抱朴子外篇 / 重言
辯虛無之不急,爭細事以費言,論廣修堅白無用之說,誦諸子非聖過正之書,損教益惑,謂之深遠,委棄正經,競治邪學。或與暗見者較唇吻之勝負,為不識者吐清商之談對,非敵力之人,旁無賞解之客,何異奏雅樂於木梗之側,陳玄黃於土偶之前哉!徒口枯氣乏,椎杭抵掌,斤斧缺壞而盤節不破,勃然戰色而乖忤愈遠,致令恚容表顏,醜言自口,偷薄之變,生乎其間,既玷之謬,不可救磨。未若希聲不全大音,約說以俟識者矣。
新字:弁虚無之不急,争細事以費言,論広修堅白無用之説,誦諸子非聖過正之書,損教益惑,謂之深遠,委棄正経,競治邪学。或与暗見者較唇吻之勝負,為不識者吐清商之談対,非敵力之人,旁無賞解之客,何異奏雅楽於木梗之側,陳玄黄於土偶之前哉!徒口枯気乏,椎杭抵掌,斤斧欠壊而盤節不破,勃然戦色而乖忤愈遠,致令恚容表顔,醜言自口,偸薄之変,生乎其間,既玷之謬,不可救磨。未若希声不全大音,約説以俟識者矣。
書き下し
虚無の急ならざるを弁じ、細事を争いて以て言を費やし、堅白無用の説を広く修むるを論じ、諸子の聖に非ず正に過ぐるの書を誦し、教えを損ない惑いを益すを、之を深遠と謂い、正経を委棄して、競いて邪学を治む。或いは暗見の者と唇吻の勝負を較べ、識らざる者の為に清商の談を吐きて対す。敵力の人に非ず、旁らに賞解の客無し。何ぞ雅楽を木梗の側に奏し、玄黄を土偶の前に陳ぶるに異ならんや。徒らに口枯れ気乏しく、杭を椎ち掌を抵つも、斤斧は缺け壊れて盤節は破れず、勃然として色を戦わせて乖忤は愈いよ遠し。恚容を顔に表し、醜言を口より出ださしめ、偸薄の変、其の間に生じ、既に玷けたるの謬は救い磨く可からず。未だ希声は大音を全うし、説を約して以て識者を俟つに若かず。
現代語訳
虚無の議論は急ぐことでないと弁じ、細かな事を争って言葉を費やし、堅白論のような無用の説を広く学ぶことを論じ、諸子の聖人に反し正道を過ぎた書を誦し、教えを損ない惑いを増すことを深遠だと言い、正しい経典を棄てて、競って邪な学問を修める。あるいは見る目のない者と口先の勝負を競い、わかってくれない者のために高尚な談を吐いて応じる。相手は力の釣り合う人でなく、傍らに理解し褒める客もいない。これは、雅楽を木の人形のそばで奏で、玄と黄の色を土人形の前に並べるのと何が違うだろうか。むなしく口は枯れ気は尽き、杭を打ち手のひらを叩いても、斧は欠けて壊れ、節くれだった木は割れず、顔色を変えて怒れば、意見の食い違いはますます遠くなる。怒りの顔が表れ、醜い言葉が口から出て、軽薄な変事がその間に生じ、一度傷ついた誤りは磨き直せない。希な声が大音を全うするように、言を約めて識者を待つほうがよい。
解説
この章句が説くこと
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