導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

智囊 / 應卒・劉錡・韓琦

金主亮性多忌。劉錡在揚州,命盡焚城外居屋,用石灰盡白城壁,書曰:「完顏亮死於此。」亮見而惡之,遂居龜山,人眾不可容,以是生變。英宗即位數日,掛服柩前,哀未發而疾暴作,大呼,左右皆走,大臣駭愕癡立,莫知所措。琦投杖,直趨至前,抱入簾,以授內人,曰:「須用心照管。」仍戒當時見者曰:「今日事唯眾人見,外人未有知者。」復就位哭,處之若無事然。

新字:金主亮性多忌。劉錡在揚州,命尽焚城外居屋,用石灰尽白城壁,書曰:「完顔亮死於此。」亮見而悪之,遂居亀山,人衆不可容,以是生変。英宗即位数日,掛服柩前,哀未発而疾暴作,大呼,左右皆走,大臣駭愕痴立,莫知所措。琦投杖,直趨至前,抱入簾,以授内人,曰:「須用心照管。」仍戒当時見者曰:「今日事唯衆人見,外人未有知者。」復就位哭,処之若無事然。

書き下し

金主亮、性忌み多し。劉錡、揚州に在り、命じて城外の居屋をことごとく焼き、石灰を用いて城壁をことごとく白くし、書して曰く、「完顔亮、此に死す」と。亮、見てこれを悪み、遂に亀山に居る。人衆容るべからず、是を以て変を生ず。英宗即位して数日、服を柩前に掛け、哀いまだ発せざるに疾暴かに作り、大いに呼ぶ。左右みな走り、大臣駭愕して癡立し、措く所を知る莫し。琦、杖を投げ、直ちに趨りて前に至り、抱きて簾に入り、以て内人に授けて曰く、「須く心を用いて照管すべし」と。仍お当時見たる者を戒めて曰く、「今日の事はただ衆人のみ見、外人はいまだ知る者有らず」と。復た位に就きて哭し、これに処すること事無きが若し。

現代語訳

金の君主完顔亮は性質が疑い深く縁起を気にした。劉錡は揚州にいて、城外の民家をすべて焼かせ、石灰で城壁をすっかり白く塗り、「完顔亮、ここに死す」と書かせた。亮はそれを見て嫌がり、亀山に陣を取った。しかしそこは人数を収容しきれず、そのため軍内に変事が起こった。英宗が即位して数日、柩の前で喪服を掛け、まだ哀悼の礼を始めないうちに、急に病が発して大声で叫んだ。側近はみな逃げ出し、大臣たちは驚きあわてて立ちすくみ、どうしてよいか分からなかった。韓琦は杖を投げ捨て、まっすぐ進み出て帝を抱きかかえ、簾の中に入れて女官に託し、「心を込めて世話をせよ」と言った。さらにその場にいた人々に言い聞かせた。「今日の出来事は、ここにいる者だけが見たので、外の者はまだ誰も知らない。」そして再び自分の位置に戻って泣き、何事もなかったかのように振る舞った。

解説

二つの場面は、相手の心理を突く策と、動転した場で冷静に収める胆力を対比させています。劉錡は迷信深い金主の嫌悪を利用し、白く塗った壁に不吉な文字を書いて陣取りを誤らせました。韓琦は、新帝の急変で全員が取り乱す中、まず本人を安全な場所に移し、見た人々に口止めして、平静を装っています。危機では、最初の数十秒の対応と、情報の広がりを抑える判断が結果を決めます。管理職は、自分が動揺を見せれば組織全体が崩れると心得て、静かに手を打つ姿勢を持つべきです。ただし口止めは、後の信頼を損なわない範囲で使うのが前提です。

この章句が説くこと

完顔亮死於此石灰白壁投杖直趨冷静危機対応情報統制

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る