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言志四録 / 言志録 第六十九条 己を治むると人を治むる

治己與治人。只是一套事。自欺與欺人。亦只是一套事。

新字:治己与治人。只是一套事。自欺与欺人。亦只是一套事。

書き下し

己を治むると人を治むるとは、只是れ一套の事なり。自ら欺くと人を欺くとも、亦只是れ一套の事なり。

現代語訳

自分を治めることと人を治めることとは、ただ一続きのことである。自分を欺くことと人を欺くこともまた、ただ一続きのことである。

解説

「一套」はひとそろい、一続きのものという意味です。自分を律することと人を導くことは別々の技術ではなく、同じ一つの事柄の表と裏だと一斎は言います。大学の「修身・斉家・治国・平天下」という順序にも表れているように、儒学では自分を修めることが人を治めることの出発点とされてきました。後半はその裏側で、自分に嘘をつく人は、やがて人にも嘘をつくようになる、両者は別物ではないという指摘です。大学の「誠意」の章の「自ら欺くこと毋かれ」を思わせます。部下に求めることを自分は守っているか、自分への小さなごまかしが、人への不誠実につながっていないか。人を率いる立場の人が、自分の足元を見直すきっかけになる言葉です。

この章句が説くこと

修己治人誠自己欺瞞リーダーシップ克己

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