導師導古典を学びたいすべての人に

言志四録 / 言志後録 第百六十六条 君子の不才、小人の多才

君子而不才無能者有之。猶可以鎭社稷。小人而多才多藝者有之。秖足以亂人國。癸酉王月下識潮

新字:君子而不才無能者有之。猶可以鎮社稷。小人而多才多芸者有之。秖足以乱人国。癸酉王月下識潮

書き下し

君子にして不才無能なる者之有り、猶ほ以て社稷を鎮むべし。小人にして多才多芸なる者之有り、秖だ以て人の国を乱すに足るのみ。(癸酉王月下識潮)

現代語訳

君子でありながら才能に乏しく無能な者もいるが、それでもなお国家を安定させることができる。小人でありながら才能豊かで多芸な者もいるが、ただ人の国を乱すばかりである。(癸酉の年の正月下旬に記す、の意か。原文は「癸酉王月下識潮」)

解説

人物を見るとき、才能より徳を重んじよという一条です。徳のある君子は、才が乏しくても人心を落ち着かせ、国家の重しとなることができる。反対に、徳のない小人が多才であれば、その才はかえって国を乱す道具になる。司馬光が『資治通鑑』で、才が徳に勝る者を小人とし、才徳ともにない愚人よりも危ういと論じたのと同じ筋です。末尾の年記は、底本では「癸酉王月下識潮」と組まれており、「王月」は正月、「下」は下旬の意とみられますが、後録の執筆時期とは合わず、誤植の可能性もあります。人を登用し任せるとき、目立つ能力だけでなく、その人が何のためにその能力を使うかを見ているかを問い直させます。

この章句が説くこと

君子と小人才と徳人を見る目人材登用為政

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る