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法華経 / 見寶塔品第十一(2)

爾時有菩薩摩訶薩、名大樂說,知一切世間天、人、阿修羅、等,心之所疑,而白佛言,世尊:「以何因緣,有此寶塔、從地湧出,又於其中發是音聲?」爾時佛告大樂說菩薩:「此寶塔中、有如來全身,乃往過去、東方無量千萬億阿僧祇世界,國名寶淨,彼中有佛,號曰多寶。其佛行菩薩道時,作大誓願:『若我成佛、滅度之後,於十方國土、有說法華經處,我之塔廟,為聽是經故、湧現其前,為作證明,讚言、善哉。』」 「彼佛成道已,臨滅度時,於天人大眾中、告諸比丘,我滅度後,欲供養我全身者,應起一大塔。其佛以神通願力,十方世界,在在處處、若有說法華經者,彼之寶塔、皆湧出其前,全身在於塔中,讚言:『善哉善哉。』」 「大樂說,今多寶如來塔、聞說法華經故,從地湧出,讚言:『善哉善哉。』」 是時大樂說菩薩、以如來神力故,白佛言:「世尊,我等願欲見此佛身。」佛告大樂說菩薩摩訶薩:「是多寶佛、有深重願,若我寶塔、為聽法華經故、出於諸佛前時,其有欲以我身示四眾者,彼佛分身諸佛、在於十方世界說法,盡還集一處,然後我身乃出現耳。」 「大樂說,我分身諸佛、在於十方世界說法者,今應當集。」

新字:爾時有菩薩摩訶薩、名大楽説,知一切世間天、人、阿修羅、等,心之所疑,而白仏言,世尊:「以何因縁,有此宝塔、従地湧出,又於其中発是音声?」爾時仏告大楽説菩薩:「此宝塔中、有如来全身,乃往過去、東方無量千万億阿僧祇世界,国名宝浄,彼中有仏,号曰多宝。其仏行菩薩道時,作大誓願:『若我成仏、滅度之後,於十方国土、有説法華経処,我之塔廟,為聴是経故、湧現其前,為作証明,讃言、善哉。』」 「彼仏成道已,臨滅度時,於天人大衆中、告諸比丘,我滅度後,欲供養我全身者,応起一大塔。其仏以神通願力,十方世界,在在処処、若有説法華経者,彼之宝塔、皆湧出其前,全身在於塔中,讃言:『善哉善哉。』」 「大楽説,今多宝如来塔、聞説法華経故,従地湧出,讃言:『善哉善哉。』」 是時大楽説菩薩、以如来神力故,白仏言:「世尊,我等願欲見此仏身。」仏告大楽説菩薩摩訶薩:「是多宝仏、有深重願,若我宝塔、為聴法華経故、出於諸仏前時,其有欲以我身示四衆者,彼仏分身諸仏、在於十方世界説法,尽還集一処,然後我身乃出現耳。」 「大楽説,我分身諸仏、在於十方世界説法者,今応当集。」

書き下し

爾の時、菩薩摩訶薩有り、名を大楽説といい、一切世間の天・人・阿修羅等の心の疑う所を知って、仏に白して言さく、世尊、「何の因縁を以て、此の宝塔の地より湧出し、又、其の中より是の音声を発すること有る。」爾の時、仏、大楽説菩薩に告げたまわく、「此の宝塔の中には、如来の全身有します。乃往過去、東方無量千万億阿僧祇の世界に、国を宝浄と名づく。彼の中に仏有し、号を多宝と曰う。其の仏、菩薩道を行ぜし時、大誓願を作したまわく、『若し我成仏して滅度の後、十方の国土に、法華経を説く処有らば、我が塔廟は、是の経を聴かんが為の故に、其の前に湧現して、為に証明と作り、讃めて、善き哉と言わん。』と。」 「彼の仏、成道し已って、滅度に臨む時、天人大衆の中に於いて、諸の比丘に告げたまわく、『我が滅度の後、我が全身を供養せんと欲せば、応に一の大塔を起つべし。』と。其の仏、神通願力をもて、十方世界の、在在処処に、若し法華経を説く者有らば、彼の宝塔、皆、其の前に湧出し、全身、塔中に在して、讃めて、『善き哉、善き哉。』と言う。」 「大楽説よ、今、多宝如来の塔は、法華経を説くを聞くが故に、地より湧出して、讃めて、『善き哉、善き哉。』と言う。」 是の時、大楽説菩薩、如来の神力を以ての故に、仏に白して言さく、「世尊、我等、願わくは此の仏身を見たてまつらんと欲す。」仏、大楽説菩薩摩訶薩に告げたまわく、「是の多宝仏には、深重の願有り。若し我が宝塔、法華経を聴かんが為の故に、諸仏の前に出ずる時、其れ我が身を以て四衆に示さんと欲すること有らば、彼の仏の分身の諸仏の、十方世界に在りて法を説きたもうを、尽く還して一処に集めて、然して後に我が身乃ち出現せんのみ、と。」 「大楽説よ、我が分身の諸仏の、十方世界に在りて法を説く者を、今、応当に集むべし。」

現代語訳

そのとき、大楽説という菩薩が、あらゆる世間の天、人、阿修羅たちの心にある疑いを知って、仏に申し上げました。「世尊よ、どのようないわれがあって、この宝塔は大地から湧き出し、また、その中からこの声が発せられたのでしょうか。」そのとき仏は大楽説菩薩に告げられました。「この宝塔の中には、如来の全身がおられます。はるか遠い過去、東方の無量千万億阿僧祇の世界に、宝浄という国がありました。そこに多宝という名の仏がおられました。その仏は菩薩の道を行じていたとき、大きな誓願を立てられました。『もし私が成仏して滅度した後、十方の国土のどこかで法華経が説かれるなら、私の塔廟は、この経を聴くために、その前に湧き出て証明となり、すばらしいとたたえよう。』と。」 「その仏は悟りを成就して、滅度の時を迎えたとき、天や人の大衆の中で、比丘たちに告げられました。『私が滅度した後、私の全身を供養したいと思うなら、一つの大きな塔を建てなさい。』と。その仏は、神通と願いの力によって、十方世界のあらゆる所で、もし法華経を説く人がいれば、その宝塔がみなその人の前に湧き出し、全身が塔の中におられて、『すばらしい、すばらしい』とたたえるのです。」 「大楽説よ、今、多宝如来の塔は、法華経が説かれるのを聞いたために、大地から湧き出し、『すばらしい、すばらしい』とたたえているのです。」 このとき大楽説菩薩は、如来の神通力によって、仏に申し上げました。「世尊よ、私たちはこの仏のお姿を見たいと願います。」仏は大楽説菩薩に告げられました。「この多宝仏には深く重い願いがあります。もし私の宝塔が法華経を聴くために諸仏の前に現れるとき、私の身を四衆に示したいと思うなら、その仏の分身である諸仏が十方世界で法を説いておられるのを、すべて呼び戻して一か所に集め、そのあとで私の身が現れる、というものです。」 「大楽説よ、十方世界で法を説いている私の分身の諸仏を、今、集めなければなりません。」

解説

多宝塔の由来が明かされます。遠い過去の多宝仏は、成仏の際に、法華経が説かれる場には必ず塔が湧き出て真実を証明すると誓っていました。ただしその姿を見せるには、釈迦の分身の諸仏が各地から集まる必要があるとされます。時間と空間を越えた壮大な設定は、物語としての表現です。その核心は、約束が時を越えて果たされる点にあります。創業者の誓いや理念が代替わりしても生き続け、現場で実現される姿を重ねて読めます。
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この章句が説くこと

大楽説多宝如来宝塔誓願分身の諸仏証明

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