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言志四録 / 言志晩録 第八十六条 体は実にして虚

體實而虛。心虛而實。中孚之象即是。

新字:体実而虚。心虚而実。中孚之象即是。

書き下し

体は実にして虚、心は虚にして実。中孚の象即ち是れなり。

現代語訳

身体は充実していながら内にゆとり(虚)を持ち、心はとらわれがなく空(虚)でありながら中身が充実している。『易経』の中孚の卦の形が、まさにこれである。

解説

身体と心のあるべき姿を「実」と「虚」の組み合わせで表し、易の中孚の卦に見立てた条です。中孚は上下の両端が陽爻、中の二爻が陰爻で、全体として内が虚になっています。一方で上下の卦それぞれの真ん中は陽爻で、中が実でもあります。一斎はこの形に、充実しながらゆとりのある身体、何物にもとらわれず空でありながら誠が満ちている心を重ねます。中孚は「まこと」を表す卦です。臍下に実を蓄え臍上を虚にするという前の条の養生論とも連なっています。自信を持ちつつ固くならず、心を開きつつ芯を失わない。人と向き合うときの構えを考える手がかりになる一条です。

この章句が説くこと

虚実中孚誠易経身心

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