兵法家伝書 / 新陰流外物進履橋橫矢の勝手
橫矢の勝手分別の事 一 城ヲ取には橫矢の勝手を第一に可心得なり。向ばかり防ぎ候ては、何程石火矢大筒にても仕寄安きものにて候。橫矢の義皆城取の土形に有之、右の土形を御覽候得者不及口傳、大形は得と御合點に參事に候。
新字:横矢の勝手分別の事 一 城ヲ取には横矢の勝手を第一に可心得なり。向ばかり防ぎ候ては、何程石火矢大筒にても仕寄安きものにて候。横矢の義皆城取の土形に有之、右の土形を御覧候得者不及口伝、大形は得と御合点に参事に候。
書き下し
橫矢の勝手分別の事 一 城ヲ取には橫矢の勝手を第一に可心得なり。向ばかり防ぎ候ては、何程石火矢大筒にても仕寄安きものにて候。橫矢の義皆城取の土形に有之、右の土形を御覽候得者不及口傳、大形は得と御合點に參事に候。
現代語訳
横矢の勝手と分別のことです。一、城を取るには、横矢の勝手を第一に心得るべきです。向かいばかりを防いでは、どれほど石火矢・大筒があっても、寄せ付けやすいものです。横矢のことはみな城取りの土形にありますので、その土形をご覧になれば、口伝に及ばず、おおかたはよくご合点がいくことです。
解説
横矢とは、城壁に近づく敵を側面から射撃できる配置のことです。ここでは、城を構える時に最も心得るべきこととして挙げられます。正面だけを守っていては、大筒を持っていても敵に攻め寄せられやすい、というのが理由です。つまり、守りの強さは火力の大きさより、側面に目を持つ形の設計から決まるという考えです。さらに、横矢の理は土形を見れば口伝を要さず分かるとも述べ、図面を見ることで理解できる点が強調されます。現代の組織でも、正面の窓口だけを固めて、側面や横の連携に目が届かない部署は、外部からの圧力や不正に対して脆くなります。
この章句が説くこと
横矢側面土形城取り守りの設計兵法家伝書
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