五常訓 / 巻之四・礼
賢を尊ぶは義なり。人に大賢あり、小賢あり、才能ある人あり、舊識恩德ある人あり。其内に、大小高下の品あり。是尊賢之等也。親類の品に應じてしたしみ、大賢小賢の品によりて敬ふは、是卽禮の生ずる所なり。しかれば禮は仁義を行ふに、各其品にしたがひて、程よきをいへり。
新字:賢を尊ぶは義なり。人に大賢あり、小賢あり、才能ある人あり、旧識恩徳ある人あり。其内に、大小高下の品あり。是尊賢之等也。親類の品に応じてしたしみ、大賢小賢の品によりて敬ふは、是即礼の生ずる所なり。しかれば礼は仁義を行ふに、各其品にしたがひて、程よきをいへり。
書き下し
賢を尊ぶは義なり。人に大賢あり、小賢あり、才能ある人あり、旧識恩徳ある人あり。其内に、大小高下の品あり。是賢を尊ぶの等なり。親類の品に応じてしたしみ、大賢小賢の品によりて敬ふは、是即礼の生ずる所なり。しかれば礼は仁義を行ふに、各其品にしたがひて、程よきをいへり。
現代語訳
賢者を尊ぶのは義です。人には大賢者もいれば小賢者もいて、才能のある人もいれば、古くからのなじみや恩徳のある人もいます。その中に大小高下の等級があります。これが賢者を尊ぶことの等級です。親類の等級に応じて親しみ、大賢者・小賢者の等級によって敬うのが、すなわち礼の生ずるところです。それゆえ、礼とは仁義を行うのに、それぞれその等級にしたがってちょうどよい程をいったものです。
解説
前の段に続き、賢を尊ぶ義にも大賢・小賢・才能・旧知や恩人といった等級があり、親族を親しむ仁の等級とあわせて、それに応じた程よさが礼だと結論づけています。仁と義を実際に行うための具体的な形が礼だという位置づけは、朱子学の五常の体系をよく表しています。相手との関係や立場に応じて敬い方や親しみ方を変えることは、差別ではなく相手を正しく尊重することです。敬語の使い分けも、こうした礼の考え方の延長にあるといえるでしょう。
この章句が説くこと
礼義仁尊賢等級
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