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智囊 / 見大・漢光武帝

劉秀為大司馬時,舍中兒犯法,軍市令祭遵格殺之。秀怒,命取遵,主簿陳副諫曰:「明公常欲眾軍整齊,遵奉法不避,是教令所行,奈何罪之?」秀悅,乃以為刺奸將軍,謂諸將曰:「當避祭遵。吾舍中兒犯法尚殺之,必不私諸將也!」〔馮述評〕罰必則令行,令行則主尊,世祖所以能定四方之難也。

新字:劉秀為大司馬時,舎中児犯法,軍市令祭遵格殺之。秀怒,命取遵,主簿陳副諫曰:「明公常欲衆軍整斉,遵奉法不避,是教令所行,奈何罪之?」秀悦,乃以為刺奸将軍,謂諸将曰:「当避祭遵。吾舎中児犯法尚殺之,必不私諸将也!」〔馮述評〕罰必則令行,令行則主尊,世祖所以能定四方之難也。

書き下し

劉秀、大司馬たりし時、舎中の児法を犯す。軍市令の祭遵、之を格殺す。秀怒り、遵を取らしむ。主簿の陳副諫めて曰く、明公は常に衆軍の整斉を欲す。遵は法を奉じて避けず、是れ教令の行わるるなり。奈何ぞ之を罪せん、と。秀悦び、乃ち以て刺奸将軍と為し、諸将に謂いて曰く、当に祭遵を避くべし。吾が舎中の児の法を犯すも尚お之を殺す。必ず諸将を私せざるなり、と。〔馮述評〕罰必なれば則ち令行われ、令行われれば則ち主尊し。世祖の能く四方の難を定めし所以なり。

現代語訳

劉秀が大司馬であったとき、側近の若者が法を犯した。軍市令の祭遵はその者を打ち殺した。劉秀は怒って祭遵を連れて来させようとした。主簿の陳副が諫めて言った。あなた様はいつも全軍が整うことを望んでおられます。祭遵は法を守って容赦しませんでした。これはあなた様の命令が行われているということです。どうして罰するのですか。劉秀は喜び、祭遵を刺奸将軍とし、諸将に言った。祭遵には気をつけよ。私の側近が法を犯しても殺す。きっとお前たちを私情でかばうことはない、と。〔馮の評〕罰が確実であれば命令は行われ、命令が行われれば主君は尊ばれる。世祖(光武帝)が四方の難を平定できた理由である。

解説

劉秀は怒りに任せて祭遵を罰しようとしましたが、部下の諫言で考えを改め、むしろ祭遵を抜擢しました。身内の違反を法どおり処断した者こそ、他の者にも公平に当たるという信頼を生みます。自分の側近にも容赦しない人物を重用することで、組織全体に規律が通ると示したわけです。馮夢龍は、罰が確実であれば命令が行き届くと評します。現代の管理職にとっても、身内や親しい部下の違反を甘く見ない姿勢が、組織の信頼を支えます。同時に、感情的な怒りをいったん抑えて諫言を聞き入れた劉秀の度量も、見習うべき点です。

この章句が説くこと

奉法不避吾舎中児犯法尚殺之罰必令行公平規律諫言

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