、当に娑婆世界に往詣して、釈迦牟尼仏を礼拝し、親近し、供養し、及び文殊師利法王子菩薩・薬王菩薩・勇施菩薩・宿王華菩薩・上行意菩薩・荘厳王菩薩・薬上菩薩を見たてまつるべし。」
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維摩経・佛道品第八(4)世間の衆の道法、悉く中に於いて出家す。 因りて以て人の惑いを解き、而も邪見に墮ちず。 或いは日月天、梵王、世界の主と作り、 或る時は地水と作り、或いは復た風火と作る。 劫中に疾疫有れば、現じて諸の薬草と作る。 若し之を服する者有らば、病を除き衆毒を消す。 劫中に飢饉有れば、身を現じて飲食と作る。 先ず彼の飢渇を救い、却って法を以て人に語る。 劫中に刀兵有れば、之が為に慈心を起こし、 彼の諸の衆生を化して、無諍の地に住せしむ。 若し大戦陣有らば、之に立つに等力を以てす。 菩薩威勢を現じ、降伏して和安ならしむ。 一切の国土の中の、諸有る地獄の処に、 輒ち往きて彼に到り、其の苦悩を勉済す。 一切の国土の中に、畜生の相食噉するには、 皆現じて彼に生まれ、之が為に利益を作す。 五欲を受くるを示し、亦復た禅を行ずるを現ず。 魔の心をして憒乱せしめ、其の便を得ること能わざらしむ。 火中に蓮華を生ず、是れ希有と謂うべし。 欲に在りて禅を行ずること、希有なること亦た是くの如し。 或いは婬女と作りて、諸の好色の者を引く。 先ず欲の鉤を以て牽き、後に仏道に入らしむ。 或いは邑中の主と為り、或いは商人の導と作る。 国師及び大臣となり、以て衆生を祐利す。 諸有る貧窮の者には、現じて無尽蔵と作る。 因りて以て之を勧導し、菩提心を発さしむ。 我が心憍慢の者には、為に大力士と現じ、 諸の貢高を消伏して、無上道に住せしむ。 其れ恐懼の衆有れば、前に居りて慰安し、 先ず施すに無畏を以てし、後に道心を発さしむ。 或いは婬欲を離るるを現じ、五通の仙人と為り、 諸の群生を開導して、戒・忍・慈に住せしむ。 供事を須うる者を見ては、現じて僮僕と作る。 既に其の意を悦可して、乃ち発すに道心を以てす。 彼の須うる所に随いて、仏道に入ることを得しむ。 善き方便の力を以て、皆能く之を給足す。 是くの如く道は無量にして、行ずる所に涯有ること無し。 智慧は辺際無く、無数の衆を度脱す。 仮令い一切の仏、無量億劫に於いて、 其の功徳を讃歎するも、猶お尚お尽くすこと能わず。 誰か是くの如き法を聞きて、菩提心を発さざらん。 彼の不肖の人、癡冥にして智無き者を除く。
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法華経・妙音菩薩品第二十四(4)到り已りて七宝の台より下り、価値百千の瓔珞を以て、持ちて釈迦牟尼仏の所に至り、頭面に足を礼し、瓔珞を奉上して、仏に白して言さく、「世尊よ、浄華宿王智仏、世尊を問訊したもう。少病・少悩にして、起居軽利、安楽に行じたもうや。四大調和なりや。世事は忍ぶべきや。衆生は度し易きや。貪欲・瞋恚・愚癡・嫉妬・慳慢多きこと無きや。父母に孝ならず、沙門を敬わず、邪見、不善の心、五情を摂せざること無きや。世尊よ、衆生は能く諸の魔怨を降伏せりや。久しく滅度せる多宝如来は、七宝の塔の中に在して、来たりて法を聴きたもうや。又、多宝如来を問訊したもう。安穏・少悩にして、堪忍して久しく住したもうや。世尊よ、我、今、多宝仏の身を見たてまつらんと欲す。惟願わくは世尊、我に示して見せしめたまえ。」 その時、釈迦牟尼仏、多宝仏に語りたまわく、「この妙音菩薩、相い見ることを得んと欲す。」時に多宝仏、妙音に告げて言わく、「善きかな、善きかな、汝能く釈迦牟尼仏を供養し、及び法華経を聴き、並びに文殊師利等を見んが為の故に、来たりてここに至れり。」 その時、華徳菩薩、仏に白して言さく、「世尊よ、この妙音菩薩は、何の善根を種え、何の功徳を修めて、この神力有るや。」仏、華徳菩薩に告げたまわく、「過去に仏有り、雲雷音王多陀阿伽度・阿羅訶・三藐三仏陀と名づく。国を現一切世間と名づけ、劫を喜見と名づく。妙音菩薩は、万二千歳において、十万種の伎楽を以て雲雷音王仏を供養し、並びに八万四千の七宝の鉢を奉上せり。この因縁の果報を以て、今、浄華宿王智仏の国に生まれて、この神力有り。華徳よ、汝が意においていかん。その時の雲雷音王仏の所にて、伎楽をもって供養し、宝器を奉上せし妙音菩薩は、あに異人ならんや。今この妙音菩薩摩訶薩これなり。華徳よ、この妙音菩薩は、已に曾て無量の諸仏を供養し親近し、久しく徳本を植え、又、恒河沙等の百千万億那由他の仏に値えり。」