法華経 / 見寶塔品第十一(5)
爾時東方釋迦牟尼佛所分之身、百千萬億那由他恒河沙等國土中諸佛,各各說法、來集於此,如是次第十方諸佛、皆悉來集,坐於八方,爾時一一方、四百萬億那由他國土諸佛如來、遍滿其中。是時、諸佛各在寶樹下、坐師子座,皆遣侍者問訊釋迦牟尼佛,各齎寶華滿掬、而告之言: 「善男子,汝往詣耆闍崛山、釋迦牟尼佛所,如我辭曰:『少病、少惱,氣力安樂,及菩薩、聲聞眾、悉安隱否?』以此寶華、散佛供養,而作是言:『彼某甲佛,與欲開此寶塔』,諸佛遣使、亦復如是。」 爾時釋迦牟尼佛、見所分身佛悉已來集,各各坐於師子之座,皆聞諸佛與欲同開寶塔。即從座起,住虛空中。一切四眾,起立、合掌,一心觀佛。於是釋迦牟尼佛、以右指開七寶塔戶,出大音聲,如卻關鑰、開大城門。即時一切眾會,皆見多寶如來、於寶塔中坐師子座,全身不散,如入禪定。又聞其言:「善哉善哉,釋迦牟尼佛、快說是法華經,我為聽是經故、而來至此。」爾時四眾等、見過去無量千萬億劫滅度佛說如是言,歎未曾有,以天寶華聚、散多寶佛及釋迦牟尼佛上。
新字:爾時東方釈迦牟尼仏所分之身、百千万億那由他恒河沙等国土中諸仏,各各説法、来集於此,如是次第十方諸仏、皆悉来集,坐於八方,爾時一一方、四百万億那由他国土諸仏如来、遍満其中。是時、諸仏各在宝樹下、坐師子座,皆遣侍者問訊釈迦牟尼仏,各齎宝華満掬、而告之言: 「善男子,汝往詣耆闍崛山、釈迦牟尼仏所,如我辞曰:『少病、少悩,気力安楽,及菩薩、声聞衆、悉安隠否?』以此宝華、散仏供養,而作是言:『彼某甲仏,与欲開此宝塔』,諸仏遣使、亦復如是。」 爾時釈迦牟尼仏、見所分身仏悉已来集,各各坐於師子之座,皆聞諸仏与欲同開宝塔。即従座起,住虚空中。一切四衆,起立、合掌,一心観仏。於是釈迦牟尼仏、以右指開七宝塔戸,出大音声,如却関鑰、開大城門。即時一切衆会,皆見多宝如来、於宝塔中坐師子座,全身不散,如入禅定。又聞其言:「善哉善哉,釈迦牟尼仏、快説是法華経,我為聴是経故、而来至此。」爾時四衆等、見過去無量千万億劫滅度仏説如是言,嘆未曽有,以天宝華聚、散多宝仏及釈迦牟尼仏上。
書き下し
爾の時、東方の釈迦牟尼仏の分身したまう所の、百千万億那由他恒河沙等の国土の中の諸仏、各各、法を説き、来たって此に集まりたもう。是の如く次第に十方の諸仏、皆悉く来集して、八方に坐したもう。爾の時、一一の方に、四百万億那由他の国土の諸仏如来、其の中に遍満したまえり。是の時、諸仏、各おの宝樹の下に在りて師子座に坐し、皆、侍者を遣わして釈迦牟尼仏に問訊せしめ、各おの宝華を斎すること掬に満てて、之に告げて言わく、 「善男子、汝、耆闍崛山の釈迦牟尼仏の所に往詣して、我が辞の如く曰え、『少病少悩にして、気力安楽に、及び菩薩・声聞衆、悉く安穏なりや。』と。此の宝華をもて、仏に散じて供養し、而も是の言を作せ、『彼の某甲仏、此の宝塔を開かんと欲するに与したもう。』と。諸仏の使いを遣わしたもうこと、亦復た是の如し。」 爾の時、釈迦牟尼仏、分身の仏の悉く已に来集して、各おの師子の座に坐したもうを見、皆、諸仏の与に同じく宝塔を開かんと欲したもうを聞きたもう。即ち座より起って、虚空の中に住したもう。一切の四衆、起立し合掌して、一心に仏を観たてまつる。是に於いて釈迦牟尼仏、右の指をもて七宝塔の戸を開きたもうに、大音声を出ずること、関鑰を卻けて、大城の門を開くが如し。即時に一切の衆会、皆、多宝如来の、宝塔の中に於いて師子座に坐し、全身散ぜず、禅定に入るが如くなるを見る。又、其の言を聞く、「善き哉、善き哉、釈迦牟尼仏、快く是の法華経を説きたもう。我、是の経を聴かんが為の故に、而も此に来至せり。」爾の時、四衆等、過去無量千万億劫に滅度したまえる仏の、是の如き言を説きたもうを見て、未曽有なりと歎じ、天の宝華聚をもて、多宝仏及び釈迦牟尼仏の上に散ず。
現代語訳
そのとき、東方の釈迦牟尼仏が分身された、百千万億那由他のガンジス河の砂の数ほどの国土にいる諸仏が、それぞれ法を説いたのち、ここに集まって来られました。こうして次々に十方の諸仏がみな来集して、八方に坐られました。そのとき、それぞれの方角には、四百万億那由他の国土の諸仏如来が満ちていました。このとき諸仏はそれぞれ宝樹の下で獅子座に坐り、みな侍者を遣わして釈迦牟尼仏に挨拶させ、宝の華を両手いっぱいに持たせて、言いました。 「善い男性よ、あなたは耆闍崛山の釈迦牟尼仏のもとへ行き、私の言葉のとおり申し上げなさい。『病も少なく悩みも少なく、気力は安らかでいらっしゃいますか。菩薩や声聞の大衆もみな安穏でしょうか。』と。この宝の華を仏に撒いて供養し、こう言いなさい。『かの某仏が、この宝塔を開くことに同意しておられます。』と。諸仏が使いを遣わされるのも、みな同じでした。」 そのとき釈迦牟尼仏は、分身の仏がすべて来集して、それぞれ獅子の座に坐られたのをご覧になり、また諸仏がともに宝塔を開こうと望んでおられるのをお聞きになりました。すぐに座から立って、虚空に住まれました。すべての四衆は立ち上がって合掌し、一心に仏を仰ぎました。そこで釈迦牟尼仏は、右の指で七宝の塔の扉を開かれました。その大きな音は、かんぬきを外して大きな城門を開くようでした。すぐにすべての大衆は、多宝如来が宝塔の中の獅子座に坐り、全身が崩れず、禅定に入っているかのようなお姿を見ました。またその言葉を聞きました。「すばらしい、すばらしい。釈迦牟尼仏は、この法華経を見事に説かれました。私はこの経を聴くために、ここに来ました。」そのとき四衆は、過去に無量千万億劫も前に滅度された仏が、このように語られるのを見て、かつてないことだと感嘆し、天の宝の華の山を、多宝仏と釈迦牟尼仏の上に撒きました。
解説

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法華経・見寶塔品第十一(3)大楽説、仏に白して言さく、「世尊、我等も亦た、世尊の分身の諸仏を見たてまつり、礼拝し供養せんと願欲す。」爾の時、仏、白毫の一光を放ちたまうに、即ち東方五百万億那由他恒河沙等の国土の諸仏を見る。彼の諸の国土は、皆、玻璃をもて地と為し、宝樹・宝衣をもて荘厳とし、無数千万億の菩薩、其の中に充満し、遍く宝幔を張り、宝網、上に羅なれり。彼の国の諸仏は、大妙音をもて諸法を説きたもう。及び無量千万億の菩薩の、遍く諸国に満ちて、衆の為に法を説くを見る。南・西・北方、四維・上下、白毫相の光の照らす所の処も、亦復た是の如し。 爾の時、十方の諸仏、各おの衆の菩薩に告げて言わく、「善男子、我、今、応に娑婆世界の釈迦牟尼仏の所に往き、並びに多宝如来の宝塔を供養すべし。」時に娑婆世界、即ち変じて清浄となり、瑠璃を地とし、宝樹をもて荘厳し、黄金を縄として以て八道を界い、諸の聚落・村営・城邑・大海・江河・山川・林藪無し。大宝香を焼き、曼陀羅華、遍く其の地に布き、宝の網幔をもて、羅ねて其の上を覆い、諸の宝鈴を懸けたり。惟だ此の会の衆を留め、諸の天人を移して、他土に置く。是の時、諸仏、各おの一の大菩薩を将いて、以て侍者と為し、娑婆世界に至り、各おの宝樹の下に到りたもう。一一の宝樹は、高さ五百由旬、枝・葉・華・果、次第に荘厳し、諸の宝樹の下に、皆、師子の座有り、高さ五由旬、亦た大宝をもて之を校飾せり。爾の時、諸仏、各おの此の座に於いて結跏趺坐したもう。是の如く展転して三千大千世界に遍満す。而も釈迦牟尼仏の、一方に分かちたまう所の身すら、猶お故お未だ尽きず。
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法華経・見寶塔品第十一(7)聖主世尊は、久しく滅度したまえりと雖も、宝塔の中に在して、尚お法の為に来たりたもう。諸人、云何ぞ勤めて法の為にせざる。此の仏の滅度したまいて、無央数劫なるに、 処処に法を聴きたもうは、遇い難きを以ての故なり。彼の仏の本願は、我が滅度の後、在在の往く所に、常に法を聴かんが為にせん、と。又、我が分身の無量の諸仏、 恒沙等の如きも、来たって法を聴かんと欲し、及び滅度したまえる多宝如来を見たてまつらんと、各おの妙土、及び弟子衆、天人・竜神、諸の供養の事を捨てて、 法をして久しく住せしめんが為の故に、此に来至したまえり。諸仏を坐せしめんが為に、神通力をもて、無量の衆を移して、国をして清浄ならしむ。諸仏、各各、宝樹の下に詣りたもうこと、 清浄の池に、蓮華の荘厳せるが如し。其の宝樹の下の、諸の師子座に、仏、其の上に坐したもう。光明厳飾すること、夜闇の中に大炬火を燃やすが如し。 身より妙香を出だして、十方の国に遍ず。衆生、薫を蒙りて、喜び自ら勝えず。譬えば大風の、小樹の枝を吹くが如し。是の方便を以て、法をして久しく住せしむ。 諸の大衆に告ぐ、我が滅度の後、誰か能く護持し、斯の経を読み説かん。今、仏前に於いて、自ら誓言を説け。其の多宝仏は、久しく滅度したまえりと雖も、 大誓願を以て、師子吼したもう。多宝如来、及び我が身、集まれる所の化仏、当に此の意を知るべし。諸の仏子等、誰か能く法を護らん、 当に大願を発して、久しく住することを得しむべし。其れ能く此の経法を護る者有らば、則ち我及び多宝を供養するなり。此の多宝仏は、宝塔に処して、 常に十方に遊びたもうは、是の経の為の故なり。亦復た、諸の来れる化仏の、荘厳し光飾したもう諸の世界を供養す。若し此の経を説かば、則ち我、 多宝如来、及び諸の化仏を見ると為す。諸の善男子、各おの諦らかに思惟せよ。此れは難事と為す。宜しく大願を発すべし。諸余の経典は、数、恒沙の如し。 此等を説くと雖も、未だ難しと為すに足らず。若し須弥を接りて、他方の無数の仏土に擲げ置くも、亦た未だ難しと為さず。若し足の指を以て、大千界を動かし、
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