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五行大義 / 第四論相生・三者論四時休王

艮相。震胎。巽没。離死。坤囚。兌廢。乾休。其卦從八節之氣。各四十五日。凡當王之時。皆以子爲相者。以其子方壯。能助治事也。父母爲休者。以其子當王。氣正盛。父母衰老。不能治事。如堯老。委舜以國政也。所畏爲死者。以其身王。能制殺之。所刻者爲囚者。以其子爲相。能囚讎敵也。柳世隆云。木。王時爲林園竹樹。相時爲葦荻草萊。休時爲椽柱船車。囚時爲薪樵榛梗。死時爲棺槨朽株。火。王時爲陶冶炎光。相時爲燈燭。休時爲煙氣。囚時爲炭燼。死時爲灰。土。王時爲國邑山岳。相時爲城社丘陵。休時爲田宅。囚時爲墻垣。死時爲糞壤。金。王時爲金玉寶器。相時爲銀銅利刃。休時爲鉛錫犂鋤。囚時爲焦器釜鑊。死時爲沙礫碎鐵。水。王時爲海瀆。相時爲湖澤陂泉。休時爲溝渠。囚時爲酒漿。死時爲枯池涸井。此竝王時氣盛。故爲洪大之物。相時氣劣。其比漸小。休時氣衰。故復轉微之。囚時於惡。所以最下。死時弃不用。故是枯朽之類也。

新字:艮相。震胎。巽没。離死。坤囚。兌廃。乾休。其卦従八節之気。各四十五日。凡当王之時。皆以子為相者。以其子方壮。能助治事也。父母為休者。以其子当王。気正盛。父母衰老。不能治事。如堯老。委舜以国政也。所畏為死者。以其身王。能制殺之。所刻者為囚者。以其子為相。能囚讎敵也。柳世隆云。木。王時為林園竹樹。相時為葦荻草萊。休時為椽柱船車。囚時為薪樵榛梗。死時為棺槨朽株。火。王時為陶冶炎光。相時為灯燭。休時為煙気。囚時為炭燼。死時為灰。土。王時為国邑山岳。相時為城社丘陵。休時為田宅。囚時為墻垣。死時為糞壤。金。王時為金玉宝器。相時為銀銅利刃。休時為鉛錫犂鋤。囚時為焦器釜鑊。死時為沙礫砕鉄。水。王時為海瀆。相時為湖沢陂泉。休時為溝渠。囚時為酒漿。死時為枯池涸井。此並王時気盛。故為洪大之物。相時気劣。其比漸小。休時気衰。故復転微之。囚時於悪。所以最下。死時弃不用。故是枯朽之類也。

書き下し

艮相、震胎、巽没、離死、坤囚、兌廃、乾休。其の卦は八節の気に従い、各四十五日。凡そ王に当たるの時、皆子を以て相と為すは、其の子方に壮んにして、能く助けて事を治むるを以てなり。父母を休と為すは、其の子王に当たり、気正に盛んにして、父母衰老し、事を治むること能わざるを以てなり。堯老いて、舜に委ぬるに国政を以てするが如きなり。畏るる所を死と為すは、其の身王たるを以て、能く之を制殺す。剋する所の者を囚と為すは、其の子相たるを以て、能く讎敵を囚うるなり。柳世隆云う、木は、王の時は林園竹樹たり、相の時は葦荻(いてき)草萊たり、休の時は椽柱船車たり、囚の時は薪樵榛梗(しんこう)たり、死の時は棺槨朽株たり。火は、王の時は陶冶炎光たり、相の時は燈燭たり、休の時は煙気たり、囚の時は炭燼たり、死の時は灰たり。土は、王の時は国邑山岳たり、相の時は城社丘陵たり、休の時は田宅たり、囚の時は墻垣たり、死の時は糞壌たり。金は、王の時は金玉宝器たり、相の時は銀銅利刃たり、休の時は鉛錫犂鋤(れいじょ)たり、囚の時は焦器釜鑊(ふかく)たり、死の時は沙礫砕鉄たり。水は、王の時は海瀆たり、相の時は湖沢陂泉たり、休の時は溝渠たり、囚の時は酒漿たり、死の時は枯池涸井たり、と。此れ竝びに王の時は気盛ん、故に洪大の物たり。相の時は気劣り、其の比漸く小なり。休の時は気衰え、故に復た転じて之を微にす。囚の時は悪に於いてす、所以に最も下なり。死の時は棄てて用いず、故に是れ枯朽の類なり。

現代語訳

艮が相、震が胎、巽が没、離が死、坤が囚、兌が廃、乾が休である。これらの卦は八節(立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至)の気に従い、それぞれ四十五日である。およそ王にあたる時に、いつも自分の子を相とするのは、その子がちょうど壮んで、助けて事を治めることができるからである。父母を休とするのは、子が王にあたって気がまさに盛んであり、父母は年老いて事を治めることができないからである。堯が年老いて、舜に国の政治を任せたようなものである。王を恐れるものを死とするのは、自分が王であるから、それを抑えて殺すことができるからである。自分を剋するものを囚とするのは、自分の子が相であるから、仇敵をとらえることができるからである。柳世隆(南朝の宋・斉の人)はこういう。「木は、王の時には林や園の竹や樹木であり、相の時には葦や荻や雑草であり、休の時には垂木や柱や船や車であり、囚の時には薪や柴や雑木であり、死の時には棺や朽ちた切り株である。火は、王の時には陶器を焼き金属を鋳る炎の光であり、相の時には灯火やろうそくであり、休の時には煙であり、囚の時には炭や燃えさしであり、死の時には灰である。土は、王の時には国や都や山岳であり、相の時には城や社や丘陵であり、休の時には田畑や家屋敷であり、囚の時には垣根や塀であり、死の時には肥やしの土である。金は、王の時には金や玉の宝器であり、相の時には銀や銅の鋭い刃物であり、休の時には鉛や錫の鋤(すき)であり、囚の時には焦げた器や釜や鍋であり、死の時には砂や小石や砕けた鉄である。水は、王の時には海や大河であり、相の時には湖や沢や池や泉であり、休の時には溝や水路であり、囚の時には酒や飲み物であり、死の時には枯れた池や涸れた井戸である」。これらはいずれも、王の時には気が盛んなので大きな物となる。相の時には気が劣るので、比べるとしだいに小さくなる。休の時には気が衰えるので、さらに転じてかすかなものとなる。囚の時には悪い状態にあるので、最も低いものとなる。死の時には捨てられて用いられないので、枯れて朽ちたものの類となるのである。

解説

休王の続きで、八卦の休王の表を終えたあと、なぜ王の子が相、親が休、王に剋されるものが死、王を剋するものが囚になるのかを、家族と政治のたとえで説明する段である。子は壮年で王を助け、親は老いて退き、堯が舜に政治を委ねたように世代が交代する。敵は王の子である相がとらえて囚にする、という筋立ては、五行の盛衰を一つの家や国の権力の移り変わりとして描いている。後半に引く柳世隆の説はとくに具体的で、同じ木でも盛んな時は林や竹、衰えるにつれて材木、薪、最後は棺や朽ち株になるというように、五行それぞれが勢いに応じて姿を変えていく様子を並べている。占いでは、問う事柄の五行がどの段階にあるかによって、物の大小や良し悪しを判断する手がかりとされた。同じものが時とともに林から薪へ、宝器から砕けた鉄へと移っていくという描写には、盛者必衰の感覚がにじむ。今が盛りの時か、次に譲る時かを見極める目は、仕事の引き継ぎを考えるうえでも大切である。

この章句が説くこと

五行大義休王柳世隆世代交代八卦

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