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智囊 / 剖疑・趙鳳進

後唐明宗時,有僧游西域,得佛牙以獻。明宗以示大臣,學士趙鳳進曰:「世傳佛牙水火不能傷,請驗其真偽。」即舉斧碎之,應手而碎,時宮中施物已及數千,賴碎而止。〔馮述評〕正德時,張銳、錢寧等以佛事蠱惑聖聰。嘉靖十五年,從夏言議,毀大善殿。佛骨、佛牙不下千百斤,夫牙骨之多至此,使盡出佛身,佛亦不足貴矣。誣妄褻瀆,莫甚於此,真真佛佛佛教之罪罪人也。

新字:後唐明宗時,有僧游西域,得仏牙以献。明宗以示大臣,学士趙鳳進曰:「世伝仏牙水火不能傷,請験其真偽。」即舉斧砕之,応手而砕,時宮中施物已及数千,頼砕而止。〔馮述評〕正徳時,張鋭、銭寧等以仏事蠱惑聖聰。嘉靖十五年,従夏言議,毀大善殿。仏骨、仏牙不下千百斤,夫牙骨之多至此,使尽出仏身,仏亦不足貴矣。誣妄褻瀆,莫甚於此,真真仏仏仏教之罪罪人也。

書き下し

後唐の明宗の時、僧の西域に游び、仏牙を得て以て献ずる有り。明宗、以て大臣に示す。学士趙鳳進曰く、「世に伝う、仏牙は水火も傷つくる能わず、と。請う、其の真偽を験せん」と。即ち斧を挙げて之を砕けば、手に応じて砕く。時に宮中の施物、已に数千に及びしが、砕くに頼りて止む。〔馮述評〕正徳の時、張鋭、銭寧ら、仏事を以て聖聴を蠱惑す。嘉靖十五年、夏言の議に従い、大善殿を毀つ。仏骨、仏牙、千百斤を下らず。夫れ牙骨の多きこと此に至る。尽く仏身より出でしむれば、仏も亦た貴ぶに足らず。誣妄褻瀆、此れより甚だしきは莫し。真に仏教の罪人なり。

現代語訳

後唐の明宗の時代、西域に遊んだ僧が、仏の牙を得て献上した。明宗はそれを大臣たちに示した。学士の趙鳳進は言った。「世に伝わるところでは、仏牙は水にも火にも傷つけられないといいます。その真偽を試させてください」。すぐに斧を振り上げて砕くと、一撃で砕けた。そのとき宮中の布施はすでに数千に及んでいたが、砕いたことでやんだ。〔馮夢龍の評〕正徳年間、張鋭、銭寧らは、仏事を口実に天子の耳を惑わせた。嘉靖十五年、夏言の議に従って大善殿を取り壊した。仏骨や仏牙は千百斤を下らなかった。牙や骨がこれほど多いのだ。すべてを仏の身から出たものとすれば、仏も尊ぶに足りない。偽りで冒涜すること、これより甚だしいものはない。まことに仏教の罪人である。

解説

仏牙は水火も傷つけられないという世の通説をそのまま試験にかけるという、趙鳳進の発想は単純ですが強力です。主張が検証可能な形で語られているなら、その条件で試せば真偽が分かります。宮中の布施が数千にも達していたのに、一撃で止まったことは、検証を怠ると損害が膨らむことを示します。経営の場でも、通説や売り込みの謳い文句を、そのまま検証可能な基準にして、小さく確かめる姿勢が、無駄な投資を防ぎます。馮夢龍は、後世の仏骨の多さを笑い、偽りの宗教的権威への警戒をつけ加えています。

この章句が説くこと

仏牙水火不能傷挙斧砕之施物検証真偽

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