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五行大義 / 第四論相生・一者論相生

木生火。火生土。土生金。金生水。水生木。木爲春。春主生。夏主長養。秋主收。冬主藏。藏者。冬之所成也。是故父之所生。其子長之。父之所長。其子養之。父之所養。其子成之。不敢不致如父之意。盡爲人之道也。故五行者。五常也。白虎通云。木生火者。木性溫暖。火伏其中。鑽灼而出。故木生火。火生土者。火熱。故能焚木。木焚而成灰。灰卽土也。故火生土。土生金者。金居石。依山津潤而生。聚土成山。山必生石。故土生金。金生水者。少陰之氣潤澤。流津銷金。亦爲水。所以山雲而從潤。故金生水。水生木者。因水潤而能生。故水生木也。元命苞云。陽吐陰化。故水生木也。春秋繁露云。東方木。木。農之本。司農尚仁。五穀畜積。司馬食之。故木生火。火。本朝司馬。尚知。天時形兆未萌。昭然獨見。天下既寧。以安君臣。故火生土也。土。君。尚信。因時之威武強御。以成大理司徒。故土生金。金。大理司徒。尚義。邊境安寧。寇賊不發。邑無獄訟。則安執法司寇。故金生水。水。執法司寇。尚禮。君臣有位。長幼有序。百工維時。以成歲用。器械既成。以給司農田官。故水生木。兩說事義雖別。而相生是同。五行各定形。唯火鑽灼方出者。火是大陽之氣。溫故乃生。鑽木出者。還寄託萬物耳。如聖人無名。能理萬物。還以萬物爲名。陽氣至神。故有隱顯。

新字:木生火。火生土。土生金。金生水。水生木。木為春。春主生。夏主長養。秋主収。冬主蔵。蔵者。冬之所成也。是故父之所生。其子長之。父之所長。其子養之。父之所養。其子成之。不敢不致如父之意。尽為人之道也。故五行者。五常也。白虎通云。木生火者。木性温暖。火伏其中。鑽灼而出。故木生火。火生土者。火熱。故能焚木。木焚而成灰。灰即土也。故火生土。土生金者。金居石。依山津潤而生。聚土成山。山必生石。故土生金。金生水者。少陰之気潤沢。流津銷金。亦為水。所以山雲而従潤。故金生水。水生木者。因水潤而能生。故水生木也。元命苞云。陽吐陰化。故水生木也。春秋繁露云。東方木。木。農之本。司農尚仁。五穀畜積。司馬食之。故木生火。火。本朝司馬。尚知。天時形兆未萌。昭然独見。天下既寧。以安君臣。故火生土也。土。君。尚信。因時之威武強御。以成大理司徒。故土生金。金。大理司徒。尚義。辺境安寧。寇賊不発。邑無獄訟。則安執法司寇。故金生水。水。執法司寇。尚礼。君臣有位。長幼有序。百工維時。以成歳用。器械既成。以給司農田官。故水生木。両説事義雖別。而相生是同。五行各定形。唯火鑽灼方出者。火是大陽之気。温故乃生。鑽木出者。還寄託万物耳。如聖人無名。能理万物。還以万物為名。陽気至神。故有隠顕。

書き下し

木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず。木は春たり。春は生を主り、夏は長養を主り、秋は収を主り、冬は蔵を主る。蔵は冬の成す所なり。是の故に父の生ずる所、其の子之を長じ、父の長ずる所、其の子之を養い、父の養う所、其の子之を成す。敢えて父の意を致さずんばあらず、人の道を尽くすなり。故に五行は五常なり、と。白虎通に云う、木、火を生ずとは、木の性は温暖にして、火其の中に伏し、鑽灼(さんしゃく)して出づ、故に木、火を生ず。火、土を生ずとは、火は熱し、故に能く木を焚く。木焚けて灰と成る、灰は即ち土なり。故に火、土を生ず。土、金を生ずとは、金は石に居り、山に依りて津潤して生ず。土を聚めて山と成し、山は必ず石を生ず。故に土、金を生ず。金、水を生ずとは、少陰の気は潤沢にして、津を流し金を銷(と)かせば、亦水と為る。所以に山雲りて潤いに従う。故に金、水を生ず。水、木を生ずとは、水の潤いに因りて能く生ず、故に水、木を生ずるなり、と。元命苞に云う、陽は吐き陰は化す、故に水、木を生ずるなり、と。春秋繁露に云う、東方は木、木は農の本なり。司農は仁を尚ぶ。五穀畜積し、司馬之を食む。故に木、火を生ず。火は本朝の司馬、知を尚ぶ。天の時の形兆未だ萌さざるに、昭然として独り見る。天下既に寧く、以て君臣を安んず。故に火、土を生ずるなり。土は君、信を尚ぶ。時の威武強御に因りて、以て大理司徒を成す。故に土、金を生ず。金は大理司徒、義を尚ぶ。辺境安寧にして、寇賊発せず、邑に獄訟無ければ、則ち執法司寇安し。故に金、水を生ず。水は執法司寇、礼を尚ぶ。君臣位有り、長幼序有り、百工維れ時あり、以て歳用を成す。器械既に成りて、以て司農田官に給す。故に水、木を生ず、と。両説、事義別なりと雖も、相生は是れ同じ。五行各形を定むるに、唯だ火のみ鑽灼して方に出づるは、火は是れ大陽の気、温まる故に乃ち生ず。木を鑽りて出づるは、還りて万物に寄託するのみ。聖人は名無くして、能く万物を理め、還りて万物を以て名と為すが如し。陽気は至神なり、故に隠顕有り。

現代語訳

木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む。木は春である。春は生まれることをつかさどり、夏は育て養うことをつかさどり、秋は取り入れることをつかさどり、冬はしまい込むことをつかさどる。しまい込むことは冬が成し遂げることである。それゆえ父が生んだものを子が育て、父が育てたものを子が養い、父が養ったものを子が完成させる。父の意志をそのまま成し遂げずにはおかない、これが人の道を尽くすということである。だから五行とは五常(仁・義・礼・智・信)なのである」。『白虎通』(後漢の白虎観の会議で経書の解釈を定めた書)にはこうある。「木が火を生むとは、木の性質は温かく、火がその中に潜んでいて、錐でもみ焼くと出てくる。だから木は火を生む。火が土を生むとは、火は熱いので木を焼くことができる。木が焼けると灰になり、灰はつまり土である。だから火は土を生む。土が金を生むとは、金は石の中にあり、山によって湿り潤されて生じる。土が集まって山となり、山は必ず石を生む。だから土は金を生む。金が水を生むとは、少陰(秋、西)の気は潤いがあり、しずくが流れ、金を溶かせばやはり水になる。それで山に雲がかかって潤いが生じる。だから金は水を生む。水が木を生むとは、水の潤いによって生えることができる。だから水は木を生むのである」。『元命苞』(『春秋元命苞』。漢代の緯書)には「陽が吐き出し、陰が変化させる。だから水は木を生むのである」とある。『春秋繁露』(前漢の董仲舒の書)にはこうある。「東方は木で、木は農業の根本である。司農(農をつかさどる官)は仁を尊ぶ。五穀をたくわえ、司馬(軍をつかさどる官)がそれを食べる。だから木は火を生む。火は朝廷の司馬で、智を尊ぶ。天の時の兆しがまだ芽生えないうちに、はっきりとひとり見抜く。天下が安らかになったうえで、君臣を安んじる。だから火は土を生むのである。土は君で、信を尊ぶ。時の威光と武力と強さによって、大理(司法の官)である司徒を成り立たせる。だから土は金を生む。金は大理・司徒で、義を尊ぶ。辺境が安らかで、侵入者や盗賊が現れず、村に訴訟がなければ、法を執行する司寇は安泰である。だから金は水を生む。水は法を執行する司寇で、礼を尊ぶ。君臣にそれぞれの位があり、年長と年少に順序があり、多くの職人がそれぞれの時節に従って働き、一年の用を成し遂げる。器具ができあがって、司農や田の役人に供給する。だから水は木を生む」。二つの説は、挙げる事柄とその意味づけは違うが、相生であることは同じである。五行はそれぞれ形が定まっているのに、火だけが錐でもみ焼いてはじめて出てくるのは、火は大いなる陽の気であり、温めることで生じるからである。木をもんで出てくるのは、結局は万物に身を寄せているにすぎないのである。聖人は名をもたないのに万物を治め、かえって万物によって名づけられるようなものである。陽の気はこの上なく霊妙であるから、隠れたり現れたりするのである。

解説

董仲舒の問答の続きと、相生の根拠を説く二つの有名な説を並べる段である。董仲舒は五行の相生を、父が生んだものを子が育て、父が育てたものを子が養うという親子の継承に重ね、五行を儒教の五常と同一視する。これに対し『白虎通』の説明は、木をこすれば火が出る、燃えれば灰すなわち土になる、山の石の中に金がある、金属の表面に露が結ぶ、水が木を育てる、という具体的な物のあり方から相生を説く。一方『春秋繁露』は、農・軍・君・司法・警察という官職の連鎖として相生を描き、一つの役所の働きが次の役所を支えるという政治の見取り図にしている。蕭吉は両説が違う事柄を挙げながら相生という点では同じだと認め、さらに火だけが形を持たず木に宿って現れる理由を論じる。同じ原理を自然の物の性質からも、社会の制度からも説明できるという点に、五行説が漢代以降あらゆる分野に広がった理由がある。一つの考え方を身近な具体例と組織の仕組みの両方で確かめる姿勢は、今の学びにも通じる。

この章句が説くこと

五行大義相生白虎通春秋繁露五常

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