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兵法家伝書 / 無刀之卷大機大用禪僧の自由自在

禪僧の自由自在に身をはたらかし、何事をいふも、何事をするも、皆道理にかなふて理に通ずる、是を大神通と云、大機大用と云也、神通神變と云て、別に虚空から鬼神がくだりて、不思儀をなすなどゝ云を、神變とはいはず、何事をするも、自由自在をはたらくを云也、數々の太刀構へ、表裏僞り諸道具のさばき、飛上りとびさがり、手にやいばをとり、足に蹴おとし、様々にはたらき、習の外に自在を得事を大用と云也、

新字:禅僧の自由自在に身をはたらかし、何事をいふも、何事をするも、皆道理にかなふて理に通ずる、是を大神通と云、大機大用と云也、神通神変と云て、別に虚空から鬼神がくだりて、不思儀をなすなどゝ云を、神変とはいはず、何事をするも、自由自在をはたらくを云也、数々の太刀構へ、表裏偽り諸道具のさばき、飛上りとびさがり、手にやいばをとり、足に蹴おとし、様々にはたらき、習の外に自在を得事を大用と云也、

書き下し

禪僧の自由自在に身をはたらかし、何事をいふも、何事をするも、皆道理にかなふて理に通ずる、是を大神通と云、大機大用と云也、神通神變と云て、別に虚空から鬼神がくだりて、不思儀をなすなどゝ云を、神變とはいはず、何事をするも、自由自在をはたらくを云也、數々の太刀構へ、表裏僞り諸道具のさばき、飛上りとびさがり、手にやいばをとり、足に蹴おとし、様々にはたらき、習の外に自在を得事を大用と云也、

現代語訳

禅僧が自由自在に身を働かせ、何を言うにも、何をするにも、すべて道理にかなって理に通じている。これを大神通といい、大機大用という。神通神変といって、別に虚空から鬼神が降りて不思議をなすようなことを、神変とはいわない。何をするにも自由自在に働くことをいうのである。数々の太刀構え、表裏・偽り、諸道具のさばき、飛び上がり飛び下がり、手に刃を取り、足に蹴落とし、さまざまに働いて、習いの外に自在を得ることを大用という。

解説

前段の理論を受けて、禅僧の自由自在な振る舞いを大機大用の姿として挙げます。何を言い何をしても道理にかない理に通じていることを、大神通と呼んでいます。宗矩は、虚空から鬼神が降りて不思議をなすようなものを神変とは言わないと、超常的な理解を退けます。太刀構えや表裏、道具のさばきなど数々の働きが、習いの外で自在になる状態が大用だというのです。型を学ぶ段階の先に型にとらわれない働きがあるという見通しは、マニュアルを覚えた後の熟練者の動きに通じます。現場の判断が自由で、しかも筋が通っている状態を指しています。

この章句が説くこと

大機大用大神通自在習いの外神変兵法家伝書

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