智囊 / 得情・於文傅
於文傅遷烏程縣尹,有富民張某之妻王無子。張納一妾於外,生子未日卒。王誘妾以兒來,尋逐妾,殺兒焚之。文傅聞而發其事,得死兒餘骨,王厚賂妾之父母,買鄰家兒為妾所生兒初不死,文傅令妾抱兒乳之,兒啼不受,妾之父母吐實,乃呼鄰婦至,兒見之,躍入其懷,乳之即飲,王遂伏辜。
新字:於文傅遷烏程県尹,有富民張某之妻王無子。張納一妾於外,生子未日卒。王誘妾以児来,尋逐妾,殺児焚之。文傅聞而発其事,得死児余骨,王厚賂妾之父母,買鄰家児為妾所生児初不死,文傅令妾抱児乳之,児啼不受,妾之父母吐実,乃呼鄰婦至,児見之,躍入其懐,乳之即飲,王遂伏辜。
書き下し
於文傅、烏程県尹に遷る。富民張某の妻王、子無し。張、一妾を外に納れ、子を生むも未だ日ならずして卒す。王、妾を誘うに児を以て来たらしめ、尋いで妾を逐い、児を殺して之を焼く。文傅聞きて其の事を発し、死児の余骨を得たり。王、厚く妾の父母に賂い、隣家の児を買いて妾の生む所の児と為し、初めより死せずと言う。文傅、妾をして児を抱きて之に乳せしむるに、児啼きて受けず。妾の父母実を吐き、乃ち隣婦を呼びて至らしむるに、児之を見て、躍りて其の懐に入り、之に乳すれば即ち飲む。王遂に辜に伏す。
現代語訳
於文傅は烏程県の長官に転任した。富裕な張某の妻の王には子がなかった。張が外に妾を囲い、妾は子を産んだが、日も経たないうちに死んだ。王は妾を誘って赤子を連れて来させ、まもなく妾を追い出し、赤子を殺して焼いてしまった。文傅はこの話を聞いて事件を暴き、焼かれた子の残骨を手に入れた。すると王は妾の両親に多額の賄賂を贈り、隣家の子を買って妾の産んだ子だとし、その子は初めから死んでいないと言い張った。文傅は妾にその子を抱かせて乳を飲ませようとしたが、子は泣いて受けつけなかった。妾の両親が真実を白状したので、隣家の婦人を呼び寄せたところ、子は婦人を見るや躍って懐に飛び込み、乳をやるとすぐ飲んだ。王はついに罪に服した。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『智囊』得情・韓億韓億、洋州に知たり。大狡の李甲、財を以て郷里に豪たり。兄死し、其の兄の子を誣いて他姓と為し、里の嫗の貌の類せる者に賂いて、認めて己が子と為さしめ、又其の嫂を酔わせて之を嫁がせ、尽く其の貲を奪う。嫂・姪、州に訴うること、積むこと十余年、竟に未だ其の冤を白らかにする者有らず。公至り、又出でて訴う。公、前後の案牘を取りて之を視るに、皆未だ嘗て乳医を引きて験と為さず。一日、尽く其の党を召して庭下に至らしめ、乳医を出だして之に示せば、衆皆罪に服し、子母復た初めの如くに帰す。
-
『智囊』得情・程戡程戡、処州に知たり。民に積仇ある者有り。一日、諸子其の母に謂いて曰く、「母は老いて且つ病む。恐らく更に議するを得ず。請う、母の死を以て仇に報いん」と。乃ち其の母を殺し、仇人の門に置き、而して官に訴う。仇者は自ら明らかにする能わず。戡之を疑うも、僚属は皆な疑うに足る無しと言う。戡曰く、「人を殺して自ら門に置くは、疑うべきに非ずや」と。乃ち親ら劾治し、具に本謀を得たり。
-
『智囊』得情・黃霸・李崇李崇、二父と児とを三処に分禁し、故らに久しく問わず。忽ち一日、密かに人を遣わして二父に分告して曰く、「君の児、昨、不幸にして疾に遇いて暴かに死せり」と。苟泰聞けば即ち号啕し、悲しみ自ら勝えず。奉伯は咨嗟するのみ。崇察して之を知り、乃ち児を以て泰に還し、奉伯の詐れる状を詰す。奉伯款引して云う、「先に一子を亡い、姑く妄りに之を認めたり」と。
-
『智囊』得情・周紆周紆、召陵侯の相と為る。廷掾、紆の厳明を憚り、其の威を損なわんと欲す。侵晨に死人を取りて手足を断ち、寺門に立つ。紆聞きて輒ち往き、死人の辺に至り、与に語るが若き状をなし、陰かに口眼を察視するに稲芒有り。乃ち密かに守門人に問いて曰く、「夕に誰か藁を載せて城に入る者ありし」と。門者対えて曰く、「唯だ廷掾有るのみ」と。乃ち廷掾を収め、拷問して具に服す。後は人敢えて欺く莫し。
-
『智囊』得情・尹見心民に姪の富を利する者有り。醉いて之を家に拉殺す。其の長男は妻と相悪み、奸名を借りて並せて除かんと欲す。乃ち刃を操りて室に入り、婦の首を斬り、並せて拉殺されし者の首を取りて以て官に報ず。時に知県尹見心は方に二十里外にて上官を迎え、報を聞きし時、夜已に三鼓なり。見心は灯下より其の首を視るに、一首は皮肉上に縮み、一首は然らず。即ち之を詰して曰く、「両人は是れ一時に殺せしか」と。答えて曰く、「然り」と。曰く、「婦に子女有りや」と。曰く、「一女有り、方に数歳なり」と。見心曰く、「汝は且く獄に寄せ、旦を俟ちて之を鞫せん」と。別に一票を発して、速やかに某の女を取らしむ。女至れば、則ち携えて衙に入り、果を以て之に食わせ、好言して細かく問い、竟に其の情を得て、父子罪に服す。
-
『智囊』得情・程顥富民張氏の子有り。其の父死し、老父有りて曰く、「我は汝の父なり。来たりて汝の居に就かん」と。張驚き疑い、県に弁を請う。程顥、之を詰す。老父、懐を探りて策を取りて以て進む。記に曰く、「某年某月日、某人、子を三翁の家に抱く」と。顥、張及び其の父の年の幾何なるかを問い、老父に謂いて曰く、「是の子の生まるるとき、其の父は年才かに四十なり。已に之を三翁と謂わんや」と。老父驚き服す。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る