五行大義 / 第三明数・第五論九宮数
司空者。土地畝也。司徒者。民戶口大小數也。司寇者。禁備盜賊。糾察非常也。賓者。注籍往來。受容嘉慶也。師者。教訓農夫。耒耜設法也。故云。耕種百穀。麻枲蠶桑也。五紀數四在東南者。五紀。歲。日月。奉化。日辰。厤數也。八政既脩。非歲時日月。無以敷播植。次之故四。又云。巽四。東南。風行四時。以應四時之數。東南巳。純乾用事。乾主天。巽主號令。故居東南。歲者。以四時有序。盛衰始終也。日月者。照明萬物。氣候遠近也。奉化者。卽仰王化。須建功貢寶也。日辰者。次序陰陽。斷制產物也。厤數者。記綴度數。農夫候望。賦斂隨時也。故曰。王者惟歲。稅數握成。以化下也。卿士惟月。奉化行道。立寶。師允惟日。陳列衆職。制作於萬品。歲月日時。無易脩務。敬時以順紀也。故云。日月星辰。雲雨竝興也。皇極數五。在中央者。皇王建萬國。處中。分別四方。百官以治。萬事畢理。歲時成就。職貢均等。租稅五穀。以供王事。故在其中央。中央之數本五也。
新字:司空者。土地畝也。司徒者。民戸口大小数也。司寇者。禁備盗賊。糾察非常也。賓者。注籍往来。受容嘉慶也。師者。教訓農夫。耒耜設法也。故云。耕種百穀。麻枲蠶桑也。五紀数四在東南者。五紀。歳。日月。奉化。日辰。厤数也。八政既脩。非歳時日月。無以敷播植。次之故四。又云。巽四。東南。風行四時。以応四時之数。東南巳。純乾用事。乾主天。巽主号令。故居東南。歳者。以四時有序。盛衰始終也。日月者。照明万物。気候遠近也。奉化者。即仰王化。須建功貢宝也。日辰者。次序陰陽。断制産物也。厤数者。記綴度数。農夫候望。賦斂随時也。故曰。王者惟歳。税数握成。以化下也。卿士惟月。奉化行道。立宝。師允惟日。陳列衆職。制作於万品。歳月日時。無易脩務。敬時以順紀也。故云。日月星辰。雲雨並興也。皇極数五。在中央者。皇王建万国。処中。分別四方。百官以治。万事畢理。歳時成就。職貢均等。租税五穀。以供王事。故在其中央。中央之数本五也。
書き下し
司空とは、土地の畝なり。司徒とは、民の戸口の大小の数なり。司寇とは、盗賊を禁備し、非常を糾察するなり。賓とは、往来を注籍し、嘉慶を受容するなり。師とは、農夫を教訓し、耒耜(らいし)の法を設くるなり。故に云う、百穀を耕種し、麻枲(まし)蚕桑す、と。五紀の数、四にして東南に在るは、五紀は歳・日月・奉化・日辰・暦数なり。八政既に脩まるも、歳時日月に非ざれば、以て播植を敷く無し。之に次ぐ、故に四なり。又云う、巽(そん)四、東南、風は四時に行わる、以て四時の数に応ず。東南は巳(し)、純乾用事す。乾は天を主り、巽は号令を主る。故に東南に居る。歳とは、四時に序有り、盛衰始終あるを以てなり。日月とは、万物を照明し、気候の遠近あるなり。奉化とは、即ち王化を仰ぎ、須らく功を建て宝を貢ぐべきなり。日辰とは、陰陽を次序し、産物を断制するなり。暦数とは、度数を記綴し、農夫候望し、賦斂時に随うなり。故に曰く、王者は惟れ歳、税数握りて成り、以て下を化するなり。卿士は惟れ月、化を奉じて道を行い、宝を立つ。師允(しいん)は惟れ日、衆職を陳列し、万品に制作す。歳月日時、易(か)うること無く務めを脩め、時を敬して以て紀に順うなり、と。故に云う、日月星辰、雲雨竝び興るなり、と。皇極の数、五にして中央に在るは、皇王万国を建て、中に処り、四方を分別し、百官以て治まり、万事畢く理まり、歳時成就し、職貢均等にして、五穀を租税し、以て王事に供す。故に其の中央に在り。中央の数は本五なり。
現代語訳
司空とは、土地の畝(田地)を管理することである。司徒とは、民の戸数と人口の大小を管理することである。司寇とは、盗賊を取り締まって備え、非常の事態を取り調べることである。賓とは、往来する人を帳簿に記し、慶事の使者を受け入れることである。師とは、農夫を教え導き、鋤(すき)や鍬(くわ)の使い方を定めることである。だから「あらゆる穀物を耕して植え、麻を育て蚕を飼い桑を植える」という。五紀の数が四で東南にあるのは次のわけである。五紀とは、歳・日月・奉化・日辰・暦数である。八政が修まっても、年と季節と日と月の区切りがなければ、種まきや植え付けを行き渡らせることができない。そこで八政に次ぐので四である。またこうもいう。巽(そん)の四は東南にあり、風は四季を通じて吹きわたるので、四季の数に応じる。東南は巳(し)の方角で、純粋な乾の気がはたらく時である。乾は天をつかさどり、巽は号令をつかさどる。だから東南に置かれる。歳とは、四季に順序があり、盛りと衰え、始まりと終わりがあることをいう。日月とは、万物を照らし、気候に遠い近いがあることをいう。奉化とは、王の教化を仰ぎ、功績を立て宝を献上すべきことをいう。日辰とは、陰陽の順序を定め、産物の扱いを取り決めることをいう。暦数とは、天体の度数を記録し、農夫が季節の兆しをうかがい、税の取り立てを時節に合わせることをいう。だから次のようにいう。「王者は年をつかさどり、税の数を握ってまとめ、下々を教化する。卿士(大臣)は月をつかさどり、教化を奉じて道を行い、宝を立てる。師允(諸官の長)は日をつかさどり、多くの職務を並べ定め、あらゆる物を作らせる。年・月・日・時を取り違えることなく務めを修め、時を敬って天の紀に従う」と。だから「日月星辰がめぐり、雲と雨がともに起こる」という。皇極の数が五で中央にあるのは次のわけである。皇王は万国を建て、中央にいて四方を分け治め、百官はそれによって治まり、万事がことごとく整い、季節ごとの事業が成し遂げられ、職務と貢ぎ物が等しくなり、五穀を租税として取って王の事業にあてる。だから中央にあるのである。中央の数はもともと五なのである。
解説
この章句が説くこと
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五行大義・第三明数・第五論九宮数天の字を変じて水と為す。天、水を生ずるなり。水の字を変じて木と為す。水、木を生ずるなり。木の字を変じて火と成す。木、火を生ずるなり。火の字を変じて土と成す。火、土を生ずるなり。土の字を変じて金と成す。土、金を生ずるなり。金の字を変じて八卦の字と成す。八卦は五行に因りて生ずるなり。八卦の字を変じて十二月の字と為す。八卦の主(つかさど)る所は月なり。十二月の字を変じて、地の万物を出だすを成す。以て終わりに地に帰するなり。此れ九宮八卦創制の法、備われり。九宮の数、一の起こること北方より始まるは、坎(かん)一、正北にして、天の始めに応ず。始めは二無し、故に一なり。北方は五行の始め、所以に五行北方に在り。故に云う、陽気の始め、万物将に萌さんとす、と。五事の数、二にして西南に在るは、五事は貌・言・視・聴・思なり。別に後篇に在りて解す。五行に因りて五事有り、之に次ぐ、故に二なり。又云う、坤(こん)二、西南に在り、地の数に応ず。西南は林鐘(りんしょう)の管、気の次、二なり。五事は人事の先なり。故に曰く、謙虚にして徳に就き、朝謁嘉慶す、と。竝びに五事の主る所なり。八政の数、三にして東方に在るは、八政は食・貨・祀・司空・司徒・司寇・賓・師なり。既に五事有り、次に八政を脩む、故に三なり。又云う、震(しん)三、正東、人の数に応ず。三才の義、東方に畢(おわ)る。春は農の始めなり。食とは、耕種炊烹(すいほう)なり。貨とは、畜積儲博(ちょはく)、銭布金兵なり。祀とは、祭祀して神に供するなり。
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五行大義・第三明数・第五論九宮数九宮は、上は天に分かれ、下は地に別る。各おの九位を以てす。天は則ち二十八宿、北斗九星、地は則ち四方四維、及び中央、九有(きゅうゆう)に分配す。之を宮と謂うは、皆神の遊処する所なり、故に以て宮と名づくるなり。鄭司農云う、「太一は八卦の宮を行き、四毎に乃ち中央に入る。中央と云うは、地神の居る所なり、故に之を九宮と謂う」と。易緯乾鑿度(けんさくど)に云う、「易は一陰一陽之を道と謂うなり。故に太一は其の数を取りて、以て九宮を行く」と。易に曰く、「天一、地二、天三、地四、天五、地六、天七、地八、天九、地十」と。天地の数、合わせて五十有五。九宮の用うるは、天は一を除き、地は二を除き、人は三を除き、余は四十九、以て蓍策の数に当つ。又四時は四を除き、余は四十五。五は五行、四十は五行の成数なり。之を合わすれば、則ち一節の数なり。分かちて五方に置き、方ごとに各おの九なるは、一時九十日の数なり。四方は四時を成すなり。三宮相対して、十五に止まるは、一気の数たり、二十四気を成すなり。尚書洪範に云う、「初一に曰く、五行」と。位は北方に在り、陽気の始め、万物将に萌さんとす。「次二に曰く、敬しみて五事を用う」と。位は西南方に在り、謙虚にして徳に就き、朝謁嘉慶す。「次三に曰く、農(つと)めて八政を用う」と。位は東方に在り、百穀を耕種し、麻枲(まし)蚕桑す。「次四に曰く、協(あ)わせて五紀を用う」と。位は東南方に在り、日月星辰、雲雨並び興る。「次五に曰く、建つるに皇極を用う」と。位は中宮に在り、百官表を立て、政は公卿を化す。「次六に曰く、乂(おさ)むるに三徳を用う」と。位は西北に在り、強暴を抑伏し、獄訟を断制す。「次七に曰く、明らかにするに稽疑を用う」と。位は西方に在り、吉凶を決定し、疑う所を分別す。「次八に曰く、念いて庶徴を用う」と。位は東北に在り、粛敬して方を徳とし、
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尚書・洪範恭は粛を作し、従は乂を作し、明は晢(せつ)を作し、聡は謀を作し、睿は聖を作す。」「三、八政。一に曰く食、二に曰く貨、三に曰く祀、四に曰く司空、五に曰く司徒、六に曰く司寇、七に曰く賓、八に曰く師。」「四、五紀。一に曰く歳、二に曰く月、三に曰く日、四に曰く星辰、五に曰く暦数。」「五、皇極。皇其の有極を建て、時の五福を斂めて、用て厥の庶民に敷き錫ふ。惟れ時に厥の庶民汝が極に于(お)いて、汝に保極を錫ふ。凡そ厥の庶民、淫朋有ること無く、人比徳有ること無きは、惟れ皇極を作せばなり。凡そ厥の庶民、猷有り為有り守有るは、汝則ち之を念へ。極に協はずとも、咎に罹らざるは、皇則ち之を受けよ。而して康にして色(やはら)ぎ、『予好む攸は徳なり』と曰はば、汝則ち之に福を錫へ。時の人斯れ其れ惟れ皇の極とせん。
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五行大義・第三明数・第五論九宮数又云う、土は中央に居り、五行の数に応ず。若し王者動きて中を得ざれば、則ち万事を建つること能わず。故に曰く、皇の極ならざる、是れを不建と謂う、と。故に曰く、百官表を立て、公卿を政化するなり、と。三徳の数、六にして西北に在るは、三徳は正直・剛克・柔克なり。乾は天位たり、人君の象なり。五を過ぐ、故に数は六なり。又云う、乾は西北に在り、陰陽の気、西北に分かる、故に六律の数に応ずるなり。西北は乾の処る所、故に人君之に居る。正直とは人の徳なり。君子は方正にして義を以てし、曲私する所無し。故に云う、平康正直、其の徳を疑わず、と。剛克とは天の徳なり。法度失わず、罪服を軽重す。故に曰く、沈潜は剛克す、と。柔克とは地の徳なり。徳有れば秩禄し、衆職を安定し、万国に賞賜す。故に曰く、高明は柔克す、と。故に云う、強暴を抑服し、獄訟を断制するなり、と。稽疑の数、七にして西方に在るは、稽疑とは、卜筮(ぼくぜい)を建立し、疑いを問い善を択び、天地の象を占いて、以て吉凶を定む。蓍(し)は円にして卦は方、亀筮共に可否を知る。三人占えば、二人の言に従う。昔者(むかし)聖人は謀を慎み始めを重んじ、事を動かし業を作し、本を樹て基を開き、嫌を決し疑いを定むるに、必ず謀るに賢知を以てし、咨(はか)るに耆艾(きがい)を以てし、参ずるに蓍亀を以てす。故に挙げて過事無く、慮りて失計無し。蛮夷は君臣の序無しと雖も、亦決疑の卜有り。或いは金石を以てし、或いは木草を以てす。故に知る、稽疑の事は聖人の尚ぶ所なるを。其の乾の後に次ぐを以て、故に数は七なり。
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五行大義・第三明数・第五論九宮数又云う、兌(だ)は正西なり。卯酉(ぼうゆう)は天地の門たり。卯は始めを主り、酉は終わりを主る。故に斗、卯を指せば則ち万物皆出で、酉を指せば則ち万物皆入る。兌は七星の数に応ず。兌は金たり、悦言を主る、故に西方に在り。故に云う、吉凶を決定し、疑う所を分別するなり、と。庶徴の数、八にして東北に在るは、庶徴とは衆徴なり。王者より以て衆庶に及ぶまで、内に咎過を省み、外に徴祥を察せざる莫し。徴に順い機を知れば、則ち禍患無し。其の過ちを審らかにせず、庶徴を念わざれば、則ち禍至るも悟らず、敗亡日無からん。機徴の見るること有らば、必ず恭しく上帝に事え、用て過ちを為さざれば、則ち降すに福応を以てす。詩に云う、昭らかに上帝に事え、聿(ここ)に多福を懐(きた)す、と。如し善を共御せず、上帝を畏れざれば、群神乃ち怒り、必ず譴罰有り。数の八なるは、七の後に次ぐなり。又云う、艮(ごん)八、東北に在り。艮は是れ止むの義、艮は径路たり。万物大いに震に出で、小しく艮に出づ。震は衆男の長たり、艮は衆男の少たり。故に八卦の数に応ず。艮既に止むたり、悪を止め善に就かしむるなり。故に東北に在り。故に云う、粛敬は徳の方、狂僭は乱行、と。五福六極、数九にして南方に在り。五福は寿・富・康寧・攸好徳(ゆうこうとく)・考終命なり。寿とは、孝悌道徳備わり、然る後に神丹を脩め、寿命を延ぶ。富とは、徳化の及ぶ所、豊穣にして闕くる無し。康寧とは、国化安寧にして、長く楽しみ事無し。攸好徳とは、理を論じ類を比し、善を進め悪を抑う。考終命とは、時に順い務めを成し、以て寿命あるべく、統べて善徳を著す。六極とは、凶短折・疾・憂・悪・貧・弱なり。凶短折とは、斬梟誅裂(ざんきょうちゅうれつ)、大罪なり。
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五行大義・第二十二論諸官古より已来、官数三より起こり、八十一に極まるは、陽は三に成り、九に極まればなり。故に三公にして九卿、九九八十一は、黄鐘(こうしょう)の律の極数なり。故に尊官はその初数を取り、卑官はその末数を取る。一と云わざる所以は、一は是れ元気にして、天子に属す。故に天子を号して元首と為す。その一にして二無きを以てなり。尚書に曰く、元首明らかなるかな、と。臣は元一に非ず、故に三より起こる。周の六卿に止まるは、以為(おもえ)らく六合に通じ、六無に因りて、六府を設くるなり。此れ乃ち時代異なる、故に五行を越ゆるに非ず。又三代の命官は、皆九に止まる。故に士に三等有り、下士は一命、中士は二命、上士は三命。大夫三等、下大夫は四命、中大夫は五命、上大夫は六命。卿已上も亦三、少卿は七命、大卿は八命、公は則ち九命。三三にして九、亦陽の正数を以てなり。末代は命を以て品と為し、亦九を過ぎず。但だ一を以て尊官と為し、九を卑官と為す。命を取るは、是れ上命より出で、下の官名に秩す。故に多き者を以て重しと為す。品は是れその次第を品す。一既に先に居る、故に一を以て貴しと為す。此れ並びに方位及び数を五行に配す。今次いで支干を官と為す者を論ず。洪範五行伝に云う、甲は倉曹たり、農賦を共(きょう)す。乙は戸曹たり、口数を共す。丙は辞曹たり、訟訴を共す。丁は賦曹たり、獄捕を共す。戊は功曹たり、除吏を共す。己は田曹たり、群畜を共す。庚は金曹たり、銭布を共す。辛は尉曹たり、本使を共す。壬は時曹たり、政教を共す。癸は集曹たり、納輸を共す。子は伝舎たり、出入敬忌す。丑は司空たり、守将班治す。寅は市官たり、売買を平準す。卯は郷官たり、五教を親事す。辰は少府たり、
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