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法華経 / 安樂行品第十四(8)

「文殊師利,如來亦復如是,以禪定智慧力,得法國土,王於三界,而諸魔王不肯順伏。如來賢聖諸將,與之共戰,其有功者,心亦歡喜,於四眾中,為說諸經,令其心悅,賜以禪定、解脫、無漏根力、諸法之財,又復賜與涅槃之城,言得滅度,引導其心,令皆歡喜,而不為說是法華經。」 「文殊師利,如轉輪王、見諸兵眾有大功者,心甚歡喜,以此難信之珠,久在髻中,不妄與人,而今與之。如來亦復如是,於三界中,為大法王,以法教化一切眾生,見賢聖軍,與五陰魔、煩惱魔、死魔、共戰,有大功勳,滅三毒,出三界,破魔網,爾時如來亦大歡喜,此法華經,能令眾生至一切智,一切世間、多怨難信,先所未說,而今說之。」 「文殊師利,此法華經,是諸如來第一之說,於諸說中,最為甚深,末後賜與,如彼強力之王,久護明珠,今乃與之。文殊師利,此法華經,諸佛如來秘密之藏,於諸經中,最在其上,長夜守護,不妄宣說,始於今日,乃與汝等而敷演之。」 爾時世尊欲重宣此義,而說偈言:

新字:「文殊師利,如来亦復如是,以禅定智慧力,得法国土,王於三界,而諸魔王不肯順伏。如来賢聖諸将,与之共戦,其有功者,心亦歓喜,於四衆中,為説諸経,令其心悦,賜以禅定、解脱、無漏根力、諸法之財,又復賜与涅槃之城,言得滅度,引導其心,令皆歓喜,而不為説是法華経。」 「文殊師利,如転輪王、見諸兵衆有大功者,心甚歓喜,以此難信之珠,久在髻中,不妄与人,而今与之。如来亦復如是,於三界中,為大法王,以法教化一切衆生,見賢聖軍,与五陰魔、煩悩魔、死魔、共戦,有大功勲,滅三毒,出三界,破魔網,爾時如来亦大歓喜,此法華経,能令衆生至一切智,一切世間、多怨難信,先所未説,而今説之。」 「文殊師利,此法華経,是諸如来第一之説,於諸説中,最為甚深,末後賜与,如彼強力之王,久護明珠,今乃与之。文殊師利,此法華経,諸仏如来秘密之蔵,於諸経中,最在其上,長夜守護,不妄宣説,始於今日,乃与汝等而敷演之。」 爾時世尊欲重宣此義,而説偈言:

書き下し

「文殊師利、如来も亦復た是の如し。禅定・智慧の力を以て、法の国土を得、三界に王たるに、而も諸の魔王は肯えて順伏せず。如来の賢聖の諸将は、之と共に戦う。其の功有る者には、心も亦た歓喜して、四衆の中に於いて、為に諸経を説き、其の心をして悦ばしめ、賜うに禅定・解脱・無漏の根力・諸法の財を以てし、又復た賜与するに涅槃の城を以てし、滅度を得と言いて、其の心を引導し、皆歓喜せしむれども、而も為に是の法華経を説かず。」 「文殊師利、転輪王の、諸の兵衆に大功有る者を見て、心甚だ歓喜し、此の信じ難きの珠の、久しく髻の中に在りて、妄りに人に与えざりしを、而も今之を与うるが如く、如来も亦復た是の如し。三界の中に於いて、大法王と為りて、法を以て一切衆生を教化し、賢聖の軍の、五陰魔・煩悩魔・死魔と共に戦い、大功勲有りて、三毒を滅し、三界を出で、魔網を破るを見て、爾の時、如来も亦た大いに歓喜す。此の法華経は、能く衆生をして一切智に至らしむ。一切世間は怨多くして信じ難く、先に未だ説かざる所なるを、而も今之を説く。」 「文殊師利、此の法華経は、是れ諸の如来の第一の説にして、諸説の中に於いて、最も甚深なり。末後に賜与すること、彼の強力の王の、久しく明珠を護りて、今乃ち之を与うるが如し。文殊師利、此の法華経は、諸仏如来の秘密の蔵にして、諸経の中に於いて、最も其の上に在り。長夜に守護して、妄りに宣説せず、今日に始めて、乃ち汝等と与に之を敷演す。」 爾の時、世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、

現代語訳

「文殊師利よ、如来もまたこのとおりです。禅定と智慧の力で法の国土を得て、三界の王となりましたが、魔王たちは進んで従おうとしません。如来の賢聖の将たちは、魔と共に戦います。その中で功のあった者には、如来も歓び、四衆のために諸経を説いて心を悦ばせ、禅定、解脱、無漏の根と力、諸法の財を与え、さらに涅槃の城を与えて、滅度を得たと言って心を導き、皆を歓ばせます。しかし、そのときにはまだ、この法華経を説きません。」 「文殊師利よ、転輪王は、兵たちの中で大きな功のあった者を見て、たいへん歓び、久しく髻の中にあって軽々しく人に与えなかった、この信じにくい珠を、そのとき初めて与えます。如来もまたこのとおりです。三界の大法王として、法によってすべての衆生を教え導き、賢聖の軍が、五陰の魔、煩悩の魔、死の魔と共に戦って大きな功を立て、三毒を滅し、三界を出て、魔の網を破るのを見たとき、如来もまた大いに歓びます。この法華経は、衆生を一切智に至らせます。世間の人々には敵意が多く信じ難いので、これまで説いてこなかったのに、今これを説くのです。」 「文殊師利よ、この法華経は、諸の如来の第一の教えであり、あらゆる教えの中で最も深いものです。最後にこれを授けるのは、あの強力な王が長く明珠を守り、今ようやくこれを与えるのと同じです。文殊師利よ、この法華経は、諸仏如来の秘密の蔵であり、諸経の中で最も上にあります。長い夜のあいだ守り、軽々しく説かず、今日になって初めて、あなたたちのために説き広げるのです。」 そのとき世尊は、重ねてこの意味を述べようとして、偈を説いて言われました。

解説

髻中明珠の譬えの解き明かしです。転輪王が最後に頭上の珠を与えるように、如来も、禅定や涅槃などの教えを先に与え、法華経は最後に説いたとされます。魔や戦いの表現は、煩悩や死への対処を軍事の比喩で描いたもので、当時の世界観の産物です。この譬えは、教えには段階があり、本命の教えは受け手が育ってから渡すという構造を伝えます。法華経が、それまでの教えを方便と位置づける立場の根拠にもなります。組織でも、基本の技能を段階的に与え、最も大切な考え方は信頼関係ができてから渡す、という育成の順序に通じます。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

髻中明珠法王魔五陰魔秘密の蔵涅槃の城

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